2009年10月21日水曜日

「自分の知ってること」を「お客様の知りたいこと」に翻訳する

 クラウドの特徴を3つ挙げろといわれたなら、営業であるあなたなら、なんと答えますか。私なら、以下の3つをあげるでしょう。

1.OSはなくならないが、OSを意識しなくてもいい
2.使いたいときに、すぐに必要な構成を用意し、使用できる
3.ユーザー規模の増減、システム・キャパシティを意識しなくてもいい

 いまさら「仮想化」、「運用の自動化」、「マルチテナント」などといっても、お客様には、「ア~そうですか」といわれるのがオチ。お客様だって、この程度のことは、既にご存知のはず。ですから、ちょっと違う視点で、説明してみる。そうすれば、「えっ?それどういうことです??」となって、話がさらに深まるはずです。

 気の利いた営業なら、その程度の薀蓄は、働かせるべきでしょう。では、どのように「気を利かせる」のか・・・「自分の知ってること」を「お客様の知りたいこと」に翻訳することです。

 確かに、「仮想化」、「運用の自動化」、「マルチテナント」も間違えではありませんが、それは、「製品仕様」みたいなものです。しかし、お客様の立場から見れば、「だから、なんなのよ?自分達の使い方が、どう変わるの?」ということになります。

 「製品仕様」だけをお客様に説明し、それがどのような便益をお客様にもたらすのかについては、どうぞ、お客様自身でお考えくださいでは、営業としての仕事をしていない。私が、お客様の立場なら、早々にお引取り願うと思いますよ。

 自分の知ってる言葉を話すだけなら、なんの苦労もいりません。しかし、それは、必ずしも、お客様の知りたいこととは限りません。

 確かに、営業ですから、仕様や特徴について、メーカーの視点から理解すること、言葉を知ることは、必要です。しかし、それをそのままお客様に伝えているようでは、営業としての存在価値などありません。

 製品の仕様や特徴だけなら、ホームページを見ればいいわけですから、わざわざ時間を割いてまで、営業さんの話しを聞く必要などありません。

 「お客様の立場に立つ」とは、知ってることを伝えることではなく、お客様の知りたいことを伝えることです。そこに時間を割き、考え、資料を作る。だから、営業が必要なんです。

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