2009年6月17日水曜日

宝が足下に隠れていた。これならいけそうだ!

 「いままでのビジネスだけでは、限界があります。新しいビジネスを立ち上げなければと考えているのですが、簡単ではないですね。」

 ある、中堅ソリューション・ベンダーの社長の方からこんな話を聞いた。

 この会社は、システム機器の販売とその構築、および、システム開発の受託や派遣を生業としている。特にこれといった武器を持っているわけではない。しかし、仕事は誠実で、大手企業の地元事業所や地場の企業から安定して仕事を請けていた。しかし、この不況である。地元の仕事がどんどんと減ってゆく中、なんとか仕事を見つけなければと、東京に新たな顧客を探すべく、営業しているという。

 「地方よりまし」と考えていた東京だったそうだ。しかし、ことはそう簡単なことではない。特別な技術や得意分野があるわけでもなく、工数商売だけでは、新たな顧客を広げることもできない。また、話があっても人月単価は厳しく、ほとんどは利益の出ない話しだという。

 こんな状況でのこと。「簡単ではない」という言葉の裏には、自分たちの強みや得意分野をもっと戦略的に育てくるべきだったという、自責の念も垣間見える。

 だからといって、あわてて技術や商材で「強み」を作ろうとしても、そう簡単にできることではない。そもそも、どこのソリューション・ベンダーもサーバーは、Intelベース、WindowsかLinux、OracleにSQLserver、ネットワークは、Cisco・・・といったいどこで差別化を見出せば言いというのか。ソフトウェア・パッケージを独占で販売するといっても、どうやってそんなものを見つけてくればいいのか。簡単なことではない。

 そこで、こんな話しをしてみた。

 「開発やサポート・サービスで積み上げてきた経験やノウハウで自信があることはありませんか。お客さんに助かっているといわれているような何かはないですか?」

「そうですね。現場レベルの話しですが、お客様に代わって運用や管理に関わる資料をまとめたり、ちょっとしたツールを使ってその作業を効率化しています。トラブルの一次切り分けはお客様の責任なんですが、実際のところすべてこちらでやっています。まあ、ほとんどが同じ様なトラブルなので手間はかかりません。だから、簡単な対応は、こちらでさっさと済ませ、重宝がられていますよ。バックアップなども効率的に行うために・・・」いろいろとネタが出てきた。

 「ならば、それを新しいサービス・メニューとして切り出せないでしょうか?例えば、運用管理診断・レポート・サービスとか、保守作業フルサポート・パッケージとか・・・。それをサービス・メニューとして、売り出すというのはどうでしょう。」

 彼は、何か気がついたようだ。彼は堰を切ったように話し始めた。「なるほど、それはおもしろいですね!」。これ以上の話しは、やめておくことにしよう。ただ、売れそうなサービス・メニューができたことだけはご報告しておく。

 お客様の情報システム部門もコスト削減を上から強く求められている。自らのクビさえ心配しなければならない状況だ。となれば、外注や派遣は減らさなくてはならない。しかし、運用や管理の業務は、そう簡単には減らない。にも関わらす人が減れば、その分、自分たちがやらなくてはならない。しかし、今までの自分たちの仕事が減ってるわけではないので、単純に仕事が増えただけである。

 こんな現場は、いま日本全国いくらでもある。

 いままでの経験で、ちょっとした仕組みができそうだという。

 「これはいけるかもしれない。今までのお客様からの受託や派遣は、減ってしまったが、これなら顧客は、増やせるかもしれない。客単価は安いけど、仕組みでやるから数が増えれば、採算は取れるし利益も上がる。」

 彼の顔が、ぱっと明るくなった。

 「新しいビジネス=新しい商材」にこだわっている限り、発想はどうしても小さくなってしまう。むしろ今まで積み上げてきた現場のノウハウにこそ、思わぬ強みが隠れている。

 多くは、それが特定の現場の個人的なノウハウとして、埋もれてしまっている。しかし、それを改めて整理して他で使える「仕組み」あるいは「組み合わせ」として、見える化しててはいかがだろう。

 思わぬ強みが、あらたなビジネスのチャンスを引き寄せるかもしれない。

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