2008年6月26日木曜日

復調の兆し

 久しぶりに皇居3周を走りきった。膝の故障以来、既に1ヶ月を過ぎている。二週間の休養で復調と思っていたが、いつもの皇居練習でのペースが戻っていなかった。

 毎週水曜日に行われるclub MY☆STARの皇居練習会には、50人ほどのランナーが集まる。このクラブはウルトラマラソンのランニングチーム。ウルトラマラソンとは、フルマラソン(42.195km)以上の超長距離レースのこと。例えば、100Km、24時間走(陸上トラックなど周回コースを24時間走り続けるレース。世界チャンプは300Km)、スパルタスロン(ギリシャのアテネ-スパルタ間 243Km)などを走る競技だ。

 日本代表はもちろん、48時間走(常識では考えられない!)の世界チャンプの女性もいる。なんと彼女は、48時間で383Kmも走って優勝している。

 そんなトップ・ランナー達が、我々素人達のランニングをアシストしてくれる。基本は、一週5Kmの皇居周回を3周する。それもビルドアップ練習と言って、例えば一週目30分でスタートすると、次の周回は29分、三周目はフリーで自分の限界に挑戦する。

 自分の能力に応じて5つぐらいのグループに分かれって練習するのだが、トップランナーがペースメイキングし、グループで走るので、自分ひとりでダラダラと走るよりは、気合いも入り、自分のポテンシャルを引き出してくれるのでありがたい。

 毎週この練習会には参加しているのだが、練習再開後、少し見栄を張って故障以前と同じぐらいのグループで走っていた。しかし、2周目で息が上がり、後が続かない。自分のふがいなさに情けなく、悔しい想いが続いていた。

 そこで、昨日は、いつもよりスタートのペースを2分落とすことにした。いつもなら、一周目24分でスタートするところを26分スタートに。ペーサーは、24時間走の国内最高距離を持つ、日本代表の境祐司さん。「割り箸祐司」と言われるほどにと足も身体も細い。いったいこの身体でどうやったら24時間も走ることができるのかと不思議に思う。

 少し早いかなと思いつつも、最初は25分28秒で一周目を回る。思いの外、身体が軽い。この日は気温も低く空気も乾いていたので、とても楽に走ることができた。
 二周目は、23分55秒。これは、明らかに速い。感性で走る野生児祐司にとっては、楽勝なのだろうが、これは明らかにオーバーペース。でも、さほど呼吸の乱れもなく走ることができた。まあよしとしよう。

 これならいけるかもしれないと、三周目は勝負に出た。

 半蔵門をスタート地点に、桜田門から大手門、竹橋を経て千鳥ヶ淵を回り、半蔵門に戻る周回コース。これがぴったり5Km。緑も多く、一切信号にかかることがない。ランナーにとっては、最高の練習コースだ。この日も大勢のランナーが走っていた。

 彼らをよけながら、まずは半蔵門から桜田門に向かうなだらかな下りを勢いよく走る。4分20秒。最初の1Kmは、まずまず。ここからが中だるみ。大手門を経て竹橋に向かう起伏のないコースが2Kmほど続くのだが、下りの勢いを維持するのがなかなかむつかしい。それでも中間地点のパレスホテルの正面を11分ほどで通過できた。なかなかいいペースだ。しかし、そろそろ息が上がり始めてきた。

 気象庁前が3Km地点。ここを13分を少し切るくらいで通過。なかなかいい感じ。しかし、さすがに苦しくなってきた。ここから竹橋の上り坂が待っている。最大の難所だ。距離にして1Kmもないのだが、ここまでで相当消耗しきっている。そんなタイミングで現れるこの上り坂は、実に厳しい。それでも何とかペースを落とさずに背筋を伸ばし、腕を利用して登り切る。しかし、ここまで。首都高速道路の代官山の入口の当たりが坂のピークとなるが、この当たりから足がでなくなる。息も上がり、ペースが維持できない。
 そこから千鳥ヶ淵の交差点に向かって僅かな下り。気を抜く暇もなく内堀通りを半蔵門に向けて500mほどのだらだらした上りが続く。

 残っているのは気力だけ。絞りきった雑巾をさらに絞って最後のスピードを維持する。

 22分21秒。ベストタイムには1分以上及ばないが、3周走って最後に追い込めたことは、本当に嬉しい。

 あとは、少しずつペースを上げてゆけばいい。一時はもう身体が元に戻らないのではと心配したが、まだそう考えるのはやいようだ。後は、秋のレースシーズンに向けて、少しずつペースを上げてゆけばいい。そんなきっかけを昨日は掴むことができた。

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