最近、ソリューション・ベンダーやシステム・インテグレーターの研修担当者や経営者から、こんな話をよく耳にする。
不況のあおりを受けて、受注が思うように伸びない中、この状況を何とかするためには、営業力に頼るしかないという、「最後の手段」的な営業力頼みである。
景気がいいときは、技術力や製品力が大切であると考える。営業力は、ないよりもあったほうがいい・・・いや、お客さまの「言うとおり」を忠実に、滞りなく、そして、ちょっと納期を早める努力をしたり、ちょっと値引きを深くしてみたり、あるいは、マメにお客様に顔を出すことで、お客様の必要に直ぐに答えられるように・・・と言った程度の「優秀なる御用聞き」ができることこそ、営業力。それで十分に業績を上げることができたのだから、それが営業力だと言うことに何も疑問もなかった。
しかし、今彼らが求めている営業力とは、どうもそういうものではないらしい。
新規案件の発掘、新規顧客の開拓、既存顧客からのシェア拡大である。つまり、お客さまの「言うとおり」に逆らう行為だ。
お客様の「言うとおり」にしていれば、仕事は減らされる。モノを買いたくないお客様に「買ってください」と言わなければならない。これはもう、天地真逆の仕事をしろと言われているようなものであり、今度はそれを営業力だという。
「今までの仕事をやめて、新しい仕事をやりなさい」。表向き、営業という立場は、何も変わらないが、やることはまったく違う。そんな事実には目をそむけ、「うちの営業力は、まだまだ御用聞き営業から脱しきれず、これではこれからやっては行けない。だから、もっと営業力を強くしなければ・・・」などという発想は、どこか間違っているように思う。
「営業力を強くする」という言葉の根底には、「弱いものを強くする」、「未熟を育成し成長させる」という考えがあるように思う。この発想は、今までの延長線上での話し。
しかし、そうじゃないでしょ・・・と言いたくなる。
まあ、過去を全面否定するつもりもないが、そんな延長線上の話しではなく、営業というパラダイムが明らかに変わってしまったことを、はっきりと意識すべきではないでしょうか。
昨日、New Normalについて書きました。お客さまの意思決定基準が、明らかに変わっている。今までの「御用聞き営業」の発想や仕事の手順では、もはや営業として役割を果たせない。この現実に目を向けるべきではないのかと思うのです。
「営業力を強化する」とは、今までの営業という名の下に行ってきた仕事を定義しなおし、これからの営業という仕事について、新たなあるべき姿や手順を明確にすることからはじめなければならないと思うのです。
「新しい営業という仕事ができるようにするための職業訓練」。それが、今求められている「営業力の強化」です。
クラウドの普及は、モノが売れなくなると言うことだけではありません。システム開発やシステム構築・運用の考え方をグローバルな視点で再編成することになると考えるべきです。換言すれば、お客様が期待する皆さんの役割が変わってしまうことを意味しているのです。
そうなれば、当然仕事も変わり、求められる「営業力」も変わってきて当然。この現実を早く受け入れ、新しい時代に求められる「営業力」を構築すること。それが、今必要な「営業力の強化」なのだと思うのです。
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このたび 「ITソリューション塾 【第3期】」 を開講することとなりました。ご案内は、ここからダウンロードできます。
この「ITソリューション塾」は、ITの最新動向やITビジネスにかかわる最新の知識を分り易く、体系的に整理し、提案活動の武器にしていただこうという企画です。
例えば、「クラウド」というキーワード。知らない方はいらっしゃらないと思います。しかし・・・
「クラウドと仮想化の違いを教えてください。」とお客様から聞かれて即答できなければ、信用失墜です?
あるいは・・・
- iPhoneは、世界最初のモバイル・クラウド端末と言うことですが、それはなぜですか?
- クラウドを使うとグリーンITを推進することになるとの事ですが、それはなぜですか?
- Windows Azureの発表がありましたが、システム開発や運用は、どう変わるのですか?
クラウドばかりではありません。国際会計基準、ネットワーク・セキュリティなど、ITのトレンドは、実に急速に動いています。
「ITソリューション塾」は、こんなお客様からの相談を
- 「理解」できる。
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そのパワーポイントの説明資料もソフト・コピーで差し上げます。
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営業さんばかりでなく、SEやコンサル、あるいは、マネージメントや経営者の皆様にもご参加いただければと準備しています。
ぜひご参加をご検討いただければと願っています。
この塾は、毎週火曜日の18:30-20:30。全10回に渡り開催します。初日は、1月19日(火)を予定しています。
既に2期、開催しております。参加者の意欲も出席率も高く、ご満足いただいているようです。
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次回の「ITソリューション塾」では、最新の動向を反映し、今までの内容の大幅に見直しました。主な改訂箇所は、以下の通りです。
1.クラウドを基礎編と戦略編の2回に分けます。
- 基礎編では、概念や定義、テクノロジーやビジネスへの影響などを体系化して解説します。
- 戦略編では、国内外の各社のクラウド・ビジネス戦略を分析し、自分達のビジネスにどう活かせるだろうかを考えてみようと思います。
3.国際会計基準については、この基準の意義や本質だけではなく、システム・ビジネスとして、どのようなチャンスがあるかをしっかり掘り下げてみようかと思います。
4.プロジェクト管理(PMBOKなど)についても整理し、その基本を学んでいただこうと考えています。
5.営業スキルについては、この2回の経験を踏まえ、改めて内容を取捨選択し、毎回独立したトピックとしてではなく、系統的に話しをさせていただけるように改訂する予定です。
最新の動き、さらには、新たな整理とドキュメント。とにかく、いっそう分りやすく、即実践で使えることを目指し、内容を進化させる予定です。
どうぞ、ご参加いただければとぞんじます。また、御社の営業、SE、コンサル、マネージメントの皆様にご紹介頂ければと存じます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
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