2009年10月12日月曜日

「産地偽装」型クラウド・コンピューティング

 ITベンダーは、いま一斉にクラウドの大合唱です。しかし、よくよく中身を覗いてみると、いままでのASPやデータセンターのサービスに形容詞として「クラウド」をつけているだけのもの。仮想化を「クラウド化」などと称し、中身は同じといった「産地偽装」まがいのものも少なくないようです。

 外国産を国産といっているみたいなもので、何も変わっていない。残念ながら、ITの世界にJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)は、ないので取り締まりもできません。こんなことをやっていると、いずれはお客様も疑心暗鬼になり、「クラウド」に見向きもされなくなるでしょう。

 「クラウド」という、買う側にとっても、売る側にとっても、大きな変革のチャンスを、みすみす逃してしまいかねません。

 ITベンダーは、もっと真摯になって、この「クラウド」を考えるべきです。そして、自らの責任を自覚すべきです。そして、その可能性と限界について、正直に伝えるべきです。

 しかし、ITペンダーの中には、「クラウド」を「新しい・・・」とか、「次世代の・・・」程度の形容詞としてしか使っていない。これでは、産地偽装といわれても仕方がない。お客様もその価値や魅力を感じないでしょう。

 先日、ある知り合いのITベンダーが、「自社のパッケージをクラウド型サービスで提供する」という記事が掲載されていました。

 当事者に「いままで提供していたASPサービスとどう変わるのですか?」と質問したら、「サーバーを仮想化したからクラウド」という答え。

 しかし、それによって、いったいサービスの中身がどう変わるのか。ユーザーは、どんな便益をこうむるのかと聞いてみると、どうもはっきりしない。結局は、自社サーバーの台数を減らし、運用コストを削減することが目的とのこと。使う側にしてみれば、何の変化もない。これを「クラウド」と称しているわけで、まさに「産地偽装」の詐欺行為みたいなものです。

 ここで質問です。

[質問1]仮想化とクラウドの違いについて、説明してください。
[質問2]SaaS、PaaS、IaaSの関係について、説明してください。
[質問3]クラウド、SOA、BPMの関係について説明してください。
[質問4]クラウドとオンプレミスを比較し、システム構築、アプリケーション開発、システム運用において、どのような違いがあるのでしょうか?
[質問5]マイクロソフトとグーグル両者のクラウド戦略の違いについて、説明してください。
 
 さて、いかがですか?あなたは答えられますか。

 この程度は、IT営業の常識です。もし、この答えが分らないのなら、「クラウド」を売るべきではありません。お客様は、「クラウド」の価値を享受できないでしょう。そして、お客様のIT戦略を誤らせてしまいます。

 回答は、次回・・・

 そうそう、我がITソリューション塾に参加されている皆さんなら、即答ですね(笑)!

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