2009年9月9日水曜日

常識が、非常識となるとき(4)

 昨日[9/8(火)]、「クラウド時代に勝つ・・・ソリューション営業力強化セミナー」を開催させていただました。大勢のご参加を頂きました。ありがとうございました。

 さて、セミナーの内容は、以下のようなものです。

・誰もが言葉では知っている「クラウド」を体系的に整理。
・いい事ばかりじゃない、クラウドの抱える課題の洗い出し。
・クラウドの普及がSierやITソリューション・ビジネスにどのような影響を及ぼすか。
・ビジネス環境の変化にどのような施策をとるべきか。
・求められる営業スキルの変化とそれへの対処方法。

 アンケートを拝見したところ、
「クラウドやSaaS、SOAなどの言葉は知っていたが、それらが体系的に結びついていなかった。それが整理できた。」
「世間では、クラウドのプラス面ばかりが紹介されているが、多くの課題が残されていること、また、それがビジネス・チャンスになりうることが良くわかった」
「自分達のおかれている状況を客観視できた。危機感を認識できた。」

 などのコメントを頂きました。少しはお役に立てたようです。

 10月8日(木)にも、以下の無料セミナーを開催します。


 このセミナーでも、クラウドについて、売る側の視点で話しをします。また、それ以外に、仮想化、オープン・システムとメインフレーム、グリーンIT、国際会計基準をコンパクトにまとめ、その要点やビジネス可能性などについても紹介させていただきます。

 自社の強みをどう生かすか、どの分野にリソースを投入するか、ビジネス戦略を考える上でのご参考になればと考えています。

 さて、前回の続き、今回のセミナーでも紹介したことですが、「クラウドがもたらすビジネス環境の変化にどう対応するか」について、話を続けたいと思います。

 下記の図をご覧ください。

 クラウドの普及は、「ビジネス規模の縮小」と「お客様の意思決定基準の変化」という影響を与えることは、前回申し上げたとおりです。

 「ビジネス規模の縮小」への対応ですが、以下の3つの方策が考えられます。

1.組み合わせによるビジネス規模の拡大
2.クラウドに内在する課題を補完するソリューションの提供
3.パブリック・クラウドを利用した独自サービスの提供

 ビジネス規模の縮小は、特にインフラおよ機器・パッケージ・ライセンス関連の販売が縮小することに起因します。この部分の比重が大きいSIビジネスは、大きな影響を受けることになります。従って、垂直統合型のSIから脱却し、アプリケーションやサービス機能の組み合わせ、つまり水平への広がりを拡大させる組み合わせビジネスを模索する必要があるでしょう。

 また、クラウドの抱える課題は少なくありません。例えば、可用性の低さ、セキュリティへの不安、バックアップ・リカバリーの保証、対監査性のあいまいさなどなど、いろいろとあります。そのような課題を克服するための補完的手段を提供することで、ビジネスの拡大を図ることです。

 最後は、積極的にパブリック・クラウドを活用し、アプリケーション・サービスを拡充するアプローチです。自前でクラウドのプラットフォームを持つことは容易なことではありません。ですから、他人のふんどしを利用して、サービス・ビジネスにシフトする戦略です。

 いずれにしても、今までのビジネスの基盤を変えなければならない選択が求められるかもしれません。

 ノークリサーチさんのレポートによると、クラウドの市場は、2009年の249億円から、2012年の2065億円へと急激に拡大すると予想されています。

 しかし、これは既存のIT予算の範疇であり、新たな予算がどこからか生まれてくるわけではありません。つまり、いままでのIT予算の一部が、クラウドにシフトすることを意味しています。

 この現実を考えるならば、現状の延長線へのこだわりを捨て、売る側も大きくなパラダイムの転換を覚悟すべきでしょう。

 次回は、「お客様の意思決定基準の変化」にどう対応するかについて、考えてみようと思います。

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