わたしは、「政治力」の違いではないかと思っています。わたしなりの解釈ですが、政治力とは、「人を魅了し、従わせる力」ではないかと思います。この人なら何かしてくれそうだという、人を引きつける魅力を放ち、その力で人を従わせるものが、政治力ではないでしょうか。
そういう視点で麻生首相と小泉元首相を比べてみると、確かに小泉元首相の方が、魅力的であったように思います。それでは、何がそう感じさせるのでしょうか。
もっとも大きな違いは、「びっくり」の大きさではないかと思います。小泉劇場と言われるように、「自民党をぶっつぶす」、「郵政解散」、「刺客」など、それまでの首相が言わないことを公言し、人を驚かせてきました。ある意味、期待を裏切り続けてくれたわけです。そんなところに、なにか引きつけられる魅力を感じ、彼を支持してきたのではないかと思うのです。
一方、麻生首相を見ると、「びっくり」があまりないように思います。びっくりというより、「がっかり」なのかも知れませんが、どちらにしても、あまり驚くことがありません。どうも、そういうところが、人気の違いとして現れているのではないかと思うのです。
さて、営業という仕事に、この考えを当てはめてみると、意外と納得できることがあります。というのも、お客様に対して、イニシアティブを取ろうとするとき、この「びっくり」が、とても役に立つからです。
お客様は、こんな提案をしてくるだろうと期待しているところに、全く違う提案をする。しかも、その効果が、お客様の期待を遙かに超えるモノであるのなら、お客様は、ぐっと身を乗り出して、話を聞こうとしてくれるはずです。
例えば、経営トップから、経費30%削減を求められ、どうしようかと頭を痛めているシステム部長に、「現在の経費を1/2にできますよ。ご一緒にこのプロジェクトを進めてみませんか。」と言えば、彼はびっくりされるでしょうし、検討してみようという気になるはずです。
仕事の内容も変わらないのに、経費節減のためだけに委託費用を減らしても、所詮一時しのぎに過ぎず、根本的な解決にはなりません。ならば、システムの運用管理やサーバーの構成などを全面的に見直し、全面的にシステムを作り替える。一部は、ASPも利用して、社内システムを外部に預けてみる・・・など、お客様が思いもしていなかった提案をしてみてはいかがでしょう。
もちろん、ただびっくりさせることだけが目的で、根拠のない話をしても、それがわかったときは、逆に信頼を失い、二度と顔を見たくないと言われてしまうのが落ちです。ですから、当然、裏付けや信念がなければ、こんな事は言えません。
お客様をびっくりさせること、つまり、いい意味で期待を裏切る、あるいは、期待を越えることが、ビジネスの主導権を握る一つの方法です。お客様が想定していなかったことは、お客様自身でコントロールできません。自ずと、その提案をした営業のリーダーシップを期待し、従おうとするはずです。
初めてのお客様に伺い、なかなか二度目の訪問が出来ないという話を聞きます。これについては、以前も別の話題でふれましたが、そのとき紹介したアプローチに加え、どうすれば、お客様をびっくりさせることが出来るだろうかを考え、打ち合わせに望まれてみてはいかがでしょう。きっと、「もっと詳しい話を聞かせてもらえないでしょうか?」となるのではないでしょうか。
びっくりさせる力も、営業力の大切な要素ではないかと思います。
■ 締め切り迫る ■ -----------
今年度最後の「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座」が開催されます。
■ 標準コース : 3月 5日(木)、 6日(金) 2日間 東京
■ 管理者コース: 3月 9日(月)、10日(火) 2日間 東京
今回からは、今までの研修で頂戴した皆様からのご意見を反映し、より解りやすく、よ実践的な内容にリニューアルして、講義をさせていただこうと準備をしています。
特に管理者コースでは、今年のプランニングや今年度の部下の育成計画についても、踏み込んだ内容にしようと考えています。この管理者コースにつては、この厳しい景気を反映してか前回は定員割れとなり延期となってしまいました。
お申し込みを頂きました皆様には、大変申し訳なく、お詫び申し上げます。そんな、皆様のお気持ちに報いるためにも、張り切って内容の充実を図ってまいります。
多くの皆様のご参加を楽しみにしています。
--------------------------------------------
0 件のコメント:
コメントを投稿