2009年5月21日木曜日

ソリューション営業とプロダクト営業(1)

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 昨日は、大阪への出張でした。新大阪駅を降りると、マスク姿の人が、なんと多いことか。なんだか、マスクをしていない自分が不謹慎。そんな気にもなりましたが、ちょっと騒ぎすぎでは・・・という気持ちも、正直なところあります。確かに注意を怠るべきではありませんが、過剰な反応もいかがなものかと思っています。

 昨日発生した東京都と神奈川の2人の高校生の発症についても、この二人だけがアメリカに行っている。そして、帰国して登校もしていないのに「全学休校」、しかも付属の幼稚園や大学までも休校するとの判断は、いかがなものかと思います。

 「何か言われないために先手を打った」ということなのでしょうが、その根拠になんら合理性を感じられません。世の中の空気に飲み込まれての判断なのでしょうが、本当に「全学休校」に意味はあるのでしょうか。

 この学校と取引をしている業者さんなどは、きっと大打撃でしょうね。大を生かすために小を殺すことも時には必要かもしれませんが、ほんとうに今回のことが「大」なのでしょうか。もしこれが、季節性のインフルエンザだったら、同じ判断をしたのでしょうか。地域社会に大きな影響力を持っている学校としての責任について考えれば、ほかの判断もあったのではないかと思えてなりません。

 通常の季節性インフルエンザで、わが国では、毎年1万人以上の死亡者がでているそうです。その多くが、高齢者とのこと。守るべきは守り、対策を怠るべきでないことは、言うまでもありません。ただ、必要以上にマスコミが危機感を煽っている感も否めません。対策にメリハリをつけ、重症化が懸念される人には徹底的に対策し、それ以外については、過剰な反応をしないこと。

 昨今の報道を聞くにつけて、そんなことを考えてしまいました。

 さて、大阪で仕事を終えた私は、新幹線に乗り込み、まずしたことは、アルコール消毒です。もちろん泡の出るヤツでシュバッと・・・。そして、栄養補給にもぬかりはありません。新大阪駅の構内で買った「くるる」のたこ焼きで、しっかりと対策しました。とりあえず一安心です。

 ところで、話は変わりますが、先日のソリューション営業研修でこんな質問をいただきました。

 「うちの会社は、プロダクト営業が中心です。ソリューション営業の大切さも理解できますが、どう考えればいいのでしょうか?」

 確かに、世の中では、「プロダクト営業」と「ソリューション営業」は、別物。あるいは、相対立するものという受け取りがたがあるようです。ある大手ソリューション・ベンダーの営業部長曰く、「うちは、プロダクトが中心で、ソリューションはこれからなんですよ。」という話を聞いたこともあります。

 こんな話を聞くと、なさけなくなります。

 ソリューションとは、何かという定義は、いろいろありますが、根幹で共通していることは、「お客様の課題を解決すること。あるいは、その手段」ということだと思います。決して、営業である皆さんの「予算を達成するという課題の解決策」ではありません。

 お客様の課題を解決する手段と考えるなら、それは、プロダクトであっても、あるいは、プロダクトやサービスの組み合わせであっても、それはどちらも「ソリューション」と考えればいいのではないでしょうか。

 「プロダクト」なのか、それとも「組み合わせ」なのかという手段の違いはあっても、目的は、「お客様の課題を解決すること」ですから、それはどちらもソリューションなのです。

 こんな話しをすると、「しかし、うちにはお客様の課題を解決できるだけのすべてのプロダクトがそろっているわけではありません。だから、ソリューションにはならないように思うのですが・・・」と質問される方もいます。

 そもそも、一社でお客様の課題をすべて解決できるだけの品揃えやサービスを提供しているソリューション・ベンダーなどあるでしょうか。

 どこのベンダーも所詮販売できる商品や技術には、限度があります。しかし、お客様にしてみれば、自分の課題を解決したいわけで、あなたの会社の商品を買いたいわけではありません。営業のやるべきことは、こんなお客様の期待に応えることです。

 ソリューションとは、そういうお客様に対して、課題を解決するために最適な組み合わせを提供する仕事です。ですから、自分のところになければ、ほかのベンダーの商品やサービスを組み合わせればいいではないですか。そこに自社商品の役割をしっかりと位置づけて、売り込むこと。そうすれば、プロダクトは、お客様のソリューションを構成するひとつのなるのです。

 あなたの会社が、プライマリーになって、自社の商品だけではなく、他社の商品やサービスを組み合わせる。プライマリーになれないのであれば、必要な他社の商品やサービスについては、直接取引していただくようにお客様に勧める。そうやって、お客様の課題を解決するという目的のために、全体をプロデュースすることこそ、お客様が求めていることであり、それが、IT営業に求められている役割なのです。

 プロダクトは、ソリューションと対立するものでもなければ、優劣の違いがあるわけではありません。プロダクトは、ソリューションのための手段なのです。

 ソリューション営業におけるプロダクトのもうひとつの側面については、次回、考えてみようと思います。
 

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