2009年6月30日火曜日

草食系営業に告ぐ!

 「草食系男子(そうしょくけいだんし)または草食男子(そうしょくだんし)とは - 中略 -「協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプ」の主に20、30代の若い男性を指す。(出典:Wikipedia)」

 営業にもこのタイプの人たちがいるようだ。
  • お客さまに伺っても、むさぼることはしない。ただ、優しくほほえんで、「なにかありませんか」と聞く。
  • 積極的に課題を聞き出し、案件を掘り起こそうとはしない。お客さまが、仕事を与えてくれることを待っている。
  • 与えられた仕事はきちんとこなす。ただし、それ以上のことはしない。
  • 自分から仕掛けるなどとはとんでもないこと。お客さまとの間に軋轢が生まれることを極力避ける。
  • 製品や技術について勉強はする。しかし、お客さまから聞かれたモノに限られ、自ら積極的に新しい知識を求めることはしない。
  • お客さまからクレームを極度に嫌う。そのため、こちらか言うべきことさえ主張せず、ただ言いなりになっている。
  • 値引きで何とかしようとする。少しでも高く売ろうという意欲はない。積極的に価値を売り込み、費用対効果の高さを売りにすることはしない。
  • 社内でもいい人に見られたいと思っている。自分の考えを主張することは避ける。物分りのよさ、素直さをアピールす。
 草原が、少なくなりつつある。限られた餌場を多くの営業が奪い合う状況だ。モノが売れなくなりつつある時代に、新たな餌場を自ら切り開かなければ、いずれは飢えることになるだろう。

 猛獣になれというつもりはないが、貪欲さを持たない営業が生き残る道は残されていない。

 「営業の人格は、数字である。」とは、かつての我が上司の至言である。どんないいやつでも数字を挙げられない営業は評価されない。あたりまえのことだが、この自覚をもっていない営業も少なからずいるようだ。

 数字は、お客さまの評価の裏返しだ。お客様の評価なくして、御代はいただけない。そのためにも、貪欲にお客様に喰らいつき、お客様の課題を探り、案件を掘り起こす。そんな「肉食系営業」にだけ、生き残る道が用意されている。


肉食系営業になる方法・・・


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2009年6月25日木曜日

図解:今年は何が売れるのか?

 先日の「ソリューション営業塾」で、「今年は何が売れるのか?」をテーマにディスカッションを行った。そのとき使ったチャートが、下の資料だ。詳細は、ここをクリックして下さい。PDFでご覧頂けます。

 この資料を見たからといって、売れるものがすぐにわかるわけではない。しかし、自分たちのビジネスに照らし合わせて、考えるとき、そのきっかけは、提供してくれるのではないかと思うので、ご参考までに掲載します。

 まず、大きなテーマを3つ掲げた。「コスト削減」、「法律・規制への対応」、「IT部門内判断」だ。

 「コスト削減」は、いまさら言うまでもないだろう。「今は、この話しか聞いてくれない」という営業も少なくない。

 「法律・規制への対応」は、好不況に関わらずやらなければならないこと。国際会計基準については、金融庁の中間報告で、2015年に強制適用するとの方針が示された。任意適用は、来年からとなる。会計システムやERPシステムの変更は、必至といえるだろう。
 
 「IT部門内判断」とは、他部門を巻き込んだ大掛かりなプロジェクトではなく、IT部門が主導的に判断し、動けるものだ。開発案件がなくなり、外注は切った。しかし、社員であるIT部門の関係者が働かないわけにはゆかないし、自らの存在価値を高めなければ、自分たちもまたリストラの対象となりかねない。そんな危機感への対処もテーマになりうるのではないかと考えた。

 こんな切り口から、引き出してみたものが、このチャートだ。

 さて、皆さんのビジネスを考えるご参考になるでしょうか?


 「どうやるか」を考えてみませんか。


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2009年6月24日水曜日

営業は、エンジニアです!

  • 営業研修なんかに参加しても、所詮そのときだけのこと。一時は、その気になって、頑張ろうと思うけど、結局は続かない。
  • 営業は、人を相手にする仕事だから、センスがなければ、勤まらない。営業センスのない人間が、研修に出ても、何の役にも立たない。
  • 理屈なんて、営業には必要ない。とにかく、お客さまのところに行く。そして、お客さまに顔を覚えてもらう。それが営業力だ。
 未だにこんな考えをしている経営者がいるとすれば、きっと会社をつぶしますよ。

 IT業界は、モノの時代からサービスの時代へ、大きく変わろうとしてます。これは、不況だからという一時的なものではありません。ビジネスのパラダイムが、大きな音を立てて転換し始めている。ビジネスの根っこが、代わろうとしているのです。

 当然、営業の仕事も変わります。にもかかわらず、新しい時代の「どうすればいいのか」を棚上げし、旧態全とした営業スタイルで仕事をしている。本当にそれでいいんでしょうか。

 なぜ、モノが売れなくなるのか。例えば、ストレージを仮想化する技術のひとつにシンプロビョニングというものがあります。この技術は、「容量を仮想化する」技術です。ユーザーには、あなたのストレージは、10TBありますよと見せておく。しかし、実際に使っている容量が、1TBならば、物理的なハードディスクも1TBあればいい。将来に保険をかけて、余裕を持ってシステムを用意しておく必要がない。ですから、物理的なハードディスクの容量を数分の一に減らすことができるのです。

 もうひとつ、「重複排除」という技術。例えば、電子メールで10人に添付ファイルを送れば、9人分は重複です。ビジネス文書を世代管理している場合、世代間の違いは、数パーセントにも満たないといわれている。大半が重複ということになります。この技術は、ユーザーの使い勝手は、今までどおりで、このような重複部分をばっさりと削除して、保管するものです。ですから、物理デバイスは、数十分の一、場合によっては、数百分の一の容量しか必要がありません。

 どうです。ストレージは、今までのように売れなくなりますよ。

 また、クラウドが、すぐ基幹系までも置き換えるとは思いませんが、オフィース系、例えば電子メールやコラボレーション系ならば、それほど高い可用性を求められませんから、十分に使えるはずです。となると、その分、自社でシステムを所有する必要はありません。

 運用管理も、今まで派遣や委託に任せていたことも、ネットの向こう側でリモート監視、リモート・メンテナンスできる時代です。そうなると、中国やインド、場合によっては、南アフリカの会社にお願いしてもいいはずです。

 システム開発も、SOA化が進めば、CMMIの5を取得している中国やインドのソフトウェア工場にお願いすれば、低コストで高品質のシステムを手に入れることができます。

 ユーザー企業にとって、ITは、手段であって、目的ではありません。ですから、目的を達することができれば、モノにこだわりはありません。「投資対効果」で、企業は選択するのです。

 営業は、売上げを上げることが使命です。とすれば、売上げをモノに頼っているソリューション・ベンダーに将来はありません。また、派遣や委託も中国やインドと品質とコストで勝負しなければなりません。今までのやり方では、消耗戦を強いられるだけです。

 モノに頼ることはできません。人月単価も抑えられ、頭数をそろえても利益を出すことも、ますます難しさを増しています。

 来月、東京と沖縄で、「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座」を行います。これからの時代の「どうすれば」をお伝えしようと思っています。
  • どうすれば、新規顧客を獲得できるのか。
  • どうすれば、お客様の課題を見つけ出すことができるのか。
  • どうすれば、お客様の琴線に触れる提案ができるのか。
  • どうすれば、取りこぼすことなく、確実に受注に結びつけることができるのか・・・。
 これは、生まれ持ったセンスや才能の問題ではありません。ロジックであり、エンジニアリングなのです。

 あさっての方角に、がむしゃらに走っても、無駄な時間とエネルギーを消耗するだけです。地図を広げ、ビジネスの存在する方向を見定め、確実に歩みを進めること。これからの営業に求められている力です。

 精神論、根性論の営業研修だけで、これからのITビジネスを生き抜くことなどできません。その事実に、もっと真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか。

■ ソリューション営業プロフェッショナル養成講座 ■

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2009年6月23日火曜日

部下のやる気のなさの裏側

 「どうしたものか・・・やる気がないのでしょうか。いくら言ってもちゃんとやらないんですよ。」

 ある営業課長から、そんな嘆きの言葉を聞いた。

 「どうすれば、若い者にやる気を起こさせることができるんでしょうか。所詮、やる気のないやつらには、何を言っても無駄なのでしょうかねぇ。」

 彼の話を聞きながら、またか・・・と思ってしまった。

 営業にやる気がないから、予算が達成できない。彼は、そう考えているようだが、本当にそうだろうか。

 確かにやる気がない人もいるだろうが、そういうケースはまれである。むしろ「やり方がわからない」ことが、本当の原因ではないのか。

 「どうやるか」を棚上げして、部下の「やる気のなさ」に文句を言う。それでは、本末転倒のような気がする。

 ある若手の営業が、こんなことを言っていた。

  「課長は、なんとしてでもこの案件を取ってこいといいます。自分もそうしたいと思うし、それが自分の仕事だと自覚しています。ただ、どうすればいいのか、よくわからないんです。課長に相談しても、役に立ちそうなアドバイスはもらえません。結局は、自分で考えろ!ということのようです。これでは、やる気もおきませんよ。」

 高度成長時代、お客様に行けば、案件は、いくらでも拾える時代があった。そんな時代に現役営業として活躍した人が、今はマネージメントとなっている。しかし、その成功体験は、今は使えない。

 コスト削減、選択的投資は、時代の流れである。不況がそれにますます拍車をかけている。靴をすり減らせば売れる時代は、過去の栄光に過ぎない。そんな古びた成功体験だけを頼りに、「やる気」などという精神論だけで部下を育て、今の時代を生き抜くことなどできないという自覚を持っていない人も少なくないようだ。

 「どうやるか」は、時代とともに大きく変化する。そして、お客様の選択肢がかつてないほど多様化し、厳しく選択される時代にあって、「どうやるか」は、ますます難しくなっている。

 それを部下任せにし、自分は数字の集計と上司への言い訳を考えることに時間を割いていて、本当にマネージメントとしての役割を果たしているというのだろうか。

 部下のやる気のなさは、「どうやるか」を伝えられない、自分の力不足と心得るべきである。

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2009年6月21日日曜日

反面教師

 お客様から、ある資料をまとめてほしいと依頼を受けた。大変だが、自分なりに考えがある。その話を上司にすると、「まかせるよ!」とのこと。

 しばらくして、「どうなった?」と進捗を見に来た。ちょっとディスカッションしようという。“いつもの”悪い予感。気乗りはしなかったが、一応上司である。彼の指示に従う。

 いざはじめると、やはり、ああでもない、こうでもないといいだす。「じゃあ、どうすればいいのですか?」とたずねると、実に中途半端な指示しか出さない。そのうち、自分で勝手にいらいらしてきて、「こんなことやっても意味ない!」と言い出す始末。挙句の果てに、自分でやるといいだす。

 じゃあ「お願いします」と任せることにした。

 ところが、いつまでたってもできあがらない。「そろそろ、完成させなければ、まにあいません。」と具申すると、「ああ、あれは、適当に説明しておけばいいんだ。重要なことじゃないから。」とのたまう。

 おいおい、どうしてくれるんですか。お客様に対応しているのは、私なんですよ・・・。

 「まあ、いつものことなので、勝手に作業を進めておいたので、大丈夫でしたよ」とのこと。

 ある、ソリューション・ベンダーの営業から聞いた、話である。

 こんな話もある。

 お客様からトラブルへのクレームが入った。善後策を考えなくてはならない。早速上司に報告して、自分なり対策を提示した。すると、彼は、対策についての問題点を指摘し、「こんなやり方じゃあだめだ。他に方法はないのか!」と感情的にいいだす。

 「どうすればいいでしょうか?」と聞くすると。あろうことか、トラブルの状況を自分なりに想定し、それを根拠に、長々と理屈、というか、自分なりの論理を構築し、対策を指示し始めた。

 「これじゃあ、まずくありませんか?」と根拠を示しつつ、感情を抑え、冷静に対策の問題点を指摘すると、「いいから、俺のいうとおりにやれ!」と感情むき出しに怒り出した。

 同席していたSEも困った顔をしている。

 結局は、「わかりました」とその場は承服し、SEと相談して、当初の案で対応することにした。その結果事態は収束し、大事に至らずにすんだ。

 しばらくして、上司から「どうなった?」と聞かれたので、「何とかなりました。」と報告すると、「だめじゃないか、すぐ報告しないと。でも、よかった。言ったとおりだろう。」とニコニコしながら席を離れてゆく。

 どう対処したか、お客様の反応はどうだったか、自分がフォローすることはなのか・・・というような、上司であれば、当然なすべき質問はされなかった。

 この行動から、この「上司」とは、どういう人物か、考えてみた。

 まず、自分の力量を素直に認められない人物なのだろう。知らない、わからないを素直に受け入れられない。だから、権威をかさに感情的に、強引に持論に従わせ、自分が上司であることを部下に示そうとしている。

 お客様のことではなく、自分の立場を守ることに腐心している。あるいは、部下に自分の権威と存在感を示すことで、自分の存在を確認し、気持ちの安定を図っているのかもしれない。

 おかげで(?)、彼の部下は、誰もしっかりしている。自分で考え、自律しなければという気概に満ちている。

 これも広い意味では、ひとつの部下を育てかたなのかもしれない。いや、もしかして、彼はそのことは、先刻お見通しで、わざとこんな行動をしているのかもしれない。

 だとしたら・・・と考えると、この上司は、りっぱなマネージメントなのかもしれないなぁ。

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2009年6月19日金曜日

料理人のような営業

 昨晩は久し振りに近所のビストロで食事をした。国立駅の北口にある「シェル・ド・リヨン」。十数人入ればいっぱいになるこじんまりとしたフレンチ食堂。いつもながらの絶品を実にリーズナブルな金額で出してくれる。

 私も時々食べたくなるランチプレートは、ボリュームも十分。味については本場フランス仕込である。帰国後、オテル・ド・ミクニで副料理長をしていたオーナーシェフの村上さんの料理は、間違えなく一流のフレンチ。それでいて、1000円は破格だ。

 フレンチのレストラン・オーナーをしている友人が、こんなことを言っていた。「あそこのレストランは、業界じゃあ掟(おきて)破りだよ。あの値段で、あれだけの料理を出してはいけない」そうだ。

 昨日は、いつも頼むメリメロ・サラダ(具沢山のサラダ)とTOKYO-X(銘柄豚)の肩ロースのグリル。そして、お手ごろな白ワインを注文した。二人で食べるにはじゅうぶんのボリューム。

 昨日は珍しくワインのつまみにとチーズも頼んでみた。ギャルソンに、どんなチーズがあるかと聞いてみると、バスク地方のブレビがあるという。初めて聞く名前だった。羊乳のハード・チーズで、それを削って出すのだという。珍しいモノ好きとしては、迷わずに注文した。

 彼の説明から、パルメジャーノのような堅いチーズを想像していてた我々の前に出されたモノは、なんと白マイタケ(?)。これには驚いた。それを口に入れると、とてもクリーミーで味わい深い。刺激的な香味はなく白ワインの邪魔をしない。一緒に出された薄く切った黒パンに乗せて口にいれる。黒パンの酸味と実によく合う。さすがだ。

 久しぶりのささやかな贅沢。といっても、二人でこれだけ食べて、しかもワインをボトルで注文しても一万円でおつり。軽やかな酔い心地と満たされたおなか。それでいて、お財布も満足している。

 カウンター越しに、シェフの村上さんに「驚きました。おいしかった。」と伝え、チーズのことを聞いてみた。すると彼は、チーズの塊を冷蔵庫から出してくれた。そして、面白い形をしたチーズ削り器に乗せ、それを削って見せてくれた。なるほど、こうやって削るのか。また今度も注文してみよう。

 「ありがとう。おいしかった。」シェフに感謝を述べる。そして、喜んでお支払い。

 「プロだよな。これが、本物の仕事だよなぁ。」そんな感動を傍らにいる相方に話しながら、とても気持ちがよかった。

 昨日も書いたが。お客様に感謝され、そして御代をいただける幸せ。それは、営業だけのことではない。シェフもまたそのために工夫をし、研鑽を怠らない。

 美味しいと思って、この店に来た。その期待は絶対に裏切らない。値段についても、これぐらいという予想はある。まったくその通り。いつもながら、すばらしいと思う。しかし、この店は、それだけで終わらせない。驚きを与えてくれた。それは、感動に変わる。それが、感謝となり、また来たいという決意になる。

 調理人と料理人は違うとの話を聞いたことがある。調理人は、食事を作る。料理人は、感動を作るそうだ。

 料理人のような営業。そうなりたいと、はるか遠くを仰ぐ。

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2009年6月18日木曜日

お客さまの「ありがとう」をお金に換える

 営業にとって何が幸せかと言えば、「斎藤さんだから買ったんだよ。ありがとう。」といわれることではないでしょうか。

 もちろんお客様にしてみれば、製品やサービスが自分たちに役立つから買って頂いたわけで、営業は、その判断のお手伝いをさせて頂いただけのことです。しかし、このような一言が、本当に励みになります。

 昨日、オフィースに一本の電話がかかってきました。

 「株式会社XXの○○と申しますが、斎藤社長をお願い致します。」
 「はい、どのようなご用件でしょうか?」
 「営業でお電話致しました。」
 「何の営業でしょうか?」
 「斎藤社長ですか?」
 「まずは、ご用件をお聞かせいただけませんか?」
 「ですから、営業でお電話しました。」
 「だから、何の営業か、教えて頂けないのでしょうか?」
 「それを話さなければいけないのですか?」
 「はい、お願いします。」
 「それでは、結構です。」 ガチャ

 こんな非常識な営業さんもいるんですね。

 私は研修などで、日頃から、営業の役割は、「お客様の価値を高めること」だと話しています。これは、営業に限ったことではありません。どんな仕事であっても、お客様の価値を高めてこそ、対価をいただけるのです。営業は、ものを売るという手段を使って、その役割を果たしているに過ぎません。

 件の電話をしてきた営業さんは、私の価値を高めてくれようというということではなく、自分の価値を高めること、すなわち、自分の売上げや利益をあげることしか興味がなかったのかもしれません。

 お客様の価値を高めるモノなどなにもない、そのことを自覚している。だから、自信を持って「何を」がに応えられなかった。

 モノはなくてもなんとか言いくるめてしまえ。売るだけ売って、あとは本人の問題。価値を見出せなかった、使いこなせなかったとしても、自分には関係ない。まあ、自分の売り上げ目標が達成できれば、それで十分。あとは、どうにでも・・・という魂胆だったのでしょう。しかし、相手が悪かったですね!

 お客様に「ありがとう」と言われ、お金をいただける。営業とは、本当に幸せな仕事だと思いませんか。まあ、いつもそうばかりとはいえませんが、そうありたいと願っているし、そのための最善尽くす

 営業のモチベーションは、そんなところにあるのだと思います。

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2009年6月17日水曜日

宝が足下に隠れていた。これならいけそうだ!

 「いままでのビジネスだけでは、限界があります。新しいビジネスを立ち上げなければと考えているのですが、簡単ではないですね。」

 ある、中堅ソリューション・ベンダーの社長の方からこんな話を聞いた。

 この会社は、システム機器の販売とその構築、および、システム開発の受託や派遣を生業としている。特にこれといった武器を持っているわけではない。しかし、仕事は誠実で、大手企業の地元事業所や地場の企業から安定して仕事を請けていた。しかし、この不況である。地元の仕事がどんどんと減ってゆく中、なんとか仕事を見つけなければと、東京に新たな顧客を探すべく、営業しているという。

 「地方よりまし」と考えていた東京だったそうだ。しかし、ことはそう簡単なことではない。特別な技術や得意分野があるわけでもなく、工数商売だけでは、新たな顧客を広げることもできない。また、話があっても人月単価は厳しく、ほとんどは利益の出ない話しだという。

 こんな状況でのこと。「簡単ではない」という言葉の裏には、自分たちの強みや得意分野をもっと戦略的に育てくるべきだったという、自責の念も垣間見える。

 だからといって、あわてて技術や商材で「強み」を作ろうとしても、そう簡単にできることではない。そもそも、どこのソリューション・ベンダーもサーバーは、Intelベース、WindowsかLinux、OracleにSQLserver、ネットワークは、Cisco・・・といったいどこで差別化を見出せば言いというのか。ソフトウェア・パッケージを独占で販売するといっても、どうやってそんなものを見つけてくればいいのか。簡単なことではない。

 そこで、こんな話しをしてみた。

 「開発やサポート・サービスで積み上げてきた経験やノウハウで自信があることはありませんか。お客さんに助かっているといわれているような何かはないですか?」

「そうですね。現場レベルの話しですが、お客様に代わって運用や管理に関わる資料をまとめたり、ちょっとしたツールを使ってその作業を効率化しています。トラブルの一次切り分けはお客様の責任なんですが、実際のところすべてこちらでやっています。まあ、ほとんどが同じ様なトラブルなので手間はかかりません。だから、簡単な対応は、こちらでさっさと済ませ、重宝がられていますよ。バックアップなども効率的に行うために・・・」いろいろとネタが出てきた。

 「ならば、それを新しいサービス・メニューとして切り出せないでしょうか?例えば、運用管理診断・レポート・サービスとか、保守作業フルサポート・パッケージとか・・・。それをサービス・メニューとして、売り出すというのはどうでしょう。」

 彼は、何か気がついたようだ。彼は堰を切ったように話し始めた。「なるほど、それはおもしろいですね!」。これ以上の話しは、やめておくことにしよう。ただ、売れそうなサービス・メニューができたことだけはご報告しておく。

 お客様の情報システム部門もコスト削減を上から強く求められている。自らのクビさえ心配しなければならない状況だ。となれば、外注や派遣は減らさなくてはならない。しかし、運用や管理の業務は、そう簡単には減らない。にも関わらす人が減れば、その分、自分たちがやらなくてはならない。しかし、今までの自分たちの仕事が減ってるわけではないので、単純に仕事が増えただけである。

 こんな現場は、いま日本全国いくらでもある。

 いままでの経験で、ちょっとした仕組みができそうだという。

 「これはいけるかもしれない。今までのお客様からの受託や派遣は、減ってしまったが、これなら顧客は、増やせるかもしれない。客単価は安いけど、仕組みでやるから数が増えれば、採算は取れるし利益も上がる。」

 彼の顔が、ぱっと明るくなった。

 「新しいビジネス=新しい商材」にこだわっている限り、発想はどうしても小さくなってしまう。むしろ今まで積み上げてきた現場のノウハウにこそ、思わぬ強みが隠れている。

 多くは、それが特定の現場の個人的なノウハウとして、埋もれてしまっている。しかし、それを改めて整理して他で使える「仕組み」あるいは「組み合わせ」として、見える化しててはいかがだろう。

 思わぬ強みが、あらたなビジネスのチャンスを引き寄せるかもしれない。

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2009年6月15日月曜日

そんなことをやっているヒマはありませんよ

 この土曜日は、早朝から夕方にかけて、ある中堅ソリューション・ベンダーの営業研修で講師をさせていただいた。総勢21名のマネージメントが、休日を返上しての参加である。

 この会社は、あるソフトウェア製品にかかわるシステム開発や技術サポートでは、定評がある。そのため、創業以来着実に業績を伸ばしてきた。

 しかし、この不況である。開発案件が、かなりの割合を占めることもあり、通年ならこの時期になれば、年度後半の数字の見通しもたつのだそうだが、これが今年は、なかなか見えない。

 多くの中堅SIerにありがちなことだが、営業専任者は、ほとんどいない。マネージャー・クラスが、現場の指揮をとるとともに、新規案件の獲得も任されている。

 「この現状に対処するためには、彼らの営業力を強化しなければならない。」そんな経営トップの意向を受け、この研修の開催が決まった。

 開始当初は、疑心暗鬼(?)の参加者もいらっしゃったのではないかと思う。しかし、途中、居眠りをする人は誰もいなかった。そして、夕方6時の終了まで、熱いまなざしがこちらをにらみつけている。その空気に気圧(けお)されこちらも自然と熱が入る。そんな、お互いの掛け合いの中で、何とか無事に研修が終了した。

 「クラウドとは、単なるバズワードではない。オンプレミス(社内設置+社内運用)の相当部分は、クラウドに移行する。そうなったとき、ユーザーは、プロダクトへの関心を失う。そして、SaaSとして、機能・サービスが部品化されれば、特定のプロダクトに依存した開発案件は、確実に減少してゆく。」

 「システム開発ゼネコン(大手SIer)や大手企業顧客は、コスト削減と品質の安定を求め、システム開発の工場化を求めてくる。この点では、インド、中国は、先進国だ。CMMI認証取得は、当たり前となりつつある。そういうところと、これから戦わなくてはならない。」
(09年3月現在、CMMI認証取得企業は、米国1272、中国745、インド409である。特に中国の伸びが著しい。わが国は、267と大きく引き離されている。)

 「情報システム部門もコスト・センターとして、リストラの対象になりつつある。彼らを顧客チャネルとしているだけでは、先細りは目に見えている。部門を越える、あるいは新規企業から案件を発掘するしかない。そのことにどれだけの危機感を抱いているか。」

 などなど、いろいろと僭越なことを申し上げた。そんな私の話を文句も言わずお聞きいただいたことに、お礼を申し上げたい。

 間違いなく、システム・ビジネスにかかわるパライダムは、大きく変わろうとしている。当然今までどおりでいいはずが無い。その変化を一番身近に感じているのは、日ごろお客様に接する機会の多い営業担当者だ。

 営業マネージメントは、そんな変化の予兆を感じ取り、危機感を持ち、具体的な施策を率先して行うべき立場にある。

 営業マネージメントたるもの、日々の数字に追われ、どう上司に報告しようかと知恵を絞っているというのであれば、その肩書きを進んで返上したほうがいいだろう。そんな暇は本来無い。ましてや会社にとっても無用な人材だ。そんな自覚を持たなければ、これからさらに押し寄せるであろう、より大きな本流の変化に飲み込まれてしまう。

 営業という仕事は、決して目の前にある事態に対処する仕事ではない。これからの時代の変化を先取りし、お客様を成功に導くガイドなのだという自覚を持つべきだろう

 休日を返上してのマネージメント研修。そんな危機感と何を実践すべきかについて、何か気づいていただければ、ありがたいと願っている。

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2009年6月10日水曜日

お客様に信頼される営業になりたい!

 「お客様に信頼される営業になりたい。

 営業であれば、誰しもそれを願う。そうなるための方法のひとつは、お客様より「モノ知りである」ということだろう。

 「斎藤さん、SaaSって最近良く聞くけど、これなんなの?」と聞かれ、「ああ、サーアスですね・・・」と笑顔を浮かべる。そして、そのままで、フリーズ!

 これでは、お客様の信頼など得られるはずは無い。

 そんな営業の悩み(?)を解決し、「知的にかっこよく」をテーマにはじめた「ソリューション営業塾」も昨日で5回目を向かえた。

 毎週火曜日の就業後、18:30からの2時間。志の高い営業18名が集う。宇都宮から毎週通ってこられる方。自分のためと自腹を切って参加される方など、講師側のわれわれも頭が下がる思いだ。

 初めての試みでもあり、走りながらの資料作り。参加される皆さんの熱い思いに応えなければと、つい気合を入れてしまう。おかげで、いつも重たい資料になってしまう。

 パワーポイントで作ったプレゼンテーション資料は、そのまま参加者にソフトコピーでお渡しする。社内の研修用、あるいは、お客様への説明用として、ご活用いただければと考え、そんな結論下した。

 「ソフトコピーまでいただいて、本当にいいんですか?」という、質問をいただいたこともある。「営業塾で知識を仕入れても、それを実際に使ってみなければ、定着しませんよ。どんどん使って、自分でも手を入れて、自分のものにしてください。」と申し上げている。

 テクノロジーの世界は、日進月歩だ。半年たてば、もうそのままでは使えない。だから、次回開催するときには、また違うテーマ、あるいは、内容を更新しなければ、営業の武器にはなり得ない。そんな緊張感を自らに課すためにも、資料はお渡しすることにした。おかけで、参加者の誰よりも、私たちが勉強させていただいている。感謝!

 この5回のメインテーマは、次のようなものだ。
  1. クラウド・コンピューティング
  2. 仮想化
  3. ネットワークセキュリティ
  4. オープン・ソース・システム(OSS)
  5. メインフレーム
上記以外にも、最新トレンドについても紹介している。
  • リッチクライアント
  • 最新ブラウザー事情
  • Ajax
  • Windows7
 よく耳にはするキーワードだが、整理してお客様に説明できるかと問われて、自信を持って首を縦にふれる人は少ないのではないか。

 一緒に講師を務めている大越さんは、最新のWebテクノロジーやセキュリティには、めっぽう強い。業界の裏(?)事情にも精通している。

 どこかの冠セミナーとは違い、メーカーの拘束は無い。公平に、客観的に整理し、体系的に説明できるよう心がけている。もちろん、ビジュアルも多用し、直感的に理解してもらえる工夫も怠らない。そんな資料をすべてソフトコピーで差し上げている。

 どちらも、営業として「必要な範囲」を心がけて制作したている。営業は、技術者ではない。技術的な詳細を理解する必要は無い。大切なことは、
  • その言葉がいったい、どういう歴史的背景、思想から生まれてきたのか。
  • これからのトレンドはどうなるのか。
  • 体系的、構造的な位置づけ。
  • 自分たちのビジネスにどう活かせるか、あるいは、影響するのか。
  • ・・・
 つまり、お客様の話がわかること、そして、お客様にわかりやすく、要領よく要点を説明できること。そして、提案活動を行ううえでの「ソリューション」データベースの厚みを増すことだ。そこに狙いをすえている。

 また、おまけとして、「営業スキル編」も毎回20分程度実施している。
  • 状況をこちらの有利に展開する交渉術
  • 説得の科学
  • 顧客満足の科学
  • セールス・コーチング
が、これまでに実施したテーマだ。おまけのつもりだったが、これが意外と評判がいい。そんなおだてに乗せられて、こちらも手が抜けなくなってしまった。

 メインテーマについて、少し紹介をしよう。

クラウドコンピューティング
 バズワードだ、営業トークだといわれて入るが、その本質を掘り下げてゆくと、明らかにこれからのシステムの利用形態が見えてくる。初期コストの削減、システムコストの変動費化は、不況下の今の企業にとっては、システム利用のキーワードとなっている。クラウドを整理分類し、その実現技術を整理する。ばら色の未来ばかりではない。どんな課題があるのか。そのうえで、どんな用途を考えればいいのか。また、自分たちのビジネスにどう結びつければいいのかを解説した。

仮想化
 これもまた、今のトレンド・ワードといえるだろう。しかし、一言で仮想化といっても、
  • サーバーの仮想化
  • ネットワークの仮想化
  • ストレージの仮想化
  • ディスクトップの仮想化
  • アプリケーションの仮想化
と、すらすらいえますか?

 それぞれの技術も狙いも違う。その違いを体系的に整理し、課題やビジネスの可能性に言及した。

ネットワーク・セキュリティ
 これもお客様にとっては、大きな関心事だ。しかし、その範囲も広く、言葉の意味も複雑に絡み合っている。それをえいゃぁ!と整理し、体系化した。たぶん、世界でもっともわかりやすく整理された体系図になったのではないか(笑)。また、ウイルスや不正アクセスの手口、技術的原理なども説明するとともに、今後のトレンドについても追いかけてみた。たぶん、この営業塾の参加者は、この複雑怪奇なネットワーク・セキュリティをもっとも簡潔明瞭に説明できるようになったはず(?)だ。

OSS
 「OSSは、タダ」と思っていた。しかし、実はまったくそんなことは無い。なるほど、裏でそんな仕組みが動いていたのかと、驚いた。この世界で切った張ったをやってきた大越さんならではの整理学。なるほどよくわかった。OSSは、一般的なパッケージソフトの競合にもなる。だから敵を知らなければ、困るわけだ。しかし、内実がわかれば、これは使えるかもしれない。そう思った参加者もおおいのでは。

メインフレーム
 いまさらレガシーなメインフレームを知ってなんの役に立つのか。そう思った人も多いのではないか。オープン・システムこそ最先端、メインフレームなど歴史の遺物と思っている人たちの目からうろこを取り払う内容にしたつもり。実は、メインフレームこそ最先端なのです。オープン・システムは、メインフレームの過去の遺産で出来上がっている。仮想化なんて、50年前に実用化しているし、ワークロード管理など、今のオープン・システムでまともに動いているものは少ない。3900台のLinux/PCサーバーを30台のメインフレームに統合し、TCOを80~90%削減しようという意欲的な取り組みも行われている。ちなみに、今のメインフレームで、50年前のプログラム・コードも動くし、LinuxやWindowsも動くことをご存知ですか。しかも、数百、数千の仮想マシンが同時に稼動できるという事実。とてもPCサーバーではできない世界です。メインフレームを知れば、これからのオープン・システムのトレンドが見えてきます。そして、メインフレームは、クラウドの世界で大きな役割を果たそうとしている。そんなことを話しました。

 どうです。こんな知識とプレゼンテーション資料を手に入れたくはありませんか?このつぎは、暗号化、セキュリティ・スタンダード、ITIL、国際会計基準などを考えている。

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2009年6月9日火曜日

「この予算で、よろしく!」関係

 川上 暁生さんのブログに、「中小企業がITを活用しきれない理由」という記事があった。

 「ITの活用度を高めることは、営業の仕事」と先日来述べている。しかし、このようなお客様の事情についての理解なくして、その役割を果たすことはできない。

 これがわからなければ、「なんで、こんなことも分からないんだ。レベルが低い客だ!」と自身の至らなさを棚に上げ、お客様に責任を転嫁してしまうことにもなりかねない。

 今、IT業界、特に開発受託や派遣に比重を置いてきた事業者にとっては、大変厳しい時期が続いている。確かに経済不況の影響であることは事実だが、その理由の一端は、IT事業者の側にもあるのではないか。

 IT事業者の多くは、今までお客様の言いなりになり、開発や派遣業務を受託してきた。景気がよくて、お客様の業績が、右肩上がりのときには、予算も売上げに応じて増える傾向にあった。そんなときには、お客様も、要求仕様などまとめることなく、「この予算で、よろしく!」で済ませてきた。IT事業者は、それを無批判に受け入れきたのである。

 この両者の馴れ合いの関係が、今の厳しい現実を招来しているともいえる。

 経営トップやユーザー部門にとって見れば、ITは所詮道具に過ぎない。彼らは本業に忙しく、ITの戦略的な価値など、興味がないのである。というよりも、そこまで、気が回らないというべきかも知れない。

 彼らから見たときのIT部門は、コスト・センターであって、少しでもお金を使わないで欲しいと願っている。そんな、無言の圧力の中で、なにごとも「安く仕上げること」が優先課題となってしまう。

 不況となり、コスト削減への関心が一気に高まった。コストセンターであるIT部門もまた、コスト削減をいっそう求められるようになり、リストラの対象にさえなっている。

 そんな自分たちの立場を守るために、行っていることは、開発事案を減らし、あるいは、仕事の内容はそのままに、月額の支払いを減額する。それが、そのままIT事業者に回ってきているだけのことである。「この予算で、よろしく!」のメンタリティは、好不況に関係なく、そのまま引き継がれている

 ITの活用度を高めるためには、経営トップ、あるいは、業務部門の責任者が、その戦略的価値を認めなければ始まらない。本来、その役割は、IT部門であり、その長であるCIOの役割であろう。しかし、彼らには、コストセンターであることの意識しかない。新たな価値を創造し、ITを戦略的に活用して、企業価値を高めようという意欲が無い。

 このような企業とお付き合いしている限りは、いつまでたっても、「この予算で、よろしく!」関係のまま、景気の浮き沈みに翻弄され続けることになるだろう

 では、どうすればいいのか。私は、IT事業者の社長が、ITの戦略的活用について、伝道師としての役割を果たすべきであろうと思う。

 最近は、この伝道師のことを「エバンジェリスト」というそうだが、新しい称号を与えられると、それはそれで、なんか立派になった気がして、気持ちが引き締まる。社長は、エバンジェリストの自覚を持つべきである。

 いままでのように、お客様にこびへつらい、お客様の言うことをそのまま受け入れることで、仕事を取ることではなく、ITの戦略的価値を伝え、活用度を上げるための役割をもっと積極的に果たすべきではないだろうか。

 このようなトップの動きなくして、現場の営業に「もっとお客様の需要を開拓してこい!」と発破をかけても、士気は上がらない。

 需要とは、社長が創り、営業が育てる。そんな関係を社内に育ててこそ、新たな需要の創出は、図られることになるのではないだろうか。

 自分の会社の社長が、ITの伝道師となり、積極的な役割を果たしてくれるのであれば、営業は、社長を武器にお客様にアプローチできるではないか。

 「ハイ、仰せのとおり。」ではなく、積極的に質問し、もっとこうしたほうがいいのではないかと、お客様を混乱させる。こんなやり方もありますよと、お客様にぶつけてみる。お客様も考え、営業も考える。そして、その先にあるのは、お客様の企業価値の一層の向上でなくてはならない。

 お客様のIT活用度を高めるために、社長自らが意識を高め、勉強すべきではないか。その気概なくして、今の時代を生き抜くことはできない。


 「満足できなければ、代金をお返しします。」 という、営業研修です(笑)。
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2009年6月5日金曜日

営業であるあなたは、広告宣伝費以上の仕事をしていますか?

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 ソリューション・ベンダーの営業の方から、これから何を売るべきかという質問を受けることがある。それが分かっていれば、私は、大金持ちになっているはずだが、どうもそうなっていないところを見ると、その答えは、私にもわからないということだろう。

 ただ、私なりに自信を持って言えることは、プロダクトだけで、ビジネスをすることが、ますます難しくなりつつあるということ。まあ、あたりまえのことではあるが・・・

 IT業界では、毎日のように新製品が発表されている。また、新機能の追加やコストパフォーマンの改善も休むことはない。しかし、それが本当にお客様の必要や満足に結びついているのかと考えると、どうもそうはなっていないようだ。

 「お客様の満足度の大きさは、事前の期待とのギャプの大きさに比例する。」

 例えば、お客様が、100万円のコスト削減を期待してシステムを導入したとしよう。しかし、結果として、90万円のコスト削減しかできなければ、10万円の損をした気持ちになるだろう。一方、80万円の効果を期待していたとすれば、同じ結果でも10万円の得をした気持ちになる。

 つまり、満足とは、事前の期待を越えることにほかならない。ただし、ひとつの条件が付く。妥当な範囲でという条件だ。お客様は、必ずしも、世界最高や最先端を求めているわけではないのである。

 つまり、機能や性能で期待を超えることができたとしても、その結果、コストが上がりすぎたり、使い勝手や運用管理の手間が増えるとなれば、その増分は、むしろ「余計なお世話」となり、お客様の満足度を低下させることになる。

 お客様の事前の期待はどこにあるか、そこをしっかり捉えることができなければ、お客様に満足していただく提案などできるわけがない。この事前の期待を見極める力を営業は、求められている。

 しかし、現実には、お客様の要求水準や活用度の伸びと無関係なところで、プロダクトは、日々高性能、高機能に磨きをかけ、その優劣を競っている。確かに一部の先進ユーザーにとっては、それも必要なことだろう。ただ、大半のユーザー、特にSMB企業にとっては、それは、むしろ余計なお世話となりかねない。

 機能や性能の優位性を訴求し、それを差別化の手段と考えているプロダクト・メーカーにとっては、この競争からひとり外れることは、怖くてできないのかもしれない。しかし、それが、お客様の本当の価値に結びついているのかどうか。そんな視点で、プロダクトの価値を見直す冷静さも、必要なことだと思う。

 どこも同じ様にプロダクトのアドバンテージを訴求し、こんなに多くのお客様で、こんな企業で使われていますと実績をアピールする。それを否定するつもりはないのだが、どこも同じ様なことを言っていれば、お客様は、どこに違いがあるかわからない。

 プロダクトのアドバンテージで差別化しようとしても、お客様がそこまで必要としていなければ、それはお客様の判断基準にはならない。今世の中に出回っている多くのプロダクトは、お客様の基本的な要求は、ほぼ満たしているわけだから、それ以上の話しは、いくら自慢されても、余計なお世話、時間の無駄である。

 プロダクトは、ますます高機能、高性能になる一方で、お客様の事前の期待は、そこに追いついてゆかない。このジレンマを克服する手段は、二つしかない。

 ひとつは、お客様の個別の期待をしっかりと見極め、お客様に最適な商品やその組み合わせを提案する。それが、お客様の期待を妥当な範囲で超えられるように。

 もうひとつは、お客様の要求水準を引き上げることである。「うちはそこまでいりませんよ」というお客様に、その必要性を説き、それがどれだけお客様の価値になるのかを伝えることである。これは、プロダクトを売り込むことではない。お客様のあるべき姿を、お客様と一緒にイメージし、その筋道を具体化することである。お客様が、どれほど幸せになれるか、そして、どうすればそうなれるかを提案し、課題を示し、一緒になってその解決策を考え、合意することだと思う。

 だから、営業が必要なんです。商品の機能や性能を説明するだけなら、高いお金を出して、あなたなど雇う必要はありません。あなたの給料を広告宣伝費にまわしたほうが、よっぽど効果的に「説明」できるでしょう。

 それ以上の役割を期待するからこそ、営業は必要と認められているのです。

 自分は、その役割を果たしているのだろうか?そんなことを問い返すことも、時には必要なことだと思います。



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2009年6月3日水曜日

お客様の無知に付け込む詐欺営業

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 昨日の話の続きである。
 
 結局のところ、ユーザー企業は、お金を出して、ソフトウェア・パッケージの余計な機能までも購入している。まあ、パッケージですから余計なものまでついてくることは、仕方が無いとはいえ、お客様に、それを活かそうという意欲が無い。

 ならばということで、必要なところだけを、必要な量だけ使って、安くできないだろうか・・・などという、全うな発想すら欠けている。

 SaaSの発想は、まさにそこにあるわけだが、営業は、そんなお客様の無知に胡坐をかき、活用度を高め、お客様に製品本来の価値を享受していただく努力を本当におこなっているのだろうか。

 ハードウェアについても同じことが言える。IAサーバーの急速なコストパフォーマンスの向上は、古いサーバーを拡張して稼働率を上げるよりも、アプリーションごと、機能ごとに新たにサーバーを入れたほうが安上がりという常識を築いてしまった。
 
 その結果、サーバーの購入コストは、安く済ませることができても、セキュリティや運用管理にかかわるコストは、むしろどんどんと増大している。しかも、稼働率は、平均10%にも満たないといった、壮大な無駄の構造を作り上げてしまった。

 売り上げをあげることが営業の仕事である。だから、このような無駄の構造を甘んじて受け入れてくれているお客様は、営業にとっては、大変ありがたい存在だ。

 営業は、このようなお客様の無知、あるいは、IT活用度向上への意欲の低さに、助けられ、かろうじてビジネスをしているのか。

 営業が、お客様の無駄を無くし、IT活用度を高める努力をするということは、自分で自分の首を絞めることになる。というわけで、そんなことはしたくないと、あえて控えているのだろう。いや、たぶんそんなことすら、考えていない。

 しかし、自然の摂理は、最適平衡へと向かう。いずれは、この「常識」も「非常識」となることは、目に見えている。

 お客様を騙し、いや、騙すとまではいかなくても、お客様の無知に付け込み、ビジネスを継続する。そんな詐欺まがいの仕事のやり方など、長続きするはずが無い。

 「お客様の価値を最大化する。」 ソリューション営業の原点はここにある。

 お客様にこの現実を知らせ、活用度を高めていただくべく、お客様につたえ、ITの専門家として、お客様の相談相手となり、お客様を育ててゆく。、営業の大切な仕事だと思う。

 その当たり前のことができない営業が多い中で、当たり前のことができれば、それは立派な競合に優位ではないか。

 プロフェッショナルを目指す営業なら、原点を見失っては、いけない。



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補正予算に見るIT後進国日本の現実

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 13兆9300億円という、過去最大規模の補正予算が成立した。果たして、IT関連にどれだけ予算配分されたのだろうかと思い、ネットで調べようとしたのだが、まとまった情報が見当たらない。財務省のサイトで予算内容を見ても、どれがIT関連なのか、よくわからない。

 Googleで「補正予算 IT」で検索もしてみたが、断片的な情報にしか行き当たらない。そういう情報を取りまとめるべきは、総務省だろうと思うのだが、そこを見ても、まとまった情報を見つけることはできなかった。

 縦割り行政のお役所でもあり、仕方のないことなのかもしれません。しかし、ITとは、その程度の関心ごとなのかと、改めて、がっかりしてしまいました。

 ガートナーの発表した「IT投資マインド調査」によれは、わが国は、先進21カ国のうち、ダントツの最下位だそうである。これは、企業のIT投資に対する戦略性や積極性を調べたものだという。

 未だ人間力によるガンバリズムだけを頼りに、科学的、合理的なビジネス・システムの構築に関心が低いという現状を如実に物語っている。

 人づてに聞い話しではあるが、14兆円近い補正予算の中で、ITに関連した予算は、わずかに500億円だそうである。たったの0.3%。IT後進国の面目を保ったといえるだろう。しかも、そのうちの200億円が、「霞ヶ関クラウド」なるものへの予算である。中央官庁のバックオフィース業務のIT化を促進するためのデーターセンター・サービスのようだ。ただ、いつものことであるが、まずは箱物を作るという話だろう。

 どこが請け負うかということになれば、もう選択肢は限られてくる。デキレースといわざるを得ない。体力も無く、補正予算の恩恵をもっとも必要としているSMB系のベンダーが恩恵を受けることは無いだろう。果たして、これが景気浮揚につながるのか・・・大いに疑問が残る。

 今、二つのまったく異なる分野のアプリケーション・パッケージのマーケティングとプロモーションにかかわっている。どちらの製品も、機能の完成度は高い。しかし、その機能の高さが、必ずしも競合優位の要因になっていないのである。その理由は、ユーザーの要求水準や活用度が低く、そこまでの機能を求めていないためだ。むしろ、ユーザーから見れば、豊富な機能は、「余計なお世話」となる場合もある。

 どんなに機能や性能の優れた製品を作っても、ユーザー企業がそれを使いこなせない。そのギャップを埋める努力をせずに、製品の機能や性能を向上させたところで、無駄な努力となりかねない。

 営業は、こんなお客様の活用度を高め、要求水準を高める努力を怠るべきではない。お客様の要求水準が高まってこそ、その製品が持つ本来の価値を引き出すことができる。売り込むということは、そのための努力であって、製品の機能や性能の自慢話をすることではない。

 しかし、現実には、お客様の要求をそのまま受け入れ、ハイわかりましたと、導入や開発を請け負う。これでは、どんなに製品が優れていても、その価値をお客様に享受してもらうことなどできるはずが無い。

 日本のITサービス産業の労働生産性は、20年前とほとんど変わっていないという。つまり、製品やサービス、テクノロジーのイノベーションを活かすことができず、労働集約型の請負や委託業務に頼っているに過ぎない。確かに、委託や人材派遣は、リスクが少ない。しかし、オンプレミスからクラウドへの時代の流れの中で、いままでのビジネス・モデルは、大きく変わってゆくことになるだろう。そのとき、果たしてどれだけのSIerが生き残ることができるのであろうか。

 ITの活用に消極的な企業の意識を変えていかなければ、ITビジネスのチャンスを広げてゆくことなどできないだろう。営業の仕事は、ここにもある。その自覚無くして、IT営業のプロフェッショナルにはなりえない。


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 都内での開催です。セミナーでご紹介したソリューション営業の考え方をどう実践すればいいのか、その具体的な取り組み方について、徹底解説します。

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