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クラウド型サービスのリスクについて、米国の調査会社、ガートナーが、次の7つの点を上げています。その記事が、コンピューター・ワールドのWeb版に掲載されていましたので、それを一部要約する形で、紹介させて頂きます。
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1. 特権ユーザーによるアクセス
ユーザー企業が利用するサービスの運営を外部に任せることになります。そうなると、システムの「物理的管理」「論理的管理」「人的管理」は、サービス提供者に依存せざるを得なくなります。「特権を持つ管理者や彼らに対するアクセス監視/制御を行うよう求める必要がある」(Gartner)と指摘しています。
2. コンプライアンス関連
自社データの安全性と完全性は最終的にユーザー企業の責任となります。従って、外部の監査や安全性のチェックをユーザー企業が行うことができなければなりません。
3. データの保管場所
クラウドですから、データがホスティングされる正確な場所は顧客は、わかりません。国内であるとも限らないわけです。とすると、データの保管/処理の法的権限、プライバシー保護規制などについて、サービス提供者とユーザーとが、契約を結んでおく必要があります。
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4. データの隔離
ユーザーのデータは、クラウド・システム内で他の顧客のものと共有されます。暗号化や運用の手順などで、どのようなリスクがあるのか、あるいは、問題は生じないか、確認しておく必要があります。
5. データの復旧
バックアップ、リカバリーの対応を明確にしておく必要があります。災害時への対応、トラブルが起こった場合の復旧時間、サービスの継続性などとともに、データの消滅や不整合の発生は避けなければなりません。
6. 調査に対する協力姿勢
不適切行為や違法行為が行われたとき、調査ができるかどうかです。サービス提供者のコンプライアンス体制や調査請求や開示要求への対応条件など、明らかにする必要があります。
7. 長期にわたる事業継続性
「決して倒産せず、大手企業に買収もしくは吸収されることのないクラウド・ベンダーを選びたい。」が理想としても、それができる保証はありません。データや運用のバックアップも含め、対策を講じる必要があります。
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この指摘にもあるとおり、このようなリスクを考慮したうえで、利用するサービスの範囲や業務の棲み分けを考えておく必要がありそうです。
ただ、過去の例をみれば、新しいサービスが多くの課題やリスクを持つことは、当然のことです。これら課題を解決してゆくことで、サービス品質を向上させてゆくのが、サービス提供者の仕事であり、利用する企業もそれを見ながら適用範囲を広げてゆくという相互関係によって、クラウド型サービスが徐々に普及、拡大してゆくと考えるべきでしょう。
どこかの記事で読んだのですが、「20世紀初頭の製造業は、どこも自社内に発電所を持って操業していました。今では、そういうところは、ほとんどありません。」。クラウド型サービスもそんな過渡期にあると考えるべきでしょう。
このような、クラウド型サービスを、どのように事業化し、また、IT営業として販売してゆけばいいのかについて、次に考えてゆこうと思います。
■ クラウド型サービスを販売する
大きく分けると、次の6つのビジネス形態が考えられます。
- 自社で投資してパブリック・クラウド型サービスを提供する
- お客様のプライベート・クラウド環境の構築を行う
- お客様のクラウド型サービス利用のための環境構築を支援する
- インフラまたは、共有サービスを提供するパブリック・クラウド型サービスを利用したお客様のアプリケーション開発を請け負う
- インフラまたは、共有サービスを提供するパブリック・クラウド型サービスを提供する事業者にアプリケーション・サービスを提供する
- パブリック・クラウド型サービスを提供する事業者のシステムを構築する
それぞれについて、考えてみようと思います。
・・・ すみません。2回で完結しようと思ったのですが、いろいろと調べたり、考えたりしている内容がどんどん膨らんでしまいました。次回以降、複数回に分けて、もっと深掘りしてゆくことに方針転換です。
よろしかったら、お付き合いください。また、ご質問やご意見、大歓迎です。是非、コメントでお寄せください。
■ 研修のご案内 ■ -----------
さて、いよいよ、新たな年度のスタートに備え、下記日程にて、今年度最後の「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座」が開催されます。
■ 標準コース : 3月 5日(木)、 6日(金) 2日間 東京
■ 管理者コース: 3月 9日(月)、10日(火) 2日間 東京
今回からは、今までの研修で頂戴した皆様からのご意見を反映し、より解りやすく、よ実践的な内容にリニューアルして、講義をさせていただこうと準備をしています。
特に管理者コースでは、今年のプランニングや今年度の部下の育成計画についても、踏み込んだ内容にしようと考えています。この管理者コースにつては、この厳しい景気を反映してか前回は定員割れとなり延期となってしまいました。
お申し込みを頂きました皆様には、大変申し訳なく、お詫び申し上げます。そんな、皆様のお気持ちに報いるためにも、張り切って内容の充実を図ってまいります。
多くの皆様のご参加を楽しみにしています。
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