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2011年11月19日土曜日

営業はリストラの最優先対象者


営業であるあなたたちは、リストラの最優先対象者です。

先日のSI営業に向けた研修でこんな話しをさせていただきました。これはなにも脅しでもはったりでもありません。もはや営業という仕事のあり方が変わろうとしているのです。それに対応できないようでは営業として役にたたなくなるという至極当たり前の話しをさせていだいただけのことです。

下の図をご覧ください。これは、SIビジネス=製造業型ビジネスとクラウド=サービス型ビジネスの違いを整理したものです。



SIビジネスでは初期段階での大きな収益を見込みます。人的負荷は初期段階に集中し、あとは負荷の比較的少ない保守・運用フェーズへと移行します。そのため安定して雇用を維持することにはリスクが伴いますから、企画・設計、開発、運用は協業を前提とした垂直分業型のスキームで成り立っています。俗に言われるゼネコン型のスキームです。また、初期段階でのかっちりとした要件定義を行い、徹底した作り込みによりバグを排除し、高い品質を実現しなくてはなりません。これは、ウォーターフォール型の開発に適しているといえるでしょう。

これに対してクラウド型のサービス・ビジネスでは、短期的な収益は期待できません。中長期的な収益を前提としたビジネス・モデルを考える必要があります。また、開発と運用は同時一体で進行し、常に機能や性能の改善が求められます。またバグがあればすぐに直す、システム障害があれば直ちに復旧できる体制を持つことが重要となります。言うなれば、いつまでも完成しない状態が続くことになります。このような継続的な開発と運用は、企画・設計、開発、運用をサービス提供者が一貫して行う垂直統合型のスキームが前提となり、人材の安定的確保が必要となります。これはアジャイル型の開発に適しているといえるでしょう。

このようなクラウド・サービスのニーズは高まりつつあります。その背景には、TCO負担が情報システム部門の全予算の7割を絞めるまでに肥大化してしまったことに加え、IT予算の緊縮傾向が続いていることが上げられます。日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査2011」によると、売上高に占めるIT予算比率は2000年度の2.66%から2010年度の1.18%へと、この10年間で56%低下しています。

つまり、初期投資を減らし資産を圧縮するとともに、TCOの削減をすることは企業にとっては喫緊の課題となっており、この解決策としてクラウド・サービスへの期待が高まっているのです。

それはとりもなおさず、これまでのSIビジネスを前提とした収益モデルからの転換を求められることになります。これは単に営業戦略の転換で済まされる問題ではありません。事業構造そのものの転換であり、経営の問題でもあります。

さて、このような新しいビジネス・モデルで、どのようにお客様との関係を築き、収益を確保してゆけばいいのでしょうか。

まず考えられることは、これまでのように「個客」を相手にした営業だけでは、今後のビジネス形態に対応することは難しくなると言うことです。

一時的な案件単価は大幅に減少し、長期的な視点での収益確保を前提とする必要があります。そうなると、これまで同様に多大な時間と労力を掛けてひとつの案件を獲得するというのでは、成り立たなくなるでしょう。

従来型のSIビジネスでは、営業の人件費は埋没して見えなくなっています。しかし、クラウド・サービスでは案件単価が下がりますからその費用は顕在化してくるでしょう。また、仕事のやり方も営業個人に依存した営業活動ではなく、従来とは比べものにならない数の顧客ベースを獲得するために仕組みで売る体制を整え、生産性を高めて行かなければなりません。

また、インフラやプラットフォームが隠蔽化されます。そのため、これまでのように製品の機能や性能、技術力、人材調達能力などが武器としては使えなくなります。

SaaSをお客様に売り込むことを考えてください。「IT基盤」は隠蔽化され空気のような存在になりますから、「IT基盤」が一定の水準を満たしていることは前提となり、それを差別化の要因として持ち出すことは難しくなるでしょう。より上流の「業務」に直接関わる力が必要になります。

例えば、販売情報管理サービスの場合、お客様は自分達の販売業務にこのサービスがどれほどうまく適合するかを評価の指標とされるでしょう。あなたは、営業として「販売業務」を熟知し、自分たちの提供するサービスとお客様の業務との適合性を説明することや、お客様に業務流れを変えてもらう提案をしなくてはなりません。

会計サービスなら、もはやIT基盤を云々する必要は無いわけですから、会計の実務に長けた会計士や税理士のほうが営業としてふさわしいかもしれません。このような営業チャネルの組み替えも考えなくてはならないでしょう。

また、サービスはネットワーク越しに提供されるわけですから、その変更も容易です。そのため機能改善や向上、お客様との信頼関係の維持は、これまで以上に長期継続的に行うことが必要となります。

このような営業環境の変化に対応して、求められる営業としての知識やスキルも変化するのは当然のことです。

このような変化はテクノロジーの革新がもたらすものです。しかし、お客様は、そのテクノロジーを購入したいのではありません。テクノロジーの革新によってもたらされるビジネスの革新を手に入れたいのです。

テクノロジーの進化は、テクノロジーそのものをコモディティ化/隠蔽化する方向に向かっています。当然、お客様はその上で動く、ビジネス・ロジックや仕組みの評価に重点を移すことになるでしょう。そこに応えることができる力が、これからの営業には求められているのです。




Facebookで、コミュニティ・ページを開設しています。このブログに掲載したチャート以外にも「コレ一枚でわかる クラウド・ビジネス・モデル」も先ほどアップいたしました。

よろしければ、あわせてご覧ください。

2010年1月9日土曜日

「プレーイング・マネージャー」という言い訳

 「あれだけ言っても、できないんですよ。だから、自分がやらなきゃならない。ほんとうに、どうしようもありません。」

 ある中堅ソリューション・ベンダーの営業課長の愚痴です。「ああ、またか・・・」と暗い気持ちになります。

 「自分がやらなければ、仕事が進まない。自分が、この会社を支えているんだ。俺がいなければ、取引はなくなる。だからプレーヤーとしてがんばらなきゃならないんです。」

 彼は、そういいたいのだと思います。

 しかし、彼の部下に言わせると、「私が担当なのに、なんでも自分で決めてきてしまって、事務処理やこまごまとした交渉ごとだけをやらせるんですよ。これじゃあ、やる気もおきませんよ。」

 そんな声も聞こえてきます。

 ひと昔前までは、「マネージャー」は、専業の管理職でよかったのです。しかし、バブルが崩壊し、リストラと称した人員整理と共に、管理職ポストも激減、 組織のフラット化がすすみました。「プレーイング・マネージャー」という言葉は、そんな時代背景の中から、生まれてきたように思います。

 一方、経営側にすれば、売上げに貢献しない専業の管理職よりも、売上を上げてくれるプレーヤーのほうがありがたいわけです。だから、「プレーイング・マ ネージャー」という、かっこいい名称を与え、プレーヤーとして活躍してもらい、同時に「あなたは、管理職なんですよ。」と、持ち上げておく。そのほうが、 都合がいいという思惑もありました。

 彼らは、営業担当者としての役割を担いつつ、管理職としての仕事も期待される。経営者にとっては、とても都合がいい。しかし、本人にとっては、実に複雑な立場に立たされているともいえるのかもしれません。 

 本来、「プレーイング・マネージャー」になるような人は、プレーヤーとして優秀だからこそ、その役を任せられるわけです。そんな彼らから部下を見ると、 「どうして、そんな簡単なことができないんだ」と思えてしまう。そして、「ああ、見ていられない・・・自分がやったほうが早い」と、部下を押しのけてプ レーヤーをやってしまう。そうなると、ますますプレーヤーとしての仕事が忙しくなって、部下のモチベーションを下げる。当然、部下の面倒を見る時間も、な くなってしまうのです。

 そんな悪循環を抱え込んでしまっているのが、プレーイング・マネージャーなのかもしれません。

 彼等の不幸は、マネージャーとは、何をすべきかを教えられていないことです。そもそも、マネージャーなのか、プレーヤーなのか、はっきりしないポジションですから、経営者もはっきりと、そのあたりを認識していないのかもしれません。

 確かにプレーヤーとしては、優秀だったかもしれません。しかし、マネージャーとして優秀になるための能力は、プレーヤーのそれとは違うのです。

 本人にしてみれば、マネージャーとして役割を果たしたい。それに反して、どうすればいいのか分らない。プレーイング・マネージャーは、そんなジレンマを抱えているように思います。

 「立場が、人を作る、能力を磨くものです。」。その会社の経営者は、そういうのですが、これは、しょせんきれいごとです。自分は何もせず、マネージメン トの能力は、自助努力で獲得しなさいといっているに過ぎません。その一方で、数字のノルマは、「もう、マネージャーなんだから」ということで、一層厳しく 求められます。

 しかし、これは、プレーイング・マネージャーにとっては、ある意味大きな救いでもあるのです。数字を達成するためには、部下に任せていられない。自分がやるしかないんですよ・・・と言い訳ができる。経営者も数字が大切ですから、それを受け入れざるを得ないのです。

 ここに両者の暗黙の了解が、出来上がります。

 人は、誰しも楽しいことをやっているほうが、気持ちがいいものです。私もそうですが、お客様と話しをし、商談を進めることは、楽しいものです。自分で、作戦を立て、提案し、交渉して契約を取る。そして、適度に息抜きもできます。

 優秀なプレーヤーであればあるほど、やり方は心得ているわけですから、マネージャーとしての仕事をするよりは、プレイヤーとして、動き回るほうが気持ちが楽なのです。
  
 一方、マネージャーは、部下が抱える案件の進捗把握、フォーキャスティング、組織としての予算達成、管理資料の作成や疲れる会議への出席、できない部下 の育成などなど、なれない仕事を任されます。その結果、自分の仕事(=プレーヤーとしての仕事?)ができないという気持ちになるのでしょう。

 ますます、マネージャーとしての仕事から、気持ちが遠のいていくのです。

 自分が、マネージャーとして、育成されてないのに、何が部下の育成かと思うのですが、こんな現実は多いようです。

 こういう会社の多くが、次のような問題を抱えています。

 ・若手が、なかなか育たない。
 ・大きな数字は、特定の個人(優秀といわれるベテラン営業)に依存している。
 ・社内のローテーションがうまく進まない。

 つまり、ひとりひとりの営業力の底上げや、組織として力を発揮することができないのです。
 
 プレーイング・マネージャーが、ダメだというつもりはありません。しかし、彼に何を期待し、何をしてもらいたいのでしょうか?

 プレーヤーが優先なのでしょうか、それともマネージャーとしての仕事を優先してほしいのでしょうか?そのことをはっきりしないまま、あるときは、プレーヤーを期待し、あるときは、マネージャーを期待する。これでは、自分はどうすればいいのか不安になるばかりです。

 このような状況では、まじめな人ほど、両方を何とかしなければとがんばる。その結果、どっちつかずになり、「自分は、なんてダメなんだ・・・マネージャーとしてやっていけるんだろうか?」という不安が募る。それが、きっかけとなって、心を病む人も多いように思います。

 これは、マネージャー本人の資質ややる気の問題ではありません。多くは、経営者の責任だと思うのです。

 ・マネージャーとしての役割や心構えを徹底できていない。
 ・マネージャーとして必要な能力の育成をないがしろにしている。
 ・マネージャーの評価基準が、プレーヤーの延長線上にしかない。

 まず、第一点目は、マネージャーのあるべき姿が、示されていない、共有できていないということです。これでは、何を目標にすればいいのかがわかりません。
 
 第二点目は、育成の仕組みです。エンジニアのための技術研修は、どこも熱心です。しかし、営業や営業マネージャーの研修というものは、意外とないがしろ にされている。営業マネージャーは、事務職や技術職とは、違う能力が求められます。それにもかかわらず、この点に関心を示さず、育成に関心を示さない経営 者も少なくありません。

 最後は、マネージャーの評価基準を予算の達成に重きをおいている企業が少なくないということです。もちろん、数字目標の達成は、不可避ではありますが、 それだけでは、不十分なのです。部下の育成や組織力の向上について、明確な達成目標を示し、それを昇進や昇給に連動させているでしょうか。

 マネージャーとして、やってもらいたいこと。例えば、数値目標が達成できる部下の能力育成。また、組織力としてチームを運営するためのプロデュース能 力、顧客トップとの良好な関係の維持、効率的なリソース運用・・・そういう、マネージャーに求められる能力とでも言うか、態度とでも言うか、そういうもの を明確に定義し、評価する仕組みを持つことは、とても大切なことだと思うのです。

 どうでしょうか、プレーイング・マネージャーという言葉の意味を真剣に考えてみては・・・。

 本当に力を発揮できるプレーイング・マネージャーとは、どのような人材なのでしょうか。彼らは、どんな能力を備え、コンピテンシーを持つべきなのか。

 IT業界が、大きな転換期を迎える中、マネージャーも売上げの貢献にがんばってもらいたいものです。しかし、その役割は、担当営業と同じでいいはずはありません。そこのところをちゃんと考え、彼らに示してあげることは、経営者の大切な役割だと思います。

 また、プレーイング・マネージャーも、自分の役割について考えなくてはいけません。マネージャーとして、自分は何ができて、何が足りないのか。不安を抱え込むのではなく、冷静に、客観的に自分を内省してみることが必要です。

 プレーイング・マネージャーという言い分けで、やるべきことをごまかさない。経営者も、自分自身も、その自覚を持つことが、大切ではないでしょうか。

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 この「ITソリューション塾」は、ITの最新動向やITビジネスにかかわる最新の知識を分り易く、体系的に整理し、提案活動の武器にしていただこうという企画です。

 例えば、「クラウド」というキーワード。知らない方はいらっしゃらないと思います。しかし・・・

 「クラウドと仮想化の違いを教えてください。」とお客様から聞かれて即答できなければ、信用失墜です?

あるいは・・・

  • iPhoneは、世界最初のモバイル・クラウド端末と言うことですが、それはなぜですか?
  • クラウドを使うとグリーンITを推進することになるとの事ですが、それはなぜですか?
  • Windows Azureの発表がありましたが、システム開発や運用は、どう変わるのですか?
 こんな、お客さまのご相談に答えることができれば、お客さまの信頼もますます高まるはずです。

 クラウドばかりではありません。国際会計基準、ネットワーク・セキュリティなど、ITのトレンドは、実に急速に動いています。

 「ITソリューション塾」は、こんなお客様からの相談を
  • 「理解」できる。
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 そんな常識力を養っていただこうというものです。

 また、説明資料の分りやすさやビジュアルの美しさにも相当を気を使っています。

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2009年4月1日水曜日

営業という商品を作る

 先日、ある大学の就職課の方と話をする機会がありました。その方がおっしゃるには、就職先として人気があるのは、教育熱心な企業だそうです。

 ただ収入を得る場としての企業ではなく、仕事とともに個人としての成長機会を与え続けられる企業。特に優秀な大学生たちにとっては、そのような企業が魅力的に映るのだそうです。

 ただ、経営者の立場に立てば、自分たちが育てた優秀な社員が、そのスキルを資産に他社へ移ってしまうことを心配する声もあります。しかし、そのような機会を与え続けなければ、結果として優秀な人材は、会社に魅力を感じることができません。結局は去ってしまいます。

 このジレンマを乗り越えて、チャンスを与え続けられる企業が、結局は生き残ることができるのです。

 こんな思いから教育に熱心にとり組むソリューション・ベンダーの多くは、SEやプログラマーを対象とした技術教育には熱心に取り組んでいます。しかし、営業を育てようとなると、さほど多くはありません。

 「営業は、経験を積んで勘を養う、あとは度胸で仕事をすればいい。研修は、リフレッシュにはなるが、仕事のやり方が変わるわけではない。」

 というように、営業は、精神面ばかりが重要視される傾向があります。

 このような考えを頭ごなしに批判するつもりはありません。確かに、経験と勘と度胸も営業には必要です。ただ、それだけでも売上げが向こうからやってきたのは高度経済成長期のことです。

 「おれの若いころはなぁ」と過去の栄光を錦の御旗に「もっと、気合を入れてがんばれ!」だけで、売上げがついてきた時代は終わったことを自覚してほしいものです。これについては、「高度成長の時代に育った上司が、今の営業をダメめにしています」に詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

 低成長の時代に入り、売上げに利益が伴う時代ではなくなりました。また、インターネットの普及は、お客様と営業の情報格差をなくしてしまいました。情報量を武器にお客様に対して優位に立てる時代ではなくなったのです。また、オープン化、標準化が進み、使う側のお客様にとっては利便性は増したのですが、その結果として、売る側に対するお客様の目はますます厳しくなりました。お客様の「当たり前」の基準がどんどんと上昇し、簡単なことでは、お客様にご満足いただけなくなったのです。

 このような時代に勝ち残るためには、技術や製品だけではなく、営業をもうひとつの商品に育てる取り組みが欠かせません。

 技術にはスキルがあり、マニュアルがあります。製品には、設計図があります。だからこそ、お客様の要望に応えられる機能や品質、コストを提供できるのです。

 しかし、営業の仕事の設計図を持っているところは多くはありません。性能を高め品質を作りこむための取り組みも不十分です。営業の設計図とは、「営業活動の手順=営業活動プロセス」です。性能や品質を作りこむとは、「教育と研修」です。

 経験や勘に頼るのではなく、効率よく効果的に成果を挙げるための科学的な取り組みが、営業には必要ではないかと思っています。

 先日来書き続けている「顧客満足の科学」や「想定外の期待」をご覧いただければわかると思うのですが、営業という仕事を分析して、体系化してゆくことで、同じ成果を挙げるにしても、もっと短期間に効率よく行うことができるようになります。

 私は、営業という仕事をサービス・プロダクトととらえるべきだと思います。

 今の時代、技術力や製品力だけで、差別化することは容易なことではありません。そこで、営業力というもうひとつの要素をビジネスに埋め込み、全体としての完成度を高め、競合優位を際だたせてゆくべきだと思うのです。

 営業のための研修や営業活動プロセスの整備は、営業という商品を造り上げ、強化してゆくための取り組みと言えるのです。

 ソリューション営業を、このような視点で考えると、とても理解しやすいと思うのです。

 次回、この点について、掘り下げてみようと思います。

■ ソリューション営業塾 -----

 IT営業としての自分の常識力に自信をお持ちですか
  • クラウドについてお客様に聞かれ、あなたはすぐに美しいチャートとともに、スマートに説明できますか?
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 それができれば、お客様は営業であるあなたを、ますます頼りにするでしょう。

 その知識と説明資料をご提供しようと企画したのが「ソリューション営業塾」です。
  • 毎週2時間/全12回(3ヶ月)
  • 火曜日の就業時間後 18:30-20:30
  • 5月12日(火)よりスタート
  • 東京・九段下
 今さら聞けないIT営業の常識やITのこれからのトレンド整理してわかりやすく解説するものです。

1.売るためのネタやノウハウを集中講義
 システム・インテグレーター、ソリューション・プロバイダー、IT機器ベンダーなど、IT関連のビジネスに関わる企業のシステム営業、SE、マーケティング関係者のための学習塾です。

2.製品紹介のセミナーではありません
 売り込みのネタ、お客様から聞かれそうな話題、知っているとちょっと尊敬される豆知識などを、売る側の視点から整理して解説します。

3.講義資料はソフトコピーで差し上げます
 プロの講師陣が作成した説明資料は、パワーポイント形式で、みなさんに差し上げます。お客様への説明、提案書の素材として、どうぞご活用ください。

 お客様に頼りにされる営業になるためのブートキャンプです。

 なお、会場の制約で定員も限られております。申し訳ありませんが、定員になり次第締め切らせていただきます。早々のお申し込みをお待ちしています。

 なお、今回は第一回目ということもあり、特別の料金でご参加いただけます。どうぞ、ご検討ください。


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2009年1月31日土曜日

良き先輩のいない時代

 「昔のような、良き先輩後輩の関係がなくなったよ。」

 昔、IBM時代に一緒に仕事をしていた友人が、電話越しにそんな話をしていた。彼は、今、IBMの営業所長をしている。「今度ゆっくり話をしよう」と言うことで、電話を切った。

 先日、IBM時代のある先輩営業の訃報を受け取った。

 わたしがまだ入社したばかりの頃だから、もう二十数年前のことだが、彼は、当時30代の後半か40代の前半だっただろうか。小柄ながら恰幅もよく、いつもびしっと髪を分け、エネルギッシュにオフィースの中を闊歩していた。太く張りのある声、自信に満ちた話っぷりが、今でも印象に残っている。直接、仕事をご一緒したことはないが、彼を端で見ながら「すごい人だなぁ」と思っていた。

 IBMは、12月が年度の締めである。当時営業は、ノルマ達成にものすごい執着を持っていた。「ノルマ達成が出来ないことは、恥ずかしいこと」という刷り込みがあり、一年間そのためだけに必死で仕事をしてきたといっても過言ではないくらいだ。

 年度の最後の日は、そんな雰囲気の絶頂にある。何としてでもノルマを達成しようと最後の最後まで契約をかき集めるために、営業は必死に走り回っていた。そして、その受注をインプットする業務担当者達も必死である。決められた時間までに受注データをインプットしなければ、受注は計上されない。もしそんなことにでもなれば、今年一年やってきたことが全て無駄になる。彼らもそのことはよくわかっていて、深夜まで必死で業務をこなしてくれていた。

 我が先輩営業は、そんな彼等を気遣い、年度の最終日の深夜、夜食にとすしを注文し振るまっていた。もちろん、自腹である。かっこいいと思った。すごいなぁとも思った。いずれ自分もあんなかっこいいことをしたいなぁと思ったものである。

 わたしは、研修で科学的でロジカルな営業の仕事の仕方を教えている。わたしが研修でお伝えしている内容は、そんなすばらしい先輩達から学んだことを自分なりに反芻し、整理したモノに過ぎない。

 一見浪花節的で、ロジックのかけらもないように見える彼等の仕事の仕方だったが、そこにはお客様の心理や意志決定の仕組みを熟知した上で、確実に仕事をこなしてゆく知恵が組み込まれていた。改めて考えてみれば、実に要領よく仕事をこなしていたように思う。そんなすばらしい先輩の知恵を当時の新人達は、徒弟制度のような先輩後輩関係の中で、学んできた。

 そんな関係が薄れつつある今、彼等の暗黙知や自分なりに体験した経験知を、形式知として誰にでもわかるように整理し伝えることが、今のわたしの使命なのかもしれないと思っている。

 少々、大げさな表現かも知れないが、良くも悪くもそんな先輩達から多くのことを学んできた。「昔のような、良き先輩後輩の関係がなくなったよ。」という友人の話を聞いて、未だそんな良き先輩になりきれない自分の未熟を恥じ入るばかりである。 

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 こんなパンフレットを作ってみました。よろしければご覧下さい。
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2008年10月15日水曜日

怒りには理由がある

 「あたまにくる」「冗談じゃないよ」「ゆるせない」「なにやってんだよ」「いいかげんにしろ」・・・私が、このような言葉を口にすることはまずない。そう思うこともあまりない。自分は感性が欠如しているのだろうかと考えてしまうこともあるが・・・しかし、できないものはできない。

 このような表現を感情豊かに平気で言える人を時にうらやましいと思うことがある。これもまたひとつの才能なのかなあとうらやましく思うこともある。

 怒りには、その人なりの理由がある。受け取る側が相手に合わせて、感情的に捉えてしまうと、相手の思いの本質が見えてこない。

 怒りの言葉には「絶対にその考えを変えるつもりはないぞ!」というような確信とでもいうか、信念とでも云うか、ものすごいエネルギーが、渦巻いている。このエネルギーの一部が「口」という小さな窓を通して、ちらりと見えただけである。氷山の頂上が見えているだけであって、その下には大きなエネルギーの塊が隠れていることを覚悟しなければならない。

 怒りに「論理的」に対抗しようとしても所詮勝ち目はない。論理とは言葉を整理するための手段であり、そのエネルギーに対抗できるものではない。多少なりとも、力のかけどころを分散する効果はあっても、「エネルギー不変の法則」を変えることはできない。

 では、こちらも「感情的な表現」を使って対抗すればいいのかというと、それも簡単なことではない。どうも怒りのエネルギーというのは、ぶつかり合うことで相殺されることはないようだ。原子核に中性子を打ち込むようなモノで、怒りに怒りのエネルギーをぶつけると核反応でもするかのように、さらにエネルギーの量が拡大し、世界の終末まで戦うぞと云うことになりかねない。

 私も怒りを感じないわけでもないのだが、それを言葉にすることにとても抵抗を感じる。そんな気持ちがあるので、ますます怒りを自分の中に封じ込めているのかもしれない。だから、相手が怒りを顕わにしているときも、努めて冷静に相手の言葉の裏側にある論理を読み取ろうとするのだが、相手にしてみれば、自分の気持ちが通じていないと見えるのだろう、「君はどう考えているんだ」などと突然振られることがよくある。

 怒りの言葉は、時にして論理的一貫性を欠く。というよりも、基本的なところの論理は一貫しているのだが、表現がワープするというか、煮詰まった表現の断片が、時間軸を無視して打ち出されることが多く、簡単には相手の論理をこちらで再構成できない。「何怒っているのだろう?」と直ぐには分からないこともしばしばだ。

 しかし、問われた以上は、自分の考えを伝えなくてはならない。だが相手の論理がまだ読み切れていない。自ずと的はずれなことも多く、結果として相手の怒りに油を注ぐことになる。

 営業という仕事をしていると、お客様の「怒り」に遭遇することはしばしばだ。さて、どう対処すればいいのだろうか。簡単なことではないが、次の3つの手順に従ってみるというのは如何だろう。

1.相手の気が済むまで、徹底的に話を聞く
 まずは、これしかないだろう。怒りの感情を持続させるには、相当のエネルギーを消費する。永遠に燃え続けることなどできない。時に耐え難い屈辱的な言葉を浴びせられることもある。それでも、なるほどと耳を傾ける。

 決して聞き流すのではなく、打ち出される言葉の断片の裏側にある、論理や法則を再構成すべく、脳みそを全開にする。
 「また、なんか怒ってるよ」と馬耳東風で聞き流していると時間はものすごくゆっくりと流れる。そんな応対をしていると自分が「無駄な時間を過ごしている」ことに怒りを感じてしまう。それを相手にぶつようものなら核爆発を起こしかねない。

 一方、相手の論理を理解しようとすると、知的好奇心が刺激されて、推理小説の謎を解くような興奮がわき上がってくる。そうこうしているうちに、「ユーレカ!」である。相手の怒りが大きければ大きいほど、こちらの喜びも大きい。気がつけば、あっという間に時間が過ぎている。

 相手に対する感謝の気持ちさえわき上がってくる。仲間になれたとでも云うか、相手の側に立てたことは営業として何よりの成果だ。

 「分かりました!こういうことだったんですね。あなたを理解することができました。ありがとうございます。」そんな言葉が自然と口をついて出てくれば、なんと幸せなことだろう。

2.相手と一緒に怒る
 相手の論理が読めたなら、それを受け入れることができる。なるほど頭にくる。おっしゃるとおりですと思えるのなら、その感性に素直に従い、相手に伝えることだ。怒っている相手が例え自分であったとしても、悪いものは悪いと思えるのなら、そう云えばいい。

 もし、その論理に問題があるとすれば、素直にあなたの考えを伝えてみるといいだろう。但し、冷静に、客観的に言葉を選びながら、通常の1.5倍時間をかけて、ゆっくりと話すことを心掛けよう。

3.時間を味方に付ける
 それでも、相手の怒りが収まらないのなら、あとは時間を仲間に引き入れるしかないだろう。なるほどなるほどとうなずき、相手への理解を示す。
 
 もうこれ以上言葉がない、あるいは、相手が精根尽き果てるまで、相手の怒りの言葉を聞き続ける。それしかない。

 このような状況においては、相手は圧倒的に不利である。なぜなら、単位時間当たりのエネルギー消費量は、相手がはるかに多いはずだ。こちらは余裕を持って、悠然と構えることができる。そして、ひたすら、相手の言葉の裏側にある状況を分析する。
 相手の立場、今置かれている状況、例えば、会社での軋轢、なぜ怒っているのか、その理由はどこにあるのか。もし、彼が何らかの要求をしているのなら、その要求が通らないとき、彼はどのような立場に置かれるのか、家族の目、会社での評価・・・いろいろと想像してみる。これはなかなか興味深い。こういうときこそ、普段見ることのできない心の内面を覗くことができる。お客様の立場に立つ、お客様を深く理解する絶好の機会だ。

 気がつけば、相当な時間が過ぎている。腹もすくし、他の仕事もしなければならない。一時の興奮状態は多少なりとも収まり、冷静さ、論的思考力が蘇る。この時を待って、あなたの考えを静かに、時間をかけて伝える。そして、次のステップを探るのが賢明だろう。

 「怒りには理由がある」。ただ理由もなく怒っているのではない。例えその理由があなたにとって直ぐには理解し得ないモノであっても必ず理由がある。怒りを恐怖や威圧として受け取るのではなく、なぜ?の気持ちで想像を巡らし、相手について考えてみる。

 「なんと、理不尽な!」「なんと自分勝手な!」「こちらのことなど何も考えていない。」などと先入観を持たないことだ。相手をより深く理解するきっかけを逸することになる。

 となればいいのだが・・・こんな冷静でいられるばずはない。

2008年8月8日金曜日

増えている 営業の心の病

 仕事柄、ITベンダーやSIerの営業マネージメントと話す機会が多のですが、そんな折りによく耳にするのが心の病で会社を休んでいる営業のことです。

 担当営業に限らず、営業課長クラスにもそのような心の病に苦しんでいる人が少なくないようです。満員電車が怖くて電車に乗れず、自腹でタクシー通勤をしているという人。電話がかかってくると固まってしまい動けなくなる人、会議に出ると緊張して大汗をかき何も発言できなくなるという人など、その症状も様々なようです。そして、そのうち会社を休みがちになり、いずれやめてしまう人もいます。

 営業が100人ほどのある中堅ITベンダーの方に伺ったところ、今2人が休んでいるとのことでした。

 もう10年以上前になりますが、私の現役時代にも同じように心の病で苦しんでいる人はいました。しかし、その数は決して多くはなかったように思います。

 私は、このような心の病の原因を個人の適性の問題や努力不足として、短絡的に片付けるべきではないと思っています。私は、経営者や営業マネージメントのありかたも重要な原因のひとつではないかと考えています。

 以前にもブログで紹介させて頂きましたが、昨今のIT業界は、プロダクトで勝負することは困難です。加えて、インターネットのおかげで、「商品の情報を持っている営業と情報を持たないお客様」という構図は崩れ、お客様の選択の目は厳しいものになっています。そのような状況の中で、営業は競合他社に打ち勝ち、お客様にご購入頂かなければなりません。差別化が必要です。しかし、どこでも同じ商材をを扱っているわけですから、価格での差別化も難しく、安易な値引きは利益を圧迫してうまみがありません。信頼関係を基盤とした「お願い営業」にも限界があります。

 結局は、「ソリューション」という「お客様のニーズにあった最適な組み合わせやそれに伴う仕事の改革」を提案する営業がもとめられるようになりました。

 しかし、「ソリューション」という商品は、既に「あるもの」を売るのではなく、まだ「ないもの」をお客様のニーズに合わせてお客様個別の商品を創り出してゆくもものです。

 当然時間もかかれば、組み合わせる商材も多様化し、関わる人や組織、会社も増えます。ひとつのものを売るときとは比べものにならないほど複雑になるのです。当然、営業ひとりが抱えるには限界があります。単品を売ることとは、まったく異なる能力や仕事のしかたがもとめられるのです。

 「ソリューション」を売るという仕事は、ひとつの商品を売ることとこんなにも違うのに、そのマネージメント・スタイルが同じでいいはずがありません。それにもかかわらず、「これからはソリューションを売る」と経営者や営業幹部が旗をふるものの、営業管理の手法や評価報酬制度が従来のやり方と何も変わりがなければ、営業の仕事がうまく行くはずがありません。

 ひとが心を病むもっとも大きな原因は、不満ではなく不安です。不満は、反発や意欲の低下にはなっても、心の病の原因にはなりにくいものです。

 私は、営業の心の病の原因を次のように考えています。

 “ソリューション営業がもとめられ、ひとりの営業の業務に関わる負担が著しく増大しています。つまり、自分でコントロールできる範囲を超えてしまっているのです。つまり、情報が多すぎて自分だけで整理できず、判断や見通しが立たない状態か放置されている。そのために不安が募り、心の病につながっている。”

 これは、単にマネージャーの自助努力だけで解決できる問題ではないように思います。ソリューション・ビジネスを展開すると言うことは、どのような商材を集めればいいかということではありません。ソリューションというお客様個別の商品を創り出す営業スキルの育成とそれを支えるマネージメント・システムを造ることだと考えています

 私は、このマネージメント・スタイルを「スポンサー型マネージメント」と呼んでいます。「ソリューション」営業を行うにあたり、ひとりの営業が全てを任されるには限界があります。そこで、営業チームとしてビジネスを支え、一連の業務プロセスで、責任を分担し、負担を分散していくことが必要です。そのためのマネージメントの仕組みや手法が「スポンサー型マネージメント」です。

 「スポンサー型マネージメント」の詳細は、研修でも紹介しています。結果を評価し、成果をもとめ、仕事のやり方は自分で判断しなさいと言う「チェック&レビュー型マネージメント」とは対をなす方法です。

 従来のプロダクト・ビジネスでは、これも有効なスタイルでした。しかし、営業に「ソリューション・ビジスネス」を求めながら、「チェック&レビュー型マネージメント」のままでは、営業はどのように仕事を進めればいいのか不安が募るばかりです。そのような、アンバランスが、営業の心の病の大きな原因となっているように思えてしかたがありません

2008年6月2日月曜日

収まりのいい 「3」

 3という数字にこだわっています。3箇条、3原則、3つの特徴など、3という数字は大変収まりがよく、頭へスッと入ってくるようです。

例えば・・・
例1:ある通信システム関連の製品
「セキュリティ」、「安定通信」、「簡単導入」を同時に実現!

例2:RFID関連製品の場合
[特徴1]ICタグをシートに置くだけで即座に読み取り
[特徴2]読み取り範囲をきめ細かく設定可能
[特徴3]金属の筐体や棚などに影響を受けず安定読み取り

例3:提案書をセクシーに魅せる3原則 
原則1 簡潔明瞭の原則 
原則2 統一ルールの原則 
原則3 対比表現の原則
などなど。

 2や4ではダメです。どうも収まりが悪い。5もありですが、やはり3のほうが落ち着く感じがします。それ以上多くなると印象が分散してしまうと言うか、記憶に残りにくい。

 私は資料を作るときや会話の時に、なんとか3つにまとめるようにしています。2つしかなければ、新たに追加するか、分割する。4以上の時は、何とか共通なところを見つけて3つにまとめる。そんなことに異常なほど神経を使っています。

 「そのご指摘には、3つの課題があるとおもいます。まず、第1は・・・」
 「この問題を解決するには、3つの手順を踏む必要があります。」
 「営業活動プロセスは、主要な3つのフェーズとデリバリーによって構成されています(4つと素直に言わないところがミソです!)」

 その理由を科学的に突き詰めたことはありません。ただ経験的に、どうも記憶のプロックは、3つの突起で組み合わさっているような気がしています。

 いかがでしょうか?そんなことを感じるのは私だけなのでしょうか?

2008年5月16日金曜日

売り込みからではなく、聞き込みからはじめる

 ある大学発ベンチャー企業の社長からこんなご相談を受けたことがある。
 「最近は新聞や雑誌に紹介され、お問い合せも増えています。でも、なかなか商談が成立しないんですが、どうしてでしょうか?」

 説明を聞くと、技術のすばらしさについて、あふれんばかりの自信とともに、とうとうと話をする。確かにすばらしい技術である。こんな技術は他にはないという。特許もしっかり押さえている。でも、なかなか売れないと頭を抱えている。

 こんな質問をしてみた。「ところで、この技術を使うことで、お客様の業務がどのように変わるのでしょうか?」「これはいくらで販売されるのですか?」「商品構成は?」・・・どれも的確な答えは返ってこない。それは、買ってくれる人に考えて欲しいという。技術のシーズ(種)は提供するから、それをどのように使い、いくらで買うかについて、お客様から示して欲しいという。つまり、ニーズ(何が欲しいか、どのように使いたいか)は、お金を払う側が考えて提示して欲しいという。

 これではビジネスにはならない。こちらが伝えたいことを語るのではなく、お客様が知りたいことを伝えなければ、「すばらしいお話を伺いました!いい勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。」で、終わりである。それ以上話が進まないのは当然。「技術はあるが、商品はない」の典型だ。

 これほど極端ではなくても、このような話はIT業界にもある。ある会社の営業が新製品の話をお客様にする。価格も安く、機能も画期的で、他社の追従を許さないすばらしい製品である。是非買って欲しいとお願いする。
  確かに優れた商品かもしれない。しかし、お客様の立場からすれば、ここまでの機能は必要ない。もっと安価にできる方法もあるかもしれない。お客様の課題は?購入判断の基準は?結果としてどうなりたいのか・・・などのニーズを聞き出す。だったらこの製品をこのように使えば、こういう結果になりますと答えなければ話はここで終わってしまう。
 「商品はあるが、ソリューションはない」とは、このようなことを言う。

 「売り込みからではなく、聞き込みからはじめる。」それが、営業の仕事のスタート・ポイントだ。