2009年11月2日月曜日

営業の3つのタイプ

 営業には、3つのタイプがある。ひとつは、商品販売型。ふたつ目は、事務処理型。最後は、プロデューサー型である。
 どれが優れ、劣っているかという話しではない。

 商品販売型とは、まず「商品ありき」から、スタートする。団子屋さん、パン屋さんなどは、その典型である。お客様は、味の良し悪しやバリエーションなど、商品そのものが持つ価値や魅力で選択する。営業は、その商品が、他の店と何が違うのか、どれほどおいしいのかなどの魅力を、お客様に伝えることに腐心する。パッケージ・ソフトやハードウェア機器などの販売を手がける企業もこのタイプだ。

 事務処理型とは、お客様に必然的な需要が存在し、滞りなく、お客様からの注文を処理し、コストや納期を守ることが求められる。例えば、大手企業のシステム子会社などが、親会社の仕事をするような場合で、特に売り込みは必要ないが、確実に事務処理や仕様の確定などをこなすことが求められる。

 プロデューサー型は、商品販売型とは対照的に、「商品がない」からスタートする。お客様の要望に応え、最適な商品やサービスを組み合わせ、お客様個別の商品を作る。広告代理店の営業などは、この典型。これといった、特定の商品がない。お客様のニーズを捉え、広告宣伝の効果を具体化。そして、最適な広告宣伝手段を組み合わせ実行する。SIも、このタイプの仕事といえるだろう。

 ところで、IT業界では、商品販売型と事務処理型の営業が、ますます難しくなっている。

 まず、商品販売型。たとえば、サーバーは、ブランドや筐体が違っても、どれも中身は、インテルであり、OSは、Window、データベースは、オラクルかDB2・・・というように区別がない。ネットワーク機器にいたっては、どこもシスコ製品を扱い、たとえメーカーが違っても、できることに大差はない。 オープソフトもやっかいだ。無料なのだから、売上は、あがらない。クラウドになれば、パッケージやサーバーなどを自社で所有する必要がない。したがって、売上げ規模は、縮小する。

 事務処理型も、厳しい現実に直面している。不況の荒波に苦しんでいる親会社からの発注は減少している。それも、仕事量より金額が・・・である。 コスト削減は、親会社としても存続をかけた取り組みである。背に腹は代えられないから、よりコスト競争力のある国内企業に仕事が回る。また、開発や運用のオフショア化、クラウドの利用など、仕事量減少の危機が迫っている。

 親会社からは、「分社の原点に立ち返り・・・」グループ外からの受注比率拡大を、今まで以上に求められるようになる。
 独立系SIerも、多くは、商品販売型だ。ヒトという商品を売っているだけで、新たな付加価値の創造や提案はない。  あるいは、既存のお客様からの仕事に胡坐をかいて、新たな商品開発や顧客の開拓を怠ってきたところも少なくない。これは、事務処理型と大差はない。

 どちらにしても、差別化できる商品や新規案件を開拓できる営業力がなければ、親会社というよりどころもないわけで、ますます厳しい状況に追い込まれている。

 プロデューサー型が、今求められている。この厳しい局面に生き残るためには、特定の商品や特定の会社に頼っては、いられない。

 お客様の課題を起点に、お客様個別のオーダーメイドの組み合わせをつくり、それを売り込む営業力なくして、生き残ることはできないだろう。

 プロデューサー型の営業を育てることはたやすいことではない。また、商品販売型や事務処理型が主体となっていた営業組織の場合は、人材の育成だけではなく、組織運営のあり方も代えてゆかなければならないだろう。

 そのあたりについては、改めて紹介させていただこうと思う。

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