2009年3月30日月曜日

想定外の期待 (続)

 お客様の期待に応えようとすればするほど、お客様の期待はますます膨らんでゆきます。これまでは、潜在的な期待にとどまっていたものが、あって当たり前の基本的な期待に組み入れられてしまいます。

 売り込みの時は、お客様の潜在的期待や想定外の期待に応えることで、お客様の満足度を高め、競合に打ち勝つことができました。しかし、そのことに甘んじていると、お客様の期待が追い越してしまい、「それが当たり前」になってしまいます。

 運用や保守サービスなどで、長期にわたってお客様と関係があるような場合は、注意が必要です。いつのまにか、お客様の期待とこちらの提供するサービスのレベルがほぼ同等となり、ちょっとしたことで、みなさんの提供するサービスがお客様の期待を下回ってしまいます。

 こんな時に競合他社の付け入る余地を与えてしまうのです。

 「もしかしたら、他の会社に頼めば、もっといいサービスを受けられるかもしれない」。

 そんな潜在的な期待をお客様に持たせてしまうのです。

 当然、こういうときは、競合他社も大盤振る舞いをし、お客様の潜在的期待、あるいは想定外の期待に応えることで、勝負に出てくるでしょう。こんなチャンスを相手に与えないことが大切です。

 では、どうすればいいのでしょうか。これには、ふたつのアプローチがあります。

 ひとつは、お客様の期待をはるかに超える高いサービス・レベルを提供し、競合他社がとうていできない状況を創り出してしまうことです。この分野では絶対的な独占状態を造り上げてしまう戦略です。こうなれば、お客様は、他社に仕事を依頼する価値がありません。

 もうひとつは、お客様の期待を裏切り続けることです。

 基本的期待や潜在的期待の内容について、常に契約や打合せで一定の水準を維持し続けることが必要です。つまり、お互いの思惑に任せるのではなく、常に確認しながら相手の期待とこちらが提供するサービス・レベルを一致させる努力を怠らないことです。SLAや仕様書は、そのためにも欠かすことはできません。

 しかし、それだけでは、お客様にあきられてしまいます。つまり、物足りないという感覚を持たせてしまうことになるのです。

 このような状況を変えるために、お客様にとってメリットがあり、想定していないようなことを提案し続けることです。

 別に大きな提案ばかりではありません。以前ご紹介したプチ提案も効果的です。

 このようなテクニックで、常にお客様に新しい期待を与えるのです。このような提案は、お客様の期待を越えるものです。従って、そのこと自体、お客様の満足度を高めることになります。

 また、新しい期待は、まだお客様にとって経験のないことですから、その期待の水準もそれほど高くはありません。高い水準で当たり前になってしまった仕事への期待に応えるよりも、少ない努力で、より大きな満足をお客様に提供できる可能性があります

 誰もまねのできないレベルの高いサービスを提供し、お客様を逃がさない戦略をとるか。それとも、既存のサービスは、一定の水準に押さえつつ、新しい提案で期待を裏切り続けることで、お客様の満足度を高める戦略をとるか。

 一概にどちらがいいとは言えませんが、後者なら営業の自分力で十分に対応できるはずです。

 お客様の期待をうまく管理できれば、お客様の高い満足に支えられ、競合に入り込む余地を与えないことも可能です

 どうです。改めて、みなさんのお客様の満足について分析し、どう管理すればいいのかを考えてみてはいかがでしよう。

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