2009年10月26日月曜日

クラウドについての「5つの質問」

 前々回、クラウドについて、皆さんに質問をしておきながら、回答を出さずでは、信用問題です。ということで、今日は、その回答を・・・

[質問1]仮想化とクラウドの違いについて、説明してください。

 クラウド・コンピューティングを別の言葉で置き換えるなら、「無人コンピューティング」かも知れません。もちろん、クラウド・システムそのものを運用するには、人ではかかります。しかし、クラウドを利用するユーザーの視点に立てば、自分達で使うシステム・リソースは、実質無人で運用されているといえるでしょう。

 従来のように自社に運用要員を置く必要はなく、外注に依存するわけではありません。運用に関わる業務をシステムに任せることができます。例えば、必要に応じてリソースを割り当てる機能、バックアップやリカバリー、故障の修復や脅威への防御などは、クラウドの世界では、システム任せです。そうしなければ、膨大なユーザーの要求に対応することは、できません。

 リソースの割り当てが、ダイナミックにできるということは、仮想化が必須となります。しかし、それだけでは不十分で、運用の自動化が、併せて必要となります。

 つまり、クラウドとは、仮想化と運用の自動化の組み合わせが、必要なのです。仮想化だけでは、クラウド・システムは、構成されないと考えるべきでしょう。

 ちなみに、この運用の部分をいまだ人手に依存し、データセンターのシステム・リソースを仮想化して提供し、これをクラウド・サービスとしているところも少なくはありません。

 それが、まちがっいているとはいいませんが、GoogleやAmazonなどのサービスと比較すれば、コスト競争力、スピード、人的介在によるミスのリスクなどで、不利な状況です。そう考えると、完成度は低いといえるでしょう。

[質問2]SaaS、PaaS、IaaSの関係について、説明してください。

 下の図をご覧ください。


 SaaSとは、ユーザーから見れば、アプリケーションに見えます。PaaSは、ミドル・ウェア、IaaS/HaaSは、OSに見えます。ちなみに、IaaS/HaaSの代表であるAmazon EC2で利用できるOSは、Linux,Open Solaris, Windowです。

[質問3]クラウド、SOA、BPMの関係について説明してください。

 クラウドのあるべき姿は、特定のクラウド・サービスのみに依存するのではなく、夫々の機能や特長を活かして、サービスを組み合わせ、自社に最適なシステムを構築できることです。

 言うなれば、C to C(Cloud to Cloud)システムの構築を可能にすることです。そのためには、システム機能を部品化し、インターフェイスを相互に連携できるようにすることが必要です。これは、SOA(Service Oriented Architecture)の考え方です。

 また、システム機能を部品化するということは、その前提となるビジネスをプロセスに分解し、それを整理することが必要となります。つまり、分解されたプロセスが、システム部品に対応するわけです。これは、BPM(Business Process Management)の領域といえるでしょう。

[質問4]クラウドとオンプレミスを比較し、システム構築、アプリケーション開発、システム運用において、どのような違いがあるのでしょうか?

こちらについては、以下の図をご覧ください。たぶん言葉で説明するまでもないでしょう。





 インフラの構築やその運用に関わる業務。あるいは、アプリケーション開発を請け負う業務には、少なからざる影響が生じるはずです。

[質問5]マイクロソフトとグーグル両者のクラウド戦略の違いについて、説明してください。

 さて、これは、かなり奥が深いし、不謹慎を覚悟で申し上げれば、かなりおもしろい話です。こちらについては、改めて別の機会に話しをさせて頂きます。

 そうそう、明日のセミナーでも、その話はさせて頂きます。よろしければどうぞ・・・

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