2008年9月18日木曜日

モンスターカスタマーを撃退せよ!

 先日、日経ソリューションビジネスの取材を受けました。タイトルは、「モンスターカスタマーを撃退せよ!」。9月30日号の特集に掲載されるそうです。もちろん、ちょっとだけコメントが載るだけでしょうから、ご興味ある方は読み飛ばさないようにご注意下さい(笑)。

 さて、今回の取材の内容ですが、理不尽な要求を平気でする困ったお客様「モンスターカスタマー」にどう対処するかということです。

 しかし、そうは言われても、お客様の要求は千差万別で、それに応じた対処の仕方は様々です。完全無欠の原理原則など話せるものではありませんし、個別の問答集を用意するわけにもゆきません。インタビューにどうお応えすればいいものやら、正直なところ困ってしまいました。

 ただ、経験上はっきりと言えることがあります。それは、「モンスターカスタマー(お客様をこのように表現するのには、若干抵抗はありますが・・・)を作る責任の一端は営業にある」ということです。

 確かに中にはとんでもない(?)お客様がいらっしゃることは確かですが、大半は営業の対応の仕方に問題がある場合が多いのではないかと思います。
  • 「あれだけ説明したのに、XX部長は、なにも分かっていないよ。」
  • 「今頃になって、こんなことをいうなんて、非常識だよ。」
  • 「だいたいあの会社は、いつも無理なことを言ってくるんた!」
などと、自分正当性を振りかざし、お客様を非難する営業も少なくありません。しかし、その多くは、
  • お客様の行動パターンを予測し、事前の対処を怠っている。
  • 説明や説得、確認が不十分で、合意がきちんと取れていない。
  • キーパーソンを押さえないで、担当者レベルの合意で進めている。
などなど、本来当たり前にやるべき営業としての仕事をこなしていないが故に、お客様を「モンスター化」させてしまうといった場合も有るのではないでしょうか。

 人は誰しも、自分の都合のいいように解釈したいものです。この本能的な思考過程を押しとどめることはできません。だからこそ、勝手な理解で、それぞれが自分なりの納得をするのではなく、利も不利も表に出して合意すること。そして、契約や注文となれば、その内容を文書で交わすことなど、手間ではありますが、お客様をモンスター化しないためには大切な営業プロセスです。

 それと、「手段の合意」ではなく「目的の合意」を意識することが大切です。

 このシステムを導入したなら、あるいは、このサービスを利用したなら、お客様は結果としてどのようになっているか、つまり To Be のイメージをしっかりと描き、そのことを合意することが必要です。

 手段、つまり To Do の合意だけでは、何か状況が変わったとき、それに対応する選択肢は狭くなってしまいます。融通が利かないのです。そして、結果はともあれ、「このやり方でやってもらはなくては困る」、「どうせなら、ついでに・・・」となり、目的がなんだか分からなくなってしまう。つまり、お客様をモンスター化する種を営業が放置しているならば、これはもうどうしようもありません。

 日経ソリューションビジネスの記事がとうなるのか、よく分かりませんが、私は事後の対応「後始末」よりも、事前の対応「前始末」こそ、モンスター・カスタマーに対応する最善の策だと思います。

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