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13兆9300億円という、過去最大規模の補正予算が成立した。果たして、IT関連にどれだけ予算配分されたのだろうかと思い、ネットで調べようとしたのだが、まとまった情報が見当たらない。財務省のサイトで予算内容を見ても、どれがIT関連なのか、よくわからない。
Googleで「補正予算 IT」で検索もしてみたが、断片的な情報にしか行き当たらない。そういう情報を取りまとめるべきは、総務省だろうと思うのだが、そこを見ても、まとまった情報を見つけることはできなかった。
縦割り行政のお役所でもあり、仕方のないことなのかもしれません。しかし、ITとは、その程度の関心ごとなのかと、改めて、がっかりしてしまいました。
ガートナーの発表した「IT投資マインド調査」によれは、わが国は、先進21カ国のうち、ダントツの最下位だそうである。これは、企業のIT投資に対する戦略性や積極性を調べたものだという。
未だ人間力によるガンバリズムだけを頼りに、科学的、合理的なビジネス・システムの構築に関心が低いという現状を如実に物語っている。
人づてに聞い話しではあるが、14兆円近い補正予算の中で、ITに関連した予算は、わずかに500億円だそうである。たったの0.3%。IT後進国の面目を保ったといえるだろう。しかも、そのうちの200億円が、「霞ヶ関クラウド」なるものへの予算である。中央官庁のバックオフィース業務のIT化を促進するためのデーターセンター・サービスのようだ。ただ、いつものことであるが、まずは箱物を作るという話だろう。
どこが請け負うかということになれば、もう選択肢は限られてくる。デキレースといわざるを得ない。体力も無く、補正予算の恩恵をもっとも必要としているSMB系のベンダーが恩恵を受けることは無いだろう。果たして、これが景気浮揚につながるのか・・・大いに疑問が残る。
今、二つのまったく異なる分野のアプリケーション・パッケージのマーケティングとプロモーションにかかわっている。どちらの製品も、機能の完成度は高い。しかし、その機能の高さが、必ずしも競合優位の要因になっていないのである。その理由は、ユーザーの要求水準や活用度が低く、そこまでの機能を求めていないためだ。むしろ、ユーザーから見れば、豊富な機能は、「余計なお世話」となる場合もある。
どんなに機能や性能の優れた製品を作っても、ユーザー企業がそれを使いこなせない。そのギャップを埋める努力をせずに、製品の機能や性能を向上させたところで、無駄な努力となりかねない。
営業は、こんなお客様の活用度を高め、要求水準を高める努力を怠るべきではない。お客様の要求水準が高まってこそ、その製品が持つ本来の価値を引き出すことができる。売り込むということは、そのための努力であって、製品の機能や性能の自慢話をすることではない。
しかし、現実には、お客様の要求をそのまま受け入れ、ハイわかりましたと、導入や開発を請け負う。これでは、どんなに製品が優れていても、その価値をお客様に享受してもらうことなどできるはずが無い。
日本のITサービス産業の労働生産性は、20年前とほとんど変わっていないという。つまり、製品やサービス、テクノロジーのイノベーションを活かすことができず、労働集約型の請負や委託業務に頼っているに過ぎない。確かに、委託や人材派遣は、リスクが少ない。しかし、オンプレミスからクラウドへの時代の流れの中で、いままでのビジネス・モデルは、大きく変わってゆくことになるだろう。そのとき、果たしてどれだけのSIerが生き残ることができるのであろうか。
ITの活用に消極的な企業の意識を変えていかなければ、ITビジネスのチャンスを広げてゆくことなどできないだろう。営業の仕事は、ここにもある。その自覚無くして、IT営業のプロフェッショナルにはなりえない。
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