昨日[2009年11月16日(日)]は、東京国際女子マラソンの応援に出かけた。30回目を迎えるこの大会も今年が最後。来年からは、横浜に会場を移して新たなスタートを切る。
この大会は、誰でも出られるわけではない。もちろん「女性」であることは当然として、過去2年の間でフルマラソンの公式大会で、3時間30分以内でゴールしていることが条件となる。そのため、参加者は1000名足らずの少数精鋭揃い。
12時10分のスタートを見ようと国立競技場へ向かう。気温15度、小雨、湿度90%。ランナーには決して悪くないコンディションだが、応援にはちよっとつらい天気となった。
高橋尚子、野口みずきが、過去好記録で優勝している大会である。今年は、渋井陽子に期待が集まっていたが、その期待通りの好調なスタートだった。
友人達は、市民ランナーと言えども決して遅い連中ではない。中には、サブ3(3時間切り)を狙っている者もいる。しかし、オリンピックを狙うトップランナーと比べると、申し訳ないが「なんとゆっくりなんだろう」と思ってしまう。
まあ、トップアスリートたちの戦いについては、私が言及するまでもないだろうから、友人達の話をする。
マラソンの楽しみは、何かとよく聞かれるが、我々市民ランナーにとっては、やはり自己ベスト更新の醍醐味だろうと思う。
誰と戦うわけではない。自分との戦いだ。そのために日々練習して身体をつくる。週末の山練習もこなし、気持ちも追い込んでゆく。しかし、その成果が本番に出せるという保証はない。その日の天候や体調、コースの状況など、レースの度に違ってくる。そんな厳しさのなかで、レース当日のコンディションをベストの状態にすることは、容易なことではない。「レース展開をどうするか」といった知力の戦いも死命を制す。彼女たちは、そんな準備を重ねて、この大会に臨んでいる。
国立競技場を快調に周回する彼女たち、その勢いを保ちながら千駄ヶ谷門をどびだしていった。きっとやってくれるよな!と熱い思いがこみ上げてくる。
私たちも早速会場を出て、北品川に向かう。ここは、往路16kmと復路26Kmの通過点となっている。
往路16Km。完全独走で先頭を行く渋井を見送り、はるか遅れて友人達が通過する。精一杯の大声で「ガンバレー!」と声をかける。みんなまだ余裕の笑顔で応えてくれた。
しかし、26Kmの戻りでは、そろそろ明暗が分かれてきた。快調に飛ばす者、汗を一杯かき、苦しさをこらえながら走る者。足を引きづりながらスピードが出せず苦しんでいる者。言葉では「ガンバレー!」としかか言えない。歯がゆい思いが残る。
走り続ける彼女たちを見送り、再び国立競技場へ。既にトップグループはゴールした後だった。なんと独走を維持していた渋井が4位。あんなに遅れて走っていた尾崎が優勝とは、本当にレースは分からないものだと思った。それがまた楽しくもある。
続々、ランナーが還ってくる。しかし、サブ3を狙う彼女がついに時間には現れなかった。残念。しかし、その悔しさを感じさせない笑顔のゴールに感動した。厳しい練習を重ねてきた彼女を知っているだけに嬉しかった。
多くのランナーに混じり、友人達が周回コースに入ってくる。最後の一秒を縮めたい。その必至の思いでスパートする彼女は、ゴールした瞬間に倒れ込んでしまった。担架に乗せられるものの起きあがり、なんとか歩き出した。声をかけると涙を滲ませ、自己ベストを更新できなかった悔しさを語ってくれた。よく頑張ったと手が痛くなるまで拍手で応えた。熱い思いがこみ上げてくる。
26Kmまでは快調に飛ばしていた別の彼女。競技場に入ってきた時には、まったく勢いが無くなっていた。しかし、ゴール直前に背筋を伸ばし、気力でゴールを切る。「お疲れ様」という声がのどに詰まる。
悲喜こもごもである。自分が走るのとはまた違う感動があった。
所詮素人の趣味に過ぎない。その通りかもしれない。しかし、感動には、素人もプロもない。人間の一生懸命は、本当にすばらしいと思う。
改めて、自分もレースに出たいという思いを強くした。
2 件のコメント:
応援ありがとうございました。
つらーい八ッ山橋での声援効きました。
ブログを読んで思い出してまた感動です。
次のレースはどこですか。
asahiさん すばらしかったですね。応援のしがいがありました。
つぎのレースは、目下検討中。負けないように練習します。
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