2008年12月11日木曜日

誰のためのソリューションですか?

 「我が社のソリューションは・・・」と、お客様に説明している方も少なからずいらっしゃると思うのですが、そんなあなたは、次の質問になんと答えますか?

 「誰のためのソリューションですか?

 あなたは、「もちろん、お客様のためのソリューションです!」とお答えになるでしょう。

 さて、それは、本当に「お客様」のためのソリューションなのでしょうか?

 もう一度、考えて頂きたい。「ソリューション」とは、「課題を解決するための手段」であることは皆さんもご存じの所です。では、いったい誰の課題を解決するための手段なのでしょうか?

 営業としてのノルマや予算を達成しなければならないという、「あなた自身の課題」を解決するための手段とはなっていないでしょうか。

 あなたは、お客様の課題をしっかりと掘り下げ、自信を持って「お客様の課題」を解決する手段として「ソリューション」という言葉を使っていますか?

 「そんなことはない。お客様の課題を解決するためのソリューションを提供しています。」

 ならば、もう一つ伺いたいのですが、「我が社のソリューション」とは、一体何のことでしょうか?ハードウェア、パッケージ・ソフトウエア、ASP・・・などのあなたの会社がとり扱う商品のことではないのですか?

 だとすれば、それはあなたが売り込みたいものであって、まさにあなたの課題を解決するための手段ではないのですか?

 お客様の課題を明らかにせず、それを分かった顔をして「お客様のためのソリューション」というのであれば、それは、お客様に対するソリューションの押しつけでしかありません。

 そもそも「課題」は、お客様がそう思うものであって、営業であるあなたが「御社の課題は・・・」と押し付けるものではありません。お客様が、「これがわが社の課題です。」と自覚し、それを解決したいと思わなければ、あなたがどんなにすばらしい「わが社のソリューション」を提供しても、所詮、的外れなものになってしまいます。

 しかし、お客様が必ずしも自分の課題を正しく認識しているとは限りません。研修でも話をしていますが、「課題発掘のアプローチ」をうまく使い、お客様の課題を整理し、お客様自身に課題の存在とそれを解決する必要性に気づいていただくこと。その「気付き」を引き出すお手伝いをすることが、ソリューションを売るという仕事のスタート・ポイントです。

 お客様は、あなたの会社の商品を手に入れたいと思っているわけではありません。自分たちが抱えている課題を解決したいと思っているのです。それをきちんと確認したうえで、それならば、「わが社は、こんな解決策=ソリューションを提供できます。」というのなら、きっとお客様も話を聞いてくれるに違いありません。

 「我が社のソリューションは・・・」と言う前に、「あなたの課題」ではなく、「お客様の課題」に向き合うこと。それが、ソリューション営業の基本です。

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