2009年11月30日月曜日

Windows Azureの本質 ITビジネスはどう変わるのか

 11月17日、マイクロソフトが、Windows Azure Platformを発表した。これは、システム・インテグレーターやITソリューション・ベンダーにとって、新しいビジネス・チャンスとなるかもしれない。

 詳しい解説は、ZDnet Japanに投稿したブログをご覧いただきたい。

 Windows Azure Platformの本質は、オンプレミスとクラウドをシームレスにつなぐ、新しいシステム・プラットフォームであるという点だ。

 以前説明したことでもあるが、クラウドの大きな課題は、可用性セキュリティであるといわれている。一方、オンプレミスは、トラフィックの増減に柔軟に対応できなことが上げられる。

 この両者の弱点をお互いに補完できる組みあわせが実現すれば、これほどいいことはない。Windows Azure Platformは、まさにこれを狙っている。

 今までのクラウド・サービスの多くは、オンプレミスとは、まったく別のシステムであり、両者の連携には、いろいろと工夫が必要だった。

 というよりも、そもそも、どの大手クラウドベンダー(Google,Amazon,Saleforceなど)も、自前のオンプレミスのプラットフォームを提供していない。そこに、自前のオンプレミス・プラットフォームを持つマイクロソフトが、両者の同一性を武器に参入してきたのである。

 Windows Azure Platformは、基本的には、Windows Serverのレプリカである。つまり、Visual Studio / .Net Framworkが、そのまま使えるシステム環境なのである。しかも、両者をうまく連携させる仕組みについても準備が進められている。このハードルは、大きく下がったといえるだろう。

  開発者にとって、このシステム環境は、大変分りやすく、使いやすい。また、オンプレミス型Windowsアプリケーションを大量に抱えているお客様やサービス・プロバイダーは、クラウドを含めて、最適配置しなおすといった検討も容易になる。

 これからのシステム・インテグレーションや運用のビジネスは、この両者をひとつのプラットフォームとして考えなくてはならないだろう。

 この組みあわせが、クラウドのすべての問題を解決するなどとは、もちろん思わない。しかし、ひとつの選択肢となりうることは、間違えない。たぶん、お客様からも、それを求められるだろう。

 クラウドにするか、オンプレミスにするか、という両者を区別した議論に加え、ひとつのプラットフォームとして連携させて利用するという考え方は、Windows Azure Platformに始まったアイデアではない。しかし、Windowsという、膨大なユーザーや開発者の資産を考えると、今回の発表は、この動きをますます加速することになるだろうことは、容易に想像できる。

 システム・インテグレーターとして、ソリューション・ベンダーとして、皆さんは、その答えを用意しているだろうか?サービスの本格リリースは、あとわずか一ヶ月後に控えている。

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 クラウドとその周辺にある言葉の断片を拾い集めても本質は見えてきません。そこで、これらを関連付け、体系的に整理します。また、クラウド・ビジネスを考える上で、関係の深い周辺技術の動向についても詳しく解説します。
・クラウド・コンピューティング体系: 定義と課題
・クラウド時代のリッチクライアント(クラウドとAjaxの不可分な関係)
・クラウドとSOAの組み合わせがSIの今後を変える
・クラウドのアキレス腱、セキュリティ問題とは

2.ビジネスに与える影響と事業戦略について考える

 クラウドの普及が、お客様の意思決定にどのような影響を与えるのか。これに対し、私たちは、どのような対策をとるべきかを検討します。また、クラウドプレーヤー各社の比較や各種統計についても検討します。
・クラウド・ビジネスの動向を整理する
・ITビジネスへの影響と課題
・想定しうるビジネス戦略

3.自社のビジネス戦略のアイデアを整理する

 1,2の知識を参考に、クラウドへの今後の取り組みや戦略について、各自、整理してみます。
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