昨日、「今年の商売ネタ」について書かせて頂いたが、いつもの2倍ほどのアクセスを頂いた。ごらんいただいたことへの感謝とともに、改めてこの厳しい環境の中で、どのようにビジネスをの帳尻を合わせればいいのかと、頭を抱えていらっしゃる方が数多くいらっしゃることを確認することともなった。
さて、昨日書かせていただいたとおり、IT予算については、抑制・削減に向かうことが予測される。従って、「体質強化」、つまり、低コスト体質、効率向上やスピードアップなどが、ビジネス・チャンスとなるだろう。また、IT部門で完結出来るテーマ、例えば、ネットワーク、セキュリティ、ITIL、サーバーやシステム運用などがアプローチしやすい切り口となるかもしれない。このような観点から、思いつくままに具体的なネタを考えてみることにしよう。
まず、思い浮かぶのは、ネットワークの再構築である。新しいテクノロジーによる効率や管理機能の向上、セキュリティ対策の強化などの新たな付加価値を与えつつ、コストの大幅削減を図る。
回線料金は、下がる傾向にあるので、もし昔ながらの専用線を使っている企業があるとすれば、インターネットに切り替えることで、VPNを含む新たな機能を追加しても、リースなどをうまく組み合わせれば、コストを現行以下に抑えられる可能性があるかもしれない。
VMも可能性があるだろう。VMは、単にサーバー数を減らすコスト削減施策としてとらえるだけではなく、システム管理対象を減らすことにもつながる。少し極論かも知れないが、管理対象の削減は、ISMSで規程する「脆弱性」を低減させる。また、システム監査、あるいは、IT統制の点からも管理対象を減らすことにつながる。そんな切り口も、あるかもしれない。
暗号化も面白いテーマだ。COBITの規程する「人」「設備」「テクノロジー」「アプリケーション」「データ」のIT資産の5要素うち、「データ」は、もっとも根幹となるものだ。セキュリティは、どこまでやっても完全な対策は不可能である。したがって、お金をかけるにしてもその効果や優先順位を説得するのは難しい。しかし、盗難や紛失、漏えいなどの事故が起きても「データ」さえ読めないようにしておけば、最悪の事態は回避できるという安心感はある。これは、説得しやすい。効果がわかりやすく即効性のあるセキュリティ対策として、売り込みやすいのではないか。
ITILについては、業務や経営全体に関わる広範な仕組みづくりとなると、なかなか売り込みにくい。しかし、変更管理や運用管理面に着目をすれば、検討の範囲も絞られ、ビジネスのスピードを上げることができるかもしれない。
「体質強化」とは、すこし離れるが、環境対策を切り口にしたアプローチはないだろうか。サーバーの統廃合によるCO2排出量の削減などは、可能性があるかもしれない。
また、新たな業務を始めるにしても、今までは当たり前のように考えていた自社システムでの運用ではなく、ASP、SaaSで価格破壊を提案する。ストップしているプロジェクトも動き出すかもしれない。うまくできれば、売上を膨らませることはできないにしても、周辺の開発やサービス利用のためのコンサルティングにより、利益を増やせる可能性はある。
とにかく、お客様の業務に無駄は、ないだろうか?お客様が、「当たり前」「仕方がない」と思い込んでいるところに、今までやり方を変えることや新しいテクノロジーを使うことで、コスト削減の可能性はないのだろうか?削減だけでは意味がない。同時に利便性の向上にも貢献する。
テクノロジーは、知恵によって進化し、磨きかがる。お客様と一緒になって考えてみる。「コスト削減に向けたCPS(Customer Planning Session)」もビジネス・チャンスを探るいいきっかけとなるだろう。
ビジネスのきっかけとなる「課題」は、お客様の変化の中にあるという話は、研修でもご紹介した。まさに今この時が「変化」の時である。こういうときこそ、想像逞しく「課題発掘のアプローチ」を仕掛け、「体質強化」に向けた課題を探り出して見られてはいかがだろう。
お客様は、一緒になって「体質強化」を考えてくれる営業を待ち望んでいるだろう。
3 件のコメント:
昨年12月下旬に、お客様のシステム課長様から、
「社長から来年中に業務人員を半分で運用ができるようにせよ、との
お達しが出たので協力してほしい」
とのご依頼をいただきました。
「人員削減」を行う方法は、お客様と一緒に考え、提案させていただ
くのですが、今回は、これまでに提案を行ったがペンディングとなって
しまっていたものの中で「費用対 経費削減効果」が明確にわかるよ
うなものがいくつかありますので、再提案をしようと考えております。
世の状況が変わると、受け入れられる提案も変わるなぁ、と思います。
(実際はまだ提案できていません。しかし提案し受け入れられるという
自信がある、というだけですが)
「ダイナミックに効果が出てくるでる大型提案」
「小さくても、確実に経費削減効果がでる提案」
今回のお客様には、今のような状況であれば、後者のような提案も、
メイン提案+αとなったとしても受け入れられると考えています。
逆に、前者のような大型の提案は、どの企業様も、なかなか難しいです・・・
今年上半期中に、基幹システム刷新のためのベンダー選定を行ってい
ただける予定のお客様が3社あるのですが、どうなることやら。
斎藤さんのブログなどを読ませていただきながら、この状況で求められる
ニーズは何かということを、日々思案中です。。。
しずくさん コメントありがとうございます。
「ダイナミックに効果が出てくるでる大型提案」は、むつかしく、「小さくても、確実に経費削減効果がでる提案」の可能性を探るというアプローチは現実的かもしれませんね。
ささやかな経験ではありますが、小さな改善提案にとり組んでいる内に、その問題の根幹に対処しなければ意味がないということになり、大きなプロジェクトに持ち込むきっかけをつかめたということがあります。
ボディブローを打ち続け、アッパーカットのチャンスを待つのもひとつの方策かもしれません。
また、小さな改善提案を進める過程でCPSを実施してみてはどうですか。
より広範にお客様の課題を探るきっかけをつかめるかもしれません。
今お客様は、大きな仕掛けに対してモチベーションが下がっていることは確かです。しかし、こんなときこそ、「お客様と一緒になって考える」というアプローチが、チャンスのいとぐちになるのではないでしょうか。
アドバイスいただき、ありがとうございます!
再来週、お客様とミーティングを持つことができましたので、しっかり話しあってきます。
その前に、社内で他の担当者と、お客様に対してどのような提案ができるのかといったことの草案を、考えていきます。
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