2009年6月21日日曜日

反面教師

 お客様から、ある資料をまとめてほしいと依頼を受けた。大変だが、自分なりに考えがある。その話を上司にすると、「まかせるよ!」とのこと。

 しばらくして、「どうなった?」と進捗を見に来た。ちょっとディスカッションしようという。“いつもの”悪い予感。気乗りはしなかったが、一応上司である。彼の指示に従う。

 いざはじめると、やはり、ああでもない、こうでもないといいだす。「じゃあ、どうすればいいのですか?」とたずねると、実に中途半端な指示しか出さない。そのうち、自分で勝手にいらいらしてきて、「こんなことやっても意味ない!」と言い出す始末。挙句の果てに、自分でやるといいだす。

 じゃあ「お願いします」と任せることにした。

 ところが、いつまでたってもできあがらない。「そろそろ、完成させなければ、まにあいません。」と具申すると、「ああ、あれは、適当に説明しておけばいいんだ。重要なことじゃないから。」とのたまう。

 おいおい、どうしてくれるんですか。お客様に対応しているのは、私なんですよ・・・。

 「まあ、いつものことなので、勝手に作業を進めておいたので、大丈夫でしたよ」とのこと。

 ある、ソリューション・ベンダーの営業から聞いた、話である。

 こんな話もある。

 お客様からトラブルへのクレームが入った。善後策を考えなくてはならない。早速上司に報告して、自分なり対策を提示した。すると、彼は、対策についての問題点を指摘し、「こんなやり方じゃあだめだ。他に方法はないのか!」と感情的にいいだす。

 「どうすればいいでしょうか?」と聞くすると。あろうことか、トラブルの状況を自分なりに想定し、それを根拠に、長々と理屈、というか、自分なりの論理を構築し、対策を指示し始めた。

 「これじゃあ、まずくありませんか?」と根拠を示しつつ、感情を抑え、冷静に対策の問題点を指摘すると、「いいから、俺のいうとおりにやれ!」と感情むき出しに怒り出した。

 同席していたSEも困った顔をしている。

 結局は、「わかりました」とその場は承服し、SEと相談して、当初の案で対応することにした。その結果事態は収束し、大事に至らずにすんだ。

 しばらくして、上司から「どうなった?」と聞かれたので、「何とかなりました。」と報告すると、「だめじゃないか、すぐ報告しないと。でも、よかった。言ったとおりだろう。」とニコニコしながら席を離れてゆく。

 どう対処したか、お客様の反応はどうだったか、自分がフォローすることはなのか・・・というような、上司であれば、当然なすべき質問はされなかった。

 この行動から、この「上司」とは、どういう人物か、考えてみた。

 まず、自分の力量を素直に認められない人物なのだろう。知らない、わからないを素直に受け入れられない。だから、権威をかさに感情的に、強引に持論に従わせ、自分が上司であることを部下に示そうとしている。

 お客様のことではなく、自分の立場を守ることに腐心している。あるいは、部下に自分の権威と存在感を示すことで、自分の存在を確認し、気持ちの安定を図っているのかもしれない。

 おかげで(?)、彼の部下は、誰もしっかりしている。自分で考え、自律しなければという気概に満ちている。

 これも広い意味では、ひとつの部下を育てかたなのかもしれない。いや、もしかして、彼はそのことは、先刻お見通しで、わざとこんな行動をしているのかもしれない。

 だとしたら・・・と考えると、この上司は、りっぱなマネージメントなのかもしれないなぁ。

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