2008年10月23日木曜日

営業という仕事を楽しむためのノウハウ

 今日から、「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座[管理者コース]」が始まる。

 この研修は、既に実施している標準コースを営業課長やリーダー向けに手直ししたもの。ソリューション営業とは何か、その営業活動プロセスとはどのようなもので、如何に実践すればいいのかという標準コースの内容に加え、ソリューション営業を組織として根付かせるためにはどうすればいいのか、また、組織として最大のパフォーマンスを引き出すためにはどのような取り組みを行うべきかといった管理者の立場で行うべき実践ノウハウも充実させている。
 加えて、部下を育てるための考え方や実践方法についても触れた。

 実は、この管理者コースは本日がはじめての開催。既にその内容については、標準コースや別の管理者むけセミナーで分割しては行っているので心配はしていない。心配なのは、時間配分である。伝えたいことが山ほど有る。標準コースでも唯一評価の低い「時間配分」。いままでのコメントを見ると内容が盛りだくさんで、もっと時間をかけてやってくださいとのご意見をよくいただく。
 しかし、営業は忙しい。ゆっくりと研修に時間を使う暇がない。そんな中、決心しておいでいただいたみなさんには、一期一会の想いで、全てをお伝えしたいと張り切ってしまう。今回の管理者コースもそんな気持ちで作った。また、「時間配分」で厳しいご評価を頂くかもしれないが、できるだけ要領よくお伝えするように心掛けるつもりだ。

 私が、この研修をはじめたきっかけは、IT営業のパラダイムが大きく変わりつつある中、その対応に苦しんでいる多くの営業達の姿を目の当たりにしてきたからだ。

 過去の栄光から抜けきれず「俺の若い頃はこうだった・・・」といいながら、精神論を振りかざす上司。「こんなところにいて何しているんだ!とにかくお客様のところを回ってこい!」と根性論だけで、部下を駆り立てる上司。そこには、知性の片鱗もない。

 経験から培われた知恵、人間としての成熟を否定するつもりはない。しかし、それだけでは、部下を活かし、組織としての営業力を高めることはできない。
 こんなことしか言えない上司は、この変化した今の営業環境に対して「どう対処していいか分からない」から、具体的なアドバイスや状況への適切な対応ができず、精神論や根性論でごまかすしか、自分のプライド守れないのではないかと疑ってしまう。

 IT営業にとって「商品ありきの営業スタイル」は、もう時代遅れだ。どの会社もCiscoを売り、サーバーは、IntelとWindowsServerかLinux。なにをもって、競合他社と差別化し、自らの優位をアピールすればいいのだろうか。

 今の時代は、「商品なしの営業スタイル」である。商品は、お客様が知っている。お客様の課題、そしてそこから導かれるお客様の真のニーズこそ、営業が提案すべき商品がある。お客様の課題を見つけ、ニーズを明らかにし、お客様と合意する。
 お客様個別のオーダーメイドの商品を仕立て上げるテーラーであり、組織を使って作り上げ、運営していくプロデューサーが、今の時代に求められる営業だ。私は、このような営業を「ソリューション営業」と云っている。

 決して精神論ではない。実務実践のノウハウであり、それを支えるエンジニアリングがある。それを伝えたいと思っていた。それがこの研修をはじめたきっかけだ。

 果たして、どこまでその理想に近づいたかは分からない。まだまだ未完成だ。それでも、少しでもその片鱗を伝えることができれば、営業は自分でどうすればいいのかわかり、もっと活き活きとし、営業を楽しめると思っている。

 楽しんでいる営業は、お客様からも信頼されるし、大きな仕事も任せられる。そのための実践ノウハウ、営業という仕事の定石を学んで頂きたい。そんな思いを込めて、これから出発します。

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