2009年5月28日木曜日

言葉で強毒化するインフルエンザ

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 先日、近所の居酒屋でビールを飲んでいると、隣の席にいた男性が、テレビに映った成田で見つかった新型インフルエンザ発病者のニュースを見ながら、「大変なことになった。このままじゃあ、日本はとんでもないことになる。発病した人間など、すぐに送り返してしまえばいいんだ。」と独り言。お酒の勢いもあったのかもしれませんが、良識のない人だなぁと思いました。

 先日のブログでも書きましたが、日本では季節性のインフルエンザで、毎年1万人の方がなくなっています。その大半が高齢者や持病をもたれている方々です。

 確かに、新しいインフルエンザに注意を怠るべきではないにしても、必要以上に怖がる必要はないという、冷静な報道をもっとすべきだと思います。ただ、そんな報道をすると、この居酒屋の男性のように、マスコミにクレームする人が出てくるかもしれません。そんなことをおそれて、黙りをきめこんでいるのかもしれません。真実のほどは、分かりませんが、そうであれば、情けない話です。

 事実、兵庫の高校生が新型インフルエンザにかかったときも、学校には誹謗中傷の電話が、多数かかってきたそうです。以下のニュースを見つけました。

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 新型インフルエンザは、医学的には弱毒性といわれています。しかし、人の言葉や世間の非常識が、どんどん強毒性へと変質させてしまっているようです。

 こんな人たちの話を聞くと、改めて自分の良識を問い返す機会となります。インフルエンザのことではないにしても、周りの人、お客様に対し、自分の勝手な思いこみで、不見識な対応をしていないだろうかと。

 お客様のこと、部下のこと、上司や周りの同僚のこと、そうと思い込み、確かめもせず、自分の持論を展開し、それを押し付けてはいないだろうかと。

 自分の思い込みによる勝手な視点だけで、物事を判断する不遜を自分は犯していないだろうかと。

 もうすぐ、米国に住む娘夫婦が、一時帰国します。そのころには、社会的な毒性が、消えていることを願わずにはいられません。
 

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2009年5月27日水曜日

あなたのためだから

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 あるソリューション・ベンダーの営業会議での出来事。営業部長が持論を展開しています。

 あるお客様への営業活動に関し、自分の知っているキーパーソンの名前を挙げながら、どのようにそのキーパーソンにアプローチすればいいのか、担当営業に語って聞かせます。提案の内容についてもいろいろとはなしをはじめました。クラウド・コンピューティング、仮想化、SOAの何たるかなどなど、およそ自分の知っている最新トレンドのキーワードを駆使し、提案内容の詳細にわたり担当営業を説得し始めたのです。そして、最後は、「営業というものはなぁ~・・・」と、営業論を語り始めました。

 気がつけば、会議終わりの時間が迫っています。お客様へ出かけなければいけない営業は、「すいません。次がありますので・・・」と頭を下げて出てゆきました。営業部長の独演会も打ち止めとなり、そそくさと事務連絡と数字の話しをして、終わりとなりました。

 あとで、当事者の担当営業に話を聞くと、「熱心なのは、わかりますが、何を言いたかったのか、結局のところよくわかりませんでしたよ。」とのこと。たぶん、私も含め、ほかのメンバー全員が同じ気持ちになったのではないでしょうか。

 「あなたのためだから・・・」のつもりが、結局は自分ため、自己満足のために他人の時間を使ってしまっただけのことです。

 彼は、どうしたかったのでしょうか?担当の営業を説得したかったのでしょうか。それとも、自分の知っていることを披露したかったのでしょうか。それにしては、あまりにも上っ面の知識で、素人の私でも、「ちょっと違うんじゃないですか・・・」といいたい場面が、しばしばでした。

 人は、話を聞くよりも、話をするほうが幸せなものです。人を理解するよりも、自分を理解してもらいたい、知ってもらいたいという気持ちのほうが、強いものです。

 営業が、お客様に熱心に話をする。それが悪いとは申しませんが、熱心のあまり一方的にこちらのことばかりを話している。何とか、説得しようとの思いなのでしょうが、そういうときほど、お客様の居心地は悪いものです。

 「今回発表した新しいバックアップ・リカバリーの製品は、・・・・」と、1時間かけて機能や性能を説明し、購入を促す。そして最後に「いかがでしょうか?」と聞く。その1時間は、お客様にとって苦痛の時でしかないのです。

 ならば、「山田課長のところでは、バックアップ・リカバリーにだいぶ手間をかけていらっしゃると聞きましたが、どうなんですか?」と聞けば、山田課長は、喜んで説明してくれるでしょう。
 そして、「でも、そのやり方じゃあ、新しいサービスが始まったら、やっていけないんじゃありませんか?大丈夫ですか?」と聞いてみる。
 すると、「実は、・・・」と実情を語りだした山田課長に、「もしかしたら、お役に立てるかもしれませんよ。ご興味あります?」と聞く。「そんな話しがあるなら聞かせてよ」となればしめたものです。そのときは、製品のすべてを語ってはいけません。彼の困っているところに絞って説明すれば、話しは10分で済むし、お客様が、語っている時間のほうが長いので、お客様の苦痛は、大幅に軽減されるはずです。

 説得力は、営業の説明した時間に比例しません。むしろ、お客様の語った時間が長ければ長いほど、お客様は、説得されるのです。

 コーチングに関連して「オートクライン」という言葉があります。もともとは、自己分泌という生理学用語です。コーチングでは、自分で自分に言い聞かせることをそう呼んでいます。

 「あなたならできますよ」と他人に言われても、「そうは言いますがねぇ・・・」となる。それよりも、「自分ならできる」と自分に言い聞かせるほうが、はるかに意欲は高まります。これが、オートクラインです。

 これと同じことで、お客様は、自分で話しているうちに、その気になってしまうものなのです。そして、それが気持ちいいのです。

 件の営業部長も、他人を説得しているうちに自分に言い聞かせていた。いつも間にか、目の前の相手は消えて、自分に語りかけていたのではないでしょうか。きっと、とても気持ちがよかったことでしょう。

 お客様に気持ちよくなっていただき、自ら買いたいという意思表明をしていただく。そのためには、何よりも、お客様にたくさん話しをしていただくように、その場を作り上げてゆくことが肝要です。
 

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2009年5月24日日曜日

お客様に感動を与えられない営業は、去りなさい!

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 わたしの友人が、とてつもないレースに挑んでいます。

 フランスで行われている48時間走の世界選手権です。一周数百メートルの周回コースを48時間休まずにぐるぐると走り続けるという耐久レースです。

 INAGAKI, Sumieさん、このレースの女子世界新記録保持者で、昨年のレースで、382.718 kmを達成しています。

 このブログを書いている時点(5/24 9:40)で、35時間を走っています。

 現在、女子4位、253kmを走りぬいているようです。現時点での女子トップは日本人のKUDO, Mamiさん。男子トップもこのレースの世界タイトル保持者であるSEKIYA, Ryoichiさん。彼もまた、401.416 kmの世界新記録を保持しています。

 非常識なレースに参加する、非常識な人たち。いったい、どこにそんなチャレンジへの衝動が生まれるのでしょうか。未熟者の市民ランナーである私にとっては、いまだその気持ちが理解できません。ただ、人間としての限界に挑む彼らの姿には、心から感動します。

 昨年、24時間走の国内大会の応援に行きました。最初は、どうせ時間をもてあますだろうし、顔を出してすぐに帰ろう・・・などと思っていたのですが・・・とんでもない!すごい気迫と会場全体の熱気に呑まれ、気がつけばレースを最後まで見届けてしまいました。

 自分の限界に挑んでいる人たちの姿は、感動します。そんな彼らの姿を見ると、こちらも負けて入られないと、小さな握りこぶしを作ってしまいます。

 レースに挑むという決意、そして、このレースに参加するための日々の練習の積み重ね。レースの結果以上に、そのひたむきな努力の中にこそ、私たちにとって学ぶべきことが、数多くあるように思います。

 レースに失敗すれば、誰も評価してくれません。しかし、準備に準備を積み重ね、勝つ自信があるからこそ、彼らはレースに挑むわけです。そして、ベストを尽くす。練習の成果とその場その場の状況に臨機応変に対応する。彼等は、そうやって結果を自分に引き寄せているのです。

 営業という仕事でも同じことです。

 私たちは、自分の仕事のために日々訓練をつんでいるでしょうか。競合に勝つ、確実に予算を達成する。目標達成なくして、営業は、評価されません。

 戦いに勝つために、自分は営業という仕事をしているという自覚。なんとしてでも、この案件をものにするという意欲。そのための不断の訓練。そのどれかひとつがかけていても、結果はついてきません。

 日々の忙しさを言い訳に、営業としてのスキルを高める努力を怠ってはいないでしょうか。日々の実践こそ訓練であり、OJTで十分と考えているマネージャーや経営者は、営業という仕事の何たるかをわかっているとは言えません。

 日進月歩の技術だけでは不十分です。経済環境の変化。法律や制度の改正。世の中は常に変化し続けています。お客様は、その変化の中で、ビジネスをしているのです。

 OJTでは、世の中の動きを後追いするのが関の山です。お客様が、求めているものは、お客様自信が競合他社の先を行き、ビジネスでのイニシアティブをとることです。私たち営業は、その期待に応えなくてはならないのです。

 全方位で最前線を走り続けることなどできません。でも、ITやお客様の業務分野でに限れば、日々の訓練は、間違えなく成果をもたらしてくれます。

 日常の仕事に全力を尽くし、その経験から学ぶべきことは、少なくありません。しかし、それだけでは足りないのです。

 もし、営業としてプロフェッショナルを目指すのであれば、自分の土俵を他人と同じ高さにおいているようでは不十分です。

 48時間走に挑む彼ら。彼らの訓練は、愚直に走り続けることです。それが彼らのOJTです。ただ、その距離が人の何倍も長距離です。そして、長く走り続けるために必要な、医学や栄養学、運動学などの知識の吸収にも余念がありません。

 48時間走り続けた身体は、生理学的には、生存不可能な生体組成になるそうです。たとえば、心臓の動きを止めてしまうカリュウム値は、ほぼ致死量に匹敵する値だそうです。それでも死なない体を作るために、高度な知識と訓練が必要なのだそうです。

 学んだことを知識に終わらせること無く、自分の走りに応用し、その成果を試してみる。その繰り返しの積み重ねの中で、かれらは人並みはずれたパフォーマンスと精神力を養っているのです。

 営業という仕事にも、経験や精神力は、不可欠です。しかし、それと同時、科学や理論も必要です。この組み合わせを持たない営業は、自らの成長を放棄したも同じです。また、そのチャンスを与えてこそ、営業が育つという、実に当たり前のことに関心を示さないマネージメントや経営者は、営業成績を上げようという努力を放棄したも同じです。

 48時間走は、ただひたすら走り続けるという実に単純レースです。しかし、それを極めた世界には、大きな感動があります。そのレースを走った人も、それを応援する人も、その感動に心を動かさずにはおれません。

 お客様に感動を与え、買いたい、一緒に仕事をしたいという気持ちになっていただけなければ、仕事を受注することはできません。その力を持つために、訓練をする。とても、当たり前なことだとは、思いませんか。
 

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2009年5月22日金曜日

ソリューション営業とプロダクト営業(2) プロダクトは、仮説です。

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 お客様に、「何か課題は、ありませんか?」あるいは、「何かお困りのことはないでしょうか?」と質問しても、「ありません!」と言われてしまえば、それ以上に話が先に進みません。

 「ソリューションとは、お客様の課題を解決すること、あるいは、その手段」と昨日のブログで申し上げましたが、お客様の課題がわからなければ、解決のしようがありません。

 こんな現実に直面している営業マンも少なくはないはずです。特に、新規のお客様の場合、面識もなく、お互いに気持ちが通い合いません。そんな場面で、「何かお困りのことはないでしょうか?」と聞いてみても、「なんで、見ず知らずのあなたにそんなことを話さなきゃいけないんですか・・・」ということにもなります。

 たとえ面識のあるお客様であっても、お客様が自分の課題を認識していないこともあるわけです。ですから、「何かお困りのことはないでしょうか?」と聞いてみても答えられるはずはないのです。

 こんなときに有効な手段が、仮説検証のアプローチです。このブログでもたびたび紹介していますが、お客様の情報を可能な限り事前に収集し、「きっと、このお客様は、こんな課題を抱えているのではないか。」と仮説を用意する。そして、お客様を訪問し、「御社では、このような課題をおもちではありませんか?」とたずねてみるのです。

 「何かお困りのことはないでしょうか?」と「御社では、このような課題をおもちではありませんか?」との違いは、オープン・クエッションかクローズド・クエッションという違いです。

 前者は、答えはいくらでもあります。「ありません」もそのひとつですが、お客様もどの範囲で、どう応えればいいのか、困ってしまいます。
 それに対し、後者の答えは、「あります」か「ありません」のいずれかであり、あるいは、「よくわかりません」となります。答えは、この三者択一となるのです。お客様の思考は、ひとつのテーマに集中します。その結果、具体的に状況をイメージできるのです。

 このように、仮説を提示し、それを検証するというアプローチで、お客様の課題を明らかにすれば、「ありません」で会話が終わってしまうことはないのです。

 さて、どこがプロダクト営業と関係があるかということですが、実は、プロダクトとは、きわめてわかりやすい「仮説」であるということです。仮説検証のアプローチを使う上で、プロダクトは、お客様にも、営業マンにとっても、とても使いやすい「仮説」なのです。

 プロダクトというのは、ハードであれ、ソフトであれは、すべては何らかの課題解決の手段として作られたものです。つまり、何らかのビジネスモデルや業務プロセスが、その前提にあります。このビジネスモデルや業務プロセスは、多くのお客様に共通したものです。ですから、お客様について情報を収集し、お客様にそのプロダクトの前提となっているビジネスモデルや業務プロセスが存在するようであれは、同様の課題が存在し、その解決策をお客様が求めている可能性は、きわめて高いといえます。

 つまり、「御社では、このような業務をされていると思うのですが、でしたら、こんな課題をお持ちではないでしょうか?もし、そうでしたら、その課題を解決する手段として、このプロダクトは、このような方法で、お役に立ちますよ。いかがでしょう?」と聞いてみる。

 すると、お客様は、「なるほどそうですね」というかもしれないし、「うちはもう解決できているからいりません」というかもしれません。あるいは、「確かにこの部分は使えるけれども、これは余計ですね。」あるいは、「確かに使えますが、こういう機能や仕組み、あるいは、サービスがあると使えると思いますよ。」と教えてくれる。

 この会話を繰り返してゆくことで、お客様の課題を掘り下げ、お客様に必要な「解決策」を明らかにできるのです。

 プロダクトを売上げを上げるための「商材」と捉えるのではなく、お客様の課題を探り出すための「仮説」として、使ってみてはどうでしょうか。結果として、お客様の課題が全体として明らかとなり、そのプロダクトだけではなく、より大きなビジネスの可能性を探り出すことができるようになるのです。

 このように、プロダクト営業は、ソリューション営業のひとつのアプローチのスタイルです。どちらが優れているとか、対峙するものではないのです。むしろ、プロダクトというわかりやすい仮設を武器に、お客様の課題解決に貢献するソリューション営業を自信を持って推進されてはいかがでしょう。

 

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2009年5月21日木曜日

ソリューション営業とプロダクト営業(1)

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 昨日は、大阪への出張でした。新大阪駅を降りると、マスク姿の人が、なんと多いことか。なんだか、マスクをしていない自分が不謹慎。そんな気にもなりましたが、ちょっと騒ぎすぎでは・・・という気持ちも、正直なところあります。確かに注意を怠るべきではありませんが、過剰な反応もいかがなものかと思っています。

 昨日発生した東京都と神奈川の2人の高校生の発症についても、この二人だけがアメリカに行っている。そして、帰国して登校もしていないのに「全学休校」、しかも付属の幼稚園や大学までも休校するとの判断は、いかがなものかと思います。

 「何か言われないために先手を打った」ということなのでしょうが、その根拠になんら合理性を感じられません。世の中の空気に飲み込まれての判断なのでしょうが、本当に「全学休校」に意味はあるのでしょうか。

 この学校と取引をしている業者さんなどは、きっと大打撃でしょうね。大を生かすために小を殺すことも時には必要かもしれませんが、ほんとうに今回のことが「大」なのでしょうか。もしこれが、季節性のインフルエンザだったら、同じ判断をしたのでしょうか。地域社会に大きな影響力を持っている学校としての責任について考えれば、ほかの判断もあったのではないかと思えてなりません。

 通常の季節性インフルエンザで、わが国では、毎年1万人以上の死亡者がでているそうです。その多くが、高齢者とのこと。守るべきは守り、対策を怠るべきでないことは、言うまでもありません。ただ、必要以上にマスコミが危機感を煽っている感も否めません。対策にメリハリをつけ、重症化が懸念される人には徹底的に対策し、それ以外については、過剰な反応をしないこと。

 昨今の報道を聞くにつけて、そんなことを考えてしまいました。

 さて、大阪で仕事を終えた私は、新幹線に乗り込み、まずしたことは、アルコール消毒です。もちろん泡の出るヤツでシュバッと・・・。そして、栄養補給にもぬかりはありません。新大阪駅の構内で買った「くるる」のたこ焼きで、しっかりと対策しました。とりあえず一安心です。

 ところで、話は変わりますが、先日のソリューション営業研修でこんな質問をいただきました。

 「うちの会社は、プロダクト営業が中心です。ソリューション営業の大切さも理解できますが、どう考えればいいのでしょうか?」

 確かに、世の中では、「プロダクト営業」と「ソリューション営業」は、別物。あるいは、相対立するものという受け取りがたがあるようです。ある大手ソリューション・ベンダーの営業部長曰く、「うちは、プロダクトが中心で、ソリューションはこれからなんですよ。」という話を聞いたこともあります。

 こんな話を聞くと、なさけなくなります。

 ソリューションとは、何かという定義は、いろいろありますが、根幹で共通していることは、「お客様の課題を解決すること。あるいは、その手段」ということだと思います。決して、営業である皆さんの「予算を達成するという課題の解決策」ではありません。

 お客様の課題を解決する手段と考えるなら、それは、プロダクトであっても、あるいは、プロダクトやサービスの組み合わせであっても、それはどちらも「ソリューション」と考えればいいのではないでしょうか。

 「プロダクト」なのか、それとも「組み合わせ」なのかという手段の違いはあっても、目的は、「お客様の課題を解決すること」ですから、それはどちらもソリューションなのです。

 こんな話しをすると、「しかし、うちにはお客様の課題を解決できるだけのすべてのプロダクトがそろっているわけではありません。だから、ソリューションにはならないように思うのですが・・・」と質問される方もいます。

 そもそも、一社でお客様の課題をすべて解決できるだけの品揃えやサービスを提供しているソリューション・ベンダーなどあるでしょうか。

 どこのベンダーも所詮販売できる商品や技術には、限度があります。しかし、お客様にしてみれば、自分の課題を解決したいわけで、あなたの会社の商品を買いたいわけではありません。営業のやるべきことは、こんなお客様の期待に応えることです。

 ソリューションとは、そういうお客様に対して、課題を解決するために最適な組み合わせを提供する仕事です。ですから、自分のところになければ、ほかのベンダーの商品やサービスを組み合わせればいいではないですか。そこに自社商品の役割をしっかりと位置づけて、売り込むこと。そうすれば、プロダクトは、お客様のソリューションを構成するひとつのなるのです。

 あなたの会社が、プライマリーになって、自社の商品だけではなく、他社の商品やサービスを組み合わせる。プライマリーになれないのであれば、必要な他社の商品やサービスについては、直接取引していただくようにお客様に勧める。そうやって、お客様の課題を解決するという目的のために、全体をプロデュースすることこそ、お客様が求めていることであり、それが、IT営業に求められている役割なのです。

 プロダクトは、ソリューションと対立するものでもなければ、優劣の違いがあるわけではありません。プロダクトは、ソリューションのための手段なのです。

 ソリューション営業におけるプロダクトのもうひとつの側面については、次回、考えてみようと思います。
 

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2009年5月20日水曜日

知識と自信 IT営業の自分力

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 日曜日、八ヶ岳の山岳マラソンに出場してきました。早朝5時、標高1200mのスタート地点である野辺山の気温は7度。風雨も強く、マラソンには最悪の天気でした。ここから、標高1900mの最高地点までは、およそ20Km。これを一気に駆け上がります。その後は、山道や林道の上り下りを繰り返しながら、標高1200mの八峰(ヤッホー)の湯までの42kmを走ってきました。

 時々小降りになることもありましたが、終始強風と激しい雨にさらされたレースでしたが、なんとか無事に走り終えることができました。

 去年は、前日の暴飲暴食がたたり、最悪のコンディションでの出場。また、前半の飛ばしすぎがたたり、途中、我相方女子に「先に行くわねぇ~」とさわやかな掛け声とともに抜かれるという失態を演じました。今年は終始先行し、ゴールで彼女を迎えることができ、なんとか雪辱を果たすことができたのは、なんといっても最高の喜びです。

 さて、話は変わりますが、先週の火曜日から、ソリューション営業塾がスタートしました。毎週火曜日の夜。志の高いIT営業の面々が一堂に会し、自分力向上のために最新のITトレンドや営業の常識について、学んでいます。自腹での参加、遠く宇都宮から新幹線での出席。そんな皆さんを前にして、講師としても気合が入ります。

 前回と昨日で、全12回の内の2回が終了したに過ぎません。まだまだ、これからですが、何とか皆さんの期待に応えられるようにと思っています。

 この2回の講義で、クラウド・コンピューティングと仮想化について話をしました。どちらも今年のビジネスのキーワードとして、外すことはできません。

 しかし、改めて資料を準備しようとすると諸説紛々、きちんと整理されたものはありません。標準化もいまだ途上にあります。

 「営業として、わかりやすくお客様に説明できる資料とスキルを手に入れる。」これが、この営業塾の使命ですから、そんな視点で図表な交えながら、できるだけわかりやすいようにとまとめては見たものの、調べれば調べるたびに新しい用語や技術、製品がでてくるので、なかなか大変です。改めて、ITトレンドの移り変わりの激しさを実感しています。

 しかし、それでも「本質」は、必ずあります。それを見極めるポイントは、「お客様の享受する価値」という視点で、眺め、整理してみることだと思っています。

 各社各様、それなりの体系化はなされています。しかし、所詮自分たちにできることの範囲でしか整理をしていないことがわかります。

 お客様にとっては、どこかのメーカーの製品を使いたいわけではありません。自分たちの抱える課題を解決したいのです。ですから、自分たちができることだけを説明されても、それでは片手落ちです。

 「ソリューション営業力とは、お客様の価値を最大化できる手段を提供する力」と私は定義しています。そんな観点から、個々の製品説明ではなく、お客様の課題を解決するという視点で、整理しようと心がけてはいるのですが、いかがなものでしょうか。

 幸いにも、スタート時点では、まずまずのご評価を頂き安堵していますが、気を抜いてはいられません。

 クラウド・コンピューティングと仮想化の話題とともに、パートナーの大越さんが、Ajaxやリッチクライアントのトレンドについても話をしてくれました。外資系システム・ベンダーのマーケティングに長年携わってきただけのことはあります。ベンダー各社の思惑やマーケットの趨勢にも詳しく、これからのITビジネスのトレンドが、単に技術だけではなく各社の事業戦略と大きくかかわっていることが良くわかります。

 自分で言うのも僭越ではありますが、これは今までにはない、IT営業のための自分力養成講座だと実感しています。

 最新のトレンドについて、お客様に自信を持って説明できる自分の姿を思い描いてください。お客様に聞かれ、動じることもごまかすことも無い自分の姿を思い描いてください。

 ここで学んだ知識だけが大切なのではなく、自分の高い志と自信が、最強の武器になることに気づいていただけると思います。
 

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2009年5月10日日曜日

お客様が何を言っているのかわからない

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 各種の調査を見るとコスト削減を最優先のテーマに掲げる企業は多い。その手段として、注目を浴びている技術が仮想化だ。

 営業塾の第二回でこの話題を取り上げようと思い、最新のトレンドや技術について、いろいろと調べてみた。改めて、この技術の奥深さと広がりに興味をそそられ、ついついのめり込んでしまった。

 若い人は、ご存知ないかも知れないが、仮想化という技術そのものは決して新しいモノではない。数MIPSのCPU能力、数MBの主記憶しかない、とても高価な大型汎用コンピューターを数百人のユーザーが、効率よく利用できるようにと言うことで、30年以上も前から実用化されている技術だ。

 しかし、その後、コンピューターの劇的なコストパフォーマンスの改善に、部門に一台、個人に一台の時代の次第となり、アプリケーションや機能毎にサーバーを導入することが当たり前の時代になった。

 既設の実コンピューターのメモリーや能力を増強し、仮想コンピューターではなく、実コンピューターを目的やユーザーの数だけ導入した方が安上がり。その結果、確かに導入費用は安くはなったが、運用管理はいっこうに安くならない。むしろ管理対象が増えた分、運用管理コストも増加すると言った事態を招いている。

 この状況を打開する手段として、改めて注目を浴びているのが、仮想化の技術なのである。

 仮想化というと、誰もが思い浮かべることは、サーバーの処理能力を分割して、複数の仮想サーバーを構築する技術ではないだろうか。しかし、調べてみると、そんな単純なモノではないことがよくわかる。デスクトップの仮想化、アプリケーションの仮想化、ネットワークの仮想化、ストレージの仮想化など、実に仮想化が様々な領域に及んでいることに驚かされる。

 営業にしてみれば、自分たちが取り扱っていないものなど、売れませんと言うことになるだろう。しかし、お客様にしてみれば、コスト削減の手段として仮想化に注目しているのだから、当然の事ながら出入りしている営業に相談をする。その時、仮想化についての様々な形態を思い浮かべ、お客様の相談に乗ることが出来るかどうか・・・営業の力量が試されるときだ。

 一社で全てを提供できるソリューション・ベンダーなど、今の世の中には存在しない。「我が社は扱っていないので・・・」をいいわけにするベンダーは生き残ることなどできないだろう。自分たちに出来なければ、出来るところに協力を得ればいい。お客様の課題を解決することを最優先に考える。営業は、そのコーディネーターとして、役割を果たす。それが、今の時代の営業に求められている姿だ。
 
 「この営業に相談すれば、ちゃんと段取りを整えてくれる。」という信頼感をお客様は求めているのであり、その会社が全て自分のところでやってくれるなど、お客様は、すこしも期待などしていない。

 そんなお客様の相談に、「いったい何を言っているのかわからない」というようでは、営業としては、失格と言えるだろう。「ああ、仮想化ですね」とにこっと笑ってごまかしたところで、時間の問題だ。

 わたしが現役の頃は、自社の製品のことさえ知っていれば、それでよかった。しかし、今の営業は、そんなことではやっていけない。大変なことだとは思うが、それが現実だ。

 果たして、あなたには、その備えは出来ているだろうか。改めて、自分力を鍛えることが重要であることに気づいて欲しい。

■ ソリューション営業塾 -----

 IT営業としての自分の常識力に自信がありますか?
  • クラウドについてお客様に聞かれ、あなたはすぐに美しいチャートとともに、スマートに説明できますか?
  • コスト削減の手段として「仮想化」が話題になっています。あなたは、仮想化の3つの手法とデスクトップの仮想化について、わかりやすくお客様に説明出来るでしょうか?
 それができれば、お客様は営業であるあなたを、ますます頼りにするでしょう。

 ぜひこちらをご覧下さい。きっとその解決策が見つかります。


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2009年5月5日火曜日

営業資料とは、お客様に知識を与えることではありません。

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 豚インフルエンザにニュース番組が占領されている。弱毒性とはいえ、重態化する可能性もあるらしい。日頃、健康には、人一倍気遣いのあるわたしである。連休と言うこともあり、普段より早い時間からアルコール消毒を励行している。

 昨日のこと。脳内にも消毒薬が回り始めた頃、相方曰く、「最近、ちょっとふっくらしたわねぇ」。あまり言われたいことではなかったが、ちょっとベルトが縮んでしまったとは、自分でも感じていた。どうも豚インフルエンザにはならずにすんでいるが、豚にはなりつつあるようだ。

 「今日は、普段より10km余計に走ろう。揚げ物は食べない。炭水化物は控えめにするぞ・・・」と毎朝決心はする。しかし、「まあ連休中だし、今日ぐらいはいいでしょう」と悪魔に通信回路を開いてしまうようだ。アンチ・ウイルスのライブ・アップデートがうまく機能していないようだ。なかなか、脳内ウイルスは、手強いようだ。

 アルコールは、豚インフルエンザ・ウイルスには、有効のようだが、脳内ウイルスについては、むしろ増殖させる傾向にあるらしい。両方に聞く、特効薬はないものだろうか。

 さて、連休と言っても、やるべき事は多い。連休明けすぐに始まる営業研修の準備、5月12日から開催する営業塾の教材作り、お客様への提案資料の作成と、けっこういろいろとある。アルコールなど飲んでいる暇もないはずだが、どういう訳か飲めてしまうのは不思議だ。

 そんな仕事の中でも、営業塾の教材作りは、楽しんでいる。

 作成した資料は、参加者にパワーポイントのソフトコピーとして差し上げるという約束だ。普段より、ページ展開、ビジュアルの美しさには、気を遣う。もちろん内容が重要であることは言うまでもない。しかし、営業が資料を使ってお客様に説明すると言うことは、お客様の気持ちを動かすことが第一の目的である。決して、お客様に知識をつけていただくためではない。そのことを意識してのストーリーの展開、キーワードの選択、図表の工夫が、おもしろい。

 わかりやすいことは、必ずしも重要ではない。それなら、世の中にいくらでもある。「猿でもわかる・・・」、「初めての・・・」などなど、それを差し上げればいい。営業が資料を使って説明すると言うことは、お客様に買いたいと思っていただけるように、心を動かすことなのだ。

 そんなことを考えながらの教材作りは、なかなかクリエイティブなエンターティメントでもあるのです。

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2009年5月1日金曜日

コミットできなければ、お帰り下さい!

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 ある大手電子機器メーカーの産学連携担当者と話しをしたときのことです。

 「日本の大学は、本当の意味で研究開発のパートナーにはなりえませんよ。」

 彼は、コミットメントがないことを理由として挙げていました。

 「すばらしい研究成果もあり、その能力や大学の設備などに不満はありません。しかし、成果に対する約束があいまいであり、QCD(品質、コスト、期限)が予測できません。もちろん、研究段階ですから、失敗のリスクはあります。しかし、大学当局も研究者も、約束して守れなかったら仕方がありませんという態度です。それでは、企業として“仕事を”任せることはできませんよ。」

 国立大学には、「委任経理金」あるいは、「奨学寄附金」という寄付制度があります。企業は、大学に寄付を行い、その使途は、大学に任せるというものです。もちろん、何の見返りもなく企業が寄付を行うはずはなく、企業は、カウンターパートの研究者とどのような使途に使うかをあらかじめ合意した上で、手続き上「成果を求めない」純粋な奨学のための寄付行為として、お金を納めることになります。

 「特定の企業を利する成果を挙げることは国立大学の本分ではない」という建前なのでしょうが、このような常識が、未だに研究者を縛っているのです。したがって、「成果をコミットすることは、いけないこと。研究者の本分は、知の探求であり、社会的、経済的な成果を求めることは、学究の徒のすへきことではない。」とでも言うような常識が大学には存在しているというのです。

 この企業は、米国の大学には、数億単位の研究費を提供しています。その理由は、コミットがあるからだそうです。米国の大学研究者は、大学からの給与はわずかです。有名な研究者であっても、標準的なサラリーマンよりも安いくらいです。大学にしてみれば、スタンフォードやハーバードというような看板を提供しているのだから、あとはその看板を使って自分で研究費やスタッフの予算をまかないなさい、というわけです。当然、成果へのコミットメントなくして、研究費を集めることはできませんから、それはもう必死なるのも当然です。

 しかし、コミットメントのない日本の大学には、数十万円、数百万円がせいぜいであり、それ以上支払うことは難しいとのことだそうです。

 じゃあ何故、小額でもお金を払うかというと、優秀な学生を就職させるためなのです。つまり、優秀な学生が集まる研究室との関係を持ち、彼らと共同で研究を行うことで、人材を見極める。その機会として、利用しているというのが本音のようです。本当の成果は、自分たちの会社に就職した後であげてくれればいいと考えている。優秀な人材が手に入るのであれば、この程度の金額は、無駄ではないということなのです。

 日本のやり方がいいのか、アメリカのやり方がいいのか。それぞれに一長一短はあります。どちらがいいともいえません。ただ、企業の立場からすれば、コミットメントをしっかり与えてくれる相手であればこそ、信頼し、大金を支払おうということになるのです。

 IT業界とは、関係ない話になってしまいましたが、企業の意思決定を支配する心理を考える上で、これは大いに参考になる話です。

 お客様に提案をする。如何に自分たちが優れた技術集団であり、優秀な製品を持ち、しっかりとした体制で臨むことを説明しても、競合他社もきっと同じ様にお客様を説得することでしょう。両者に絶対的な優位は見出しにくく、それぞれに一長一短がある。結局のところ、最後はこんな状況の下で、お客様は、どちらに仕事を任せるか判断をしなければなりません。

 この状況をブレイクし、自社への決定を促す切り札は、営業の、そして、会社としてのコミットメントの強さといえるでしょう。

 もちろん、気合や根性の話しではなく、コミットできる十分な根拠の積み上げなくして、できるものではありません。それができる社内の仕組み作りができていなければ、勢いだけでコミットしても結果がついてこなければ、契約違反であり、信頼は得られませんから、二度と仕事を任せてはもらえないでしょう。

 しかし、この点をあいまいにし実質SI的な内容であっても、リスクを回避するために「委任」や「準委任」で提案し、成果を保証しないというケースは、よくあることです。

 お客様の財布の紐がきつい状況が続いています。お客様も、従来は、そのあたりをあいまいにし、要員確保という観点から、こんな契約も甘んじて受けてきました。しかし、人材がだぶつき、優秀な人材を確保しやすい買い手市場が続く状況にあって、お客様の選択の目は、厳しくなっています。

 コミットメントについて、もう一度真剣に向かい合ってみるべきかもしれません。


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