2009年1月6日火曜日

今年は、何を商売のネタにすればいいのだろう?

 年末は、数字にご苦労された営業の皆さんも多かったのではないだろうか。年度末の苦労は、営業の勲章みたいなものである。営業が会社を支えている。そんな自負があればこそ、この厳しい状況も乗り越えてゆける。きっと、皆さんも、そんな気持ちで、年末を乗り切られたのではないかと思う。

 しかし、新しい年を迎えたからと行って、すべてが変わるわけではない。それは、お客様にとっても同じことだ。お客様もまた、厳しい経済状況を乗り切ってゆかなければならない。

 委託や派遣などの人数削減や継続契約のとりやめなどは、お客様にとっては、即効性のある経費削減策である。他にもプロジェクトの延期や規模の縮小など、いい話はなかなか聞こえてこない。

 さて、こんな不況の中、今年は何をビジネスとして売り込んでゆけばいいのだろうか。そんなことについて、考えてみようと思う。

 まず、こういう時期のお客様は、現行の経費を少しでも削減したいと考えるだろう。運用や開発の効率化、機能や要件の絞り込みによるシステム開発、あるいは、導入コストの低減である。
 また、新しいプロジェクトの実施を手控える心理が働くだろう。新規事業の延期、工場や製造ラインの新設中止、新製品の発売時期の見直しなどにともない、必要となるIT投資も手控えられることになる。

 こういう状況の中で、新たなIT投資の可能性を考えるならば、それは、「体質強化」へのとり組みということになるだろう。つまり、事業規模を拡大するための設備投資や人材確保のような「体力強化」ではなく、厳しい経済状況の中でも経営を維持できる低コスト体質、生産や物流の効率化、スピードアップへの関心が高まるだろう。

 「体質強化」の視点でお客様の抱える課題を探ってゆくことで、新たなビジネス・チャンスを見出せるのではないだろうか。

 例えば、ネットワーク・コストの削減。専用線やISDN回線に相変わらず頼ってネットワークを構築している企業も意外と残っている。それをインターネットVPNに置き換えコスト削減する。

 あるいは、ASP、SaaSなどの初期投資を抑えつつ、必要な機能だけに絞り込んで利用するサービスにもビジネス・チャンスはある。確かにパッケージ・ソフトウェアを販売したほうが、一時的収益に貢献はするものの、お客様の投資意欲が減退しているこの時期に、その意思決定を引き出すことは容易なことではない。実を取るためにも、考えてみるべきオプションではないかと思う。

 もし、どうしてもパッケージを販売するしかないとすれば、リース会社などと相談し、製品リースとサービスを組み合わせた自社の独自サービス商品を作り提供するというアイデアもあるだろう。単に製品をリースするだけでは、競合他社との差別化は難しい。お客様にとっては、単なる資産の繰り延べと見られてしまう。その解決策として、こんなアイデアも使えるかもしれない。 

 また、ITILやセキュリティへの関心も高まるのではないだろうか。というのは、IT部門として、新たな開発案件や大きなプロジェクトがなくても、人を抱え仕事をしなければならない。とすれば、他部門を巻き込まず、IT部門内で完結できるプロジェクトを増やさざるを得なくなるだろう。
 そう考えると、ITILやセキュリティは、格好のテーマとなる。これは、IT業務あるいは、システム・インフラの「体質強化」策の一貫でもあり、景気がどうあろうと、内部統制やIT統制の視点から、企業としてはとり組まなければならない課題だ。また、セキュリティは、社会的にも関心の高いテーマであるだけに、リスクを正しく伝えることができれば、経営トップとしてもなかなかノーを出しにくいだろう。

 セキュリティに関連して、PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)もひとつの切り口にはなるだろう。

 PCIDSSは、日米のカード会社が策定したセキュリティ標準である。これは、単にカード会社だけのものではなく、ECサイトも含むカード加盟店、決裁代行機関、カード発行銀行にもその適用範囲が及ぶ。また、PSIDSSに適合できない加盟店は、加盟店資格剥奪という方針も示されており、その影響範囲は大きい。
 また、PCIDSSは、「セキュリティ・スタンダード・モデル」としての認知も広がっている。というのは、ISMSが、情報資産を保護するための組織や管理体制を広範囲に規定しているのだか、どこまで対策すればよしとするのか明示されていない。これに対して、PCIDSSは、情報資産を保護するための実装レベルの要件を規定し、具体的な対策に踏み込んで何をどこまですればいいのか明示的に示されている。そのため、ISMSを補完するものとして、適用が可能である。

 さて、具体的にどんなビジネスの可能性が、生まれてくるだろうか。是非皆さんのご意見をお聞かせ頂きたい。敵に塩を送るというわけではないが、とにかく協力し合ってでも市場を盛り上げてゆかなければ、結局は自分たちのビジネスには結びつかない。大きな気持ちで、コメントに書き込んで頂ければ幸いです。

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