2009年11月23日月曜日

ビジネス・リーダーを超えて、ビジネス・クリエーターを目指す

 一通りのビジネスの基本動作を心得た中堅のソリューション営業は、次に何を目指すべきでしょうか。

 当然、営業組織やチームのリーダーとして、営業活動を引っ張ってゆく事を自他共に求められるようになります。また、そのような、活動を当して、若手の範となり、彼等の成長を助けてゆくことも期待されるでしょう。

 また、お客さまの課題を探り、ビジネスを掘り起こすことができなくてはなりません。

 自分の会社が、新しい商品やサービスを発表したときには、率先して、それらをお客様の課題に結び付けて、その解決策を提案し、ビジネスにする。そんな行動が、求められるのではないかと思います。

 誰もが、このようなあるべき姿を描き、自分をそこに向かわせようと努力しているのではないでしょうか。

 しかし、ことは、そう簡単なことではありません。誰も、このあるべき姿を思い描きながらも、様々な障害に突き当たり、思うようにそうなれない自分に、あせりや怒り、焦燥を感じている方も少なくないはずです。

 ソリューション営業研修を行うとき、冒頭で、この研修に期待することを伺うと、必ずこのような話が出てて来ます。私は、その志の高さと、自分を過信せず、「まだまだ」という気持ちを持ち続けている皆さんに、熱いものを感じます。

 しかし、私は、あえてこの志を否定したいと思うのです。

 確かに、中堅以上のソリューション営業として、自らビジネスを牽引し、会社に貢献すること。また、部下のよき模範となって、彼らを一人前に育てようとすることが、間違っているというつもりはないのですが、それを自らのあるべき姿と考えることに、疑問を感じるのです。

 このような行為は、しょせん手段に過ぎないのだということ。その手段の先にある、本当の目的。そこに真のあるべき姿があることに気がつかなくてはなりません。

 それは、「世のため人のため」を実現しようとすること。つまり、「いかにすれば、お客様を成功させられるか」を目指すことではないかと思うのです。

 なんだか、聖人君主のようなことを言うようですが、多くの優れた営業は、この意識をしっかりと持っています。

 以前、あるビッグプロジェクト提案しているベテラン営業と話しをしたときのことです。

 彼は、お客様だけではなく、そのお客様が属する業界、ひいては、日本や世界が、どうあるべきかを熱く語ってくれました。

 「このままでは、ダメと思うんですよ。リーマンショック以来、お客様も業界も、価値基準が大きく変わりました。それは、あまりにもヒステリックで、現実を無視しすぎています。だからこそ、このプロジェクトをお客様に提案し、受け入れてもらおうと思っています。そうしなければ、これからのお客さまの未来も、日本の再生もありえないと思っています。」

 彼の勝手の思い込みかもしれません。独りよがりという人もいるかもしれないでしょう。しかし、彼の声は、お客さまの気持ちを動かし始めているのです。

 彼は、その手段にこだわっていません。もちろん、営業ですから、システムに関わる提案がそこに含まれていることは、言うまでもあれリません。しかし、お客様の成功について、お客様もそれを理解し、受け入れてしまえば、手段は、ついてきます。たとえ、その手段が、他のものに変わったとしても、「お客さまの成功」という、あるべき姿が、ぶれなければ、それはたいした問題ではないのです。

 私は、ここに「ビジネス・リーダー」と「ビジネス・クリエーター」の違いを感じるのです。

 「ビジネス・リーダー」とは、お客さまの課題を解決するためのプロジェクトを成功させる指揮官であり、プロデューサーです。もちろん、この役割を否定するつもりなどありません。

 しかし、それは、お客さまの成功という、より高い次元の「あるべき姿」を実現してこそ、意味があるのです。

 お客さまの成功、さらには、その成功を超えるイノベーションを作り出すためには、お客様や社会をもっと良くしたいという、熱い思いと、調べ、考え、自分の意見を持つことが必要です。

 それは、お客や自分の周りに、新しい可能性を気づかせ、結果として、新しいビジネスを引き寄せる力にもなるのです。

 私は、このような人たちのことを、「ビジネス・クリエーター」ということにしています。

 よきリーダーであることは、よきクリエーターのひとつの要素に過ぎません。その先が、あることを理解し、これを実現することにまい進する。

 それこそが、ソリューション営業の目指すべき「あるべき姿」ではないでしょうか。

[緊急のお知らせ]-----------------------------------------------

クラウド・ビジネス戦略策定支援セッションを開催します!

日時: 12月16日(水)10:00-17:00

場所: 東京・九段下

 クラウドの一般論を理解することが目的ではありません。皆さんの会社の事業戦略スタッフの視点で、これからのビジネス戦略、製品戦略に必須の突っ込んだ情報やアイデアを提供します。 

 システム・インテグレータやソリューション・ベンダーの経営者、営業責任者、マーケティング担当者の皆様が対象ですが、情報システム部門の方にもお役に立つと思います。

こちらから、お申し込みいただけます。

開催趣旨 ----------------

 既に多くの企業が、クラウド時代に向けた取り組みを始めています。しかし、その一方で、その具体的な施策に頭を悩ましている方も少なくないようです。

 そんな皆さんを対象に、言葉の断片をつなぎ合わせるだけの解説ではなく、ユーザーが、そして、企業が、クラウドにどう取り組むべきか、そして、そのベンダーは、それにどのような対応をすべきかなど、少し突っ込んだ検討をしてみようと思っています。

 定員が限られています。ご関心ある方は、どうぞ、お早目のエントリーを

内 容 ------------------

1.クラウドを体系的に理解する

 クラウドとその周辺にある言葉の断片を拾い集めても本質は見えてきません。そこで、これらを関連付け、体系的に整理します。また、クラウド・ビジネスを考える上で、関係の深い周辺技術の動向についても詳しく解説します。
・クラウド・コンピューティング体系: 定義と課題
・クラウド時代のリッチクライアント(クラウドとAjaxの不可分な関係)
・クラウドとSOAの組み合わせがSIの今後を変える
・クラウドのアキレス腱、セキュリティ問題とは

2.ビジネスに与える影響と事業戦略について考える

 クラウドの普及が、お客様の意思決定にどのような影響を与えるのか。これに対し、私たちは、どのような対策をとるべきかを検討します。また、クラウドプレーヤー各社の比較や各種統計についても検討します。
・クラウド・ビジネスの動向を整理する
・ITビジネスへの影響と課題
・想定しうるビジネス戦略

3.自社のビジネス戦略のアイデアを整理する

 1,2の知識を参考に、クラウドへの今後の取り組みや戦略について、各自、整理してみます。
・整理するためのフォームを提供
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