2009年3月25日水曜日

年度末のその先に見えるもの


 小沢代表秘書の逮捕について、旧来的な「マネジメントの陳腐化」「ビジネスモデルの風化」を著者は指摘しています。いままで、当たり前に許されていたこと、あるいは、限りなく白に近いグレーが、時代の変遷とともに、いつの間にか黒に近いグレーと見る人が多くなってしまったことがこの事件の背景にあると指摘しています。

 そのよな、世間の価値観の変化を見過ごし、それをそのままに放置してしまったことが、この事件につながったというのです。言葉を変えれば、「パラダイムシフト」に気付かずに同じ価値観で物事を見ていたがゆえに、こんな事件になってしまったのではないかというのです。

 現首相の庶民感覚の無さを槍玉に挙げ、自分たちこそ庶民の側にいることを訴えている政党の党首が、実はまったく庶民感覚を持ち合わせていなかったのではないかとも書かれています。

 彼の「自分は何も悪いことなどしていない」という発言は、彼の正直な感覚なのかもしれません。しかし、そのこと事態が既に今の国民の価値観と大きくずれてしまっているのかもしれないのです。

 ここで事件の善悪を判断するつもりはありません。あくまでひとつの出来事としてこれをとらえてみると、私たち営業にとっても貴重な教訓となります。

 一昨日のプログ「高度成長の時代に育った上司が、今の営業をダメめにしています」でも書きましたが、かつての方法論で成功したことが、今はもう通用しないという現実にいまだ気付いていない人がいます。その感覚のずれが、部下との気持ちのずれの原因です。

 IT業界は、今大きなパラダイムの変化に直面しています。そのひとつが、所有から利用への転換です。製品の販売、委託や請負による開発といった業務は、その内容や売り方が、大きく変わってくるでしょう。

 また、お客様がソリューション・ベンダーに求める期待は、システム技術的なことから、業務プロセスに関わる専門スキルへと変わってくるでしょう。

 クラウドもそのひとつですが、国際会計基準(IFRS)の問題やオープン・アクセス・ルール、グリーンITなど、今までにあまり気にもかけていなかったトレンドを象徴する言葉が聞かれるようになりました。

 また、少子高齢化がすすむことで、かつての高度成長は、期待できません。一人ひとりの生産性の向上への期待、製造からサービスへの経済価値の移転など、ビジネスを取り巻く社会構造が大きく変わりつつあるのです。

 これは、単なる新しい商品という次元のことではありません。ソリューション・プロバイダーの仕事の中身にまでおおきくかかわるパラダイム・シフトです。

 パラダイム・シフトとは、単なる変化を意味する言葉ではありません。今までの常識が非常識になり、非常識が常識になることです。スピードが早くなることでもありません。そもそも、自分たちの歩いている道が、その上に新しくて作られた立体交差の別の道に変わってしまうことです。

 遠くを見つめ、先が見えないという人がいます。それは、時代のスピードに追いつけないのではなく、見ている方向そのものが違うという現象が、パラダイム・シフトなのです。

 年度末も迫り、目先の数字を何とかしなければならない営業にとっては、ぴんとこない話かもしれません。しかし、お客様の目線がそちらに向き始めている時代の中で、次の営業プランを考えなくてはなりません。そのとき、このパラダイム・シフトを意識しなければ、ビジネス・チャンスを失いかねません。不況は、そんな変化を加速するのです。

 お客様に追従するのではなく、お客様に先回りしてこそ、営業である皆さんへの信頼は高まります。そのためにも、トレンドの変化にアンテナを張っておくことは、営業として大変重要なことなのです。

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