2011年6月25日土曜日

「問題」で満足し「課題」を追求しない残念な営業たち

 「なにか、お困りのことはありませんか?」
 もし、あなたが、こんな質問をされたら、相手に、どう応えるでしょうか。
 
 「突然、そんなことを言われても・・・」、「いゃあ、特にないですね。」、「そんなこと言われても困るよ。」・・・
 
 そんな回答をするのが、精一杯ではないでしょうか。では、次のような質問は、どうでしょう。
 
 「御社の問題は、こういうところにあると考えています。ですから、このような取り組みをされるべきだと思います。」
 
 もし、私なら次のように回答するでしょう。
 
 「有難うございます。なるほど、よく分かりました。社内で十分に検討の上、後日、改めて連絡させていただきます。」と申し上げて、きっと何もしないでしょう(笑)。

 私にすれば、「御社の問題」と言われても、「なるほどなぁ」と思うかもしれませんが、それを解決しなければならないほどに、差し迫っているとは思えないのです。大人ですから、礼儀はわきまえています。しかし、こちらには、それを積極的に解決しようという意欲はありません。
 
 お客さまの課題を見つけ、その解決策を提案に結びつけるのが、営業の仕事です。ソリューションとは、お客さまの課題を解決することです。しかし、これでは、解決すべき課題を見つけることが出来ません。つまり、仕事になりません。
 
 では、どうすればいいのでしょうか。その答えは、普段私たちが、漠然と捉えている「問題」や「課題」という言葉の本当の意味を正確に理解することで解決します。
 
 「営業活動とは、「問題」を見つけることから始めます。そして、これをお客さまの「課題」に変えてゆく取り組みです。
 
 ますます分からなくなったかもしれませんね(笑)。では、この違いを考えてみましょう。きっと、この違いが理解できれば、前述のふたつの会話が、どれほど、お客さまの「課題」を見いだすには、ほど遠い質問であるかが、分かると思いますよ。
 
 まず、「問題」についてです。「問題」とは事実のことです。お客さまの情報を整理することで、お客さまの現状が明らかになります。その現状が、お客さまにとって将来のリスクであり、不利益をもたらすものであるとすれば、それが、お客さまの「問題」です。

 ただし、お客さまは、その「問題」に気付いているとは限りません。あるいは、気付いていても、問題の重要性やこれに対処する必要性を感じていないかもしれません。そこで私たちは、お客さまに代わり、お客様の事実を整理し、分析することで、そこにある「問題」を明らかにすることから始めます。

 アカウント・プラン作りをされている営業の方も、多いのではないでしょうか。アカウント・プランとは、このようなお客さまの事実をわかりやすく整理し、そこにある「問題」を探す活動です。しかし、それは、私たちが、勝手に「大変だ!」と思っているに過ぎないのです。お客さまも同じように「大変だ!」と思っていただかなければ、お客さまは、行動を起こすことはありません。

 もうおわかりですよね。そう、お客さまの「課題」とは、「お客様自身が『なんとかしなくては大変なことになる』と認識した事実=問題」なのです。
 
 「課題」とは、お客さまの『現状』と『こうありたいと望んでいること』との間にあるギャップです。つまり、お客さまが、そのギャップを埋めたいという意志がそこにある場合、「問題」は、「課題」となります。

 提案活動を始めるに当たり、事実としての「問題」を私たちが、知っているだけでは不十分です。また、お客さまに、その事実を伝えるだけでも意味がありません。それを解決したいというお客さまの意欲を引き出す必要があります。もし、お客さまに解決したいという意欲がなければ、貴方の提案がどんなにすばらしいものであっても、お客さまは、決して受け入れません。

 お客さまの課題を明確にする取り組みとは、お客様に、「将来のリスクや不利益を抱えているという事実」=「問題」を認識させ、それを、「この問題を解決したいという意欲」=「課題」に変えてゆく取り組みなのです。
 
 私たちは、この「問題」と「課題」の違いを、正しく理解しておくべきです。独りよがりの「問題」をお客さまに押しつけても、お客さまが、それを自分の「課題」として、受け入れない限り、ビジネスは前に進みません。
 
 今日のあなたは、とてもうまく説明できたかもしれません。「これで分からないなら、分からない方がおかしい」と思うかもしれません。確かに、あなたはうまく事実=問題を伝えることが出来たかもしれませんね。しかし、どうでしょう、お客さまに、その問題を解決したいという意欲=課題を引き出すところまで、お客さまと会話できたでしょうか。あなたは、そのことを確認しましたか?
 
 課題発掘とは、お客さまの問題を見つける活動ではありません。お客さまに解決したいという意欲を引き出す活動です。
 
 もうおわかりですよね。なぜ、最初のふたつの会話が、お客さまの「課題」を見いだすには、ほど遠いかを。
 
 ところで、「意欲を引き出す・・・」とは、どういうことでしょう?これについては、いずれまた。


 「ITで日本を元気に!」 このメッセージを東北の地から発信してゆくためにできることは何か。それは、ITビジネスに関わる私たちの営業力やビジネス開発力を高めてゆくことに他なりません。東北地域だけではなく、日本全国に、この地の優れた技術や人材を売り込む力を持つことができれば、その力によって、日本の元気を取り戻し、震災の復興にも寄与するはずです。

 この「緊急研修会」は、そんな趣旨のもと、トライポッドワークスの佐々木社長のご協力をいただき、ITビジネスに関わる皆さんの営業力とビジネス開発力を強化しようと開催されるものです。

 売り込みのための紐付き研修ではありません。ぜひ、地元の皆さんのご参加を期待しております。
 
 参加費は無料です。くわしくは、こちらをごらんください。


 Facebookで、コミュニティ・ページを開設しています。よろしければ、ご参加ください 

2011年6月18日土曜日

「OJT」というほったらかし、「育成」という名の押しつけ

 「最近の新人は○○○だ」と一般化して評する人も少なくありません。しかし、本当にそうなのでしょうか。自分の時代を考えてみると、大して変わらないようにも思えます。
 
 自分で考えて行動できない、保守化している、覇気がない・・・大人達は、自分たちの時代を懐かしみ、あたかもその時代こそが良かったのだと言わんばかりに、あえて、その違いを強調しているようにも思えてしまいます。
 
 また、そんな議論の中に、そういう若者達を世の中に送り出した自分たちの責任について語られることは少ないようです。
 
 ITソリューション塾をもう3年やっています。昨年2人の新入社員が、この塾の門をたたきました。なぜ参加したいのかと聞くと、「配属が決り、現場に出て、何も知らないことに愕然としました。このままでは、やっていけません。ぜひ、勉強させてください。」というものでした。
 
 もちろん、会社の正規の研修ではありません。ブログで見つけて、連絡してきたとのことですが、当然、参加費は、自腹です。それでも参加したいという若者もいるのです。
 
 このように志の高い若者もいる、そうでないものもいる。時代は変われど、いつの時代も、いろいろな若者がいるということには、かわりがないと思っています。
 
 もちろん、それぞれの時代の社会環境の違い、そこから生ずる若者の意識の違いまでも否定するつもりはありません。例えば、社会学者である山田昌弘氏の著「なぜ若者は保守化するのか」を読むと、なるほどとうなずけることも少なくありません。例えば、 
  • 産業のサービス化、IT化の流れの中で、複雑で知的な労働については正社員として雇用し、単純労働は非正規雇用者で賄う。結果として、正社員需要が減っている。
  • ITやサービスを主体とする知識型産業の富の源泉は、土地や工場などではなく、能力のある人間である。そうなると、土地のある地方であることの必然性は無くなり、効率の点から都会に人が集まり、富も集中する。結果として地方が衰退する。
  • 少ない正規雇用と都会への集中、産業の空洞化により、市場の成長も限られてきた。高度経済成長の時代は、努力すれば報われる「努力保証社会」であったが、努力の積み重ねても、収入や社会的地位に直結することはなく、努力をしても「バカらしい」という意識を生み出している。だから、成功は、「宝くじ」頼みであり、運を天にまかせるしかないというあきらめが生じている。
 そんな中で、自分の生活の安定を図らなければならず、結果として保守的な志向を持たざるを得ないというものです。
 
 確かに、このような社会的な背景から生まれる「若者意識」があることを否定するつもりはありません。しかし、だからといって、おしなべて、その平均を目の前にいる新入社員に押しつけて考える必要もないように思うのです。
 
 以前、「OJTというほったらかし」という記事を書きました。「我が社は、実践で人を育てる。」だから、OJTで十分という会社もあります。その志は、立派だと思います。しかし、実際のOJTの現場は、先輩社員が、部下を単なるアシスタントや雑用係として使っているだけであり、目標設定はなし、OJTリーダーに育成のノウハウもなければ、志もないのです。
 
 確かに、これで育つ若者もいるのですが、それはOJTの成果ではなく、「これじゃあ大変だ」という本人の危機感であり、自助努力でしかないのです。つまり、育つか育たないかは、本人任せのほったらかしなのです。言うなれば、運任せです。
 
 育たなければ、あいつには才能がなかったとか、仕事があっていなかったと自らの責任を棚上げにする。それをOJTといってはばからない大人の無神経を悲しく思います。
 
 また、山田氏の言うかつての「努力保証社会」では、お客さまに行けば仕事がもらえました。「靴底を減らして、なんぼの世界」だったわけで、今管理職の立場にいる人の中にも、それで成功した人も多いと思います。
 
 しかし、もはやそんな時代ではないのです。靴底を減らして、お客さまを足繁く回っても、仕事をもらえる時代ではありません。そんな今を見ようともせず過去の成功体験を、そのまま押しつける。それでは、うまくゆくわけはなく、若者達に「バカらしい」という意識を持たせてしまう。
 「バカらしい」と開き直るくらいならまだいいのですが、「自分は役に立たない。何をやってもダメだ・・・」、そう考えて、心を病んでしまう。こうなってしまうと、本当に不幸です。これは、本人の責任ばかりとも言えないように思います。
 
 では、どうするか。まずは、今の若者達と真剣に向かい合うことです。自分の成功が、今も通用するという思い込みを捨てることです。「こうすればいいんだ」と自分の主張を押しつけないことです。
 
 自慢できる成功も、恥ずかしい失敗も、全て素直にさらけ出すことです。そして、独りの人間として、部下の声に素直に耳を傾けることです。そうして、自分ならどうするかを、真摯に考えることです。
 
 その上で、自分は、どう思うかをしっかりと伝えることではないでしょうか。それは、決して、過去の成功の自慢話をすることではありません。「俺の若い頃はなぁ・・・」は、もはや過去の栄光に過ぎないことを自覚すべきです。
 
 「本質おいては一致し、行動においては自由に、全てにおいては信頼を」とは、ドラッカーの一節です。まさに、本質を部下と語り合い、一致する。後は信頼して、まかせておけばいいのです。そして、困ったことや助けを必要とするときが来たらすぐに行動するセーフティネットを提供する。そんな、心の準備をしておくことでしょう。
 
 自分で考えて行動できない若者が多くなったのではなく、このような現実を自分で考えて行動できない大人達が多くなったことの方が、むしろ問題なのでは・・・と考えてしまいます。


 「ITで日本を元気に!」 このメッセージを東北の地から発信してゆくためにできることは何か。それは、ITビジネスに関わる私たちの営業力やビジネス開発力を高めてゆくことに他なりません。東北地域だけではなく、日本全国に、この地の優れた技術や人材を売り込む力を持つことができれば、その力によって、日本の元気を取り戻し、震災の復興にも寄与するはずです。

 この「緊急研修会」は、そんな趣旨のもと、トライポッドワークスの佐々木社長のご協力をいただき、ITビジネスに関わる皆さんの営業力とビジネス開発力を強化しようと開催されるものです。

 売り込みのための紐付き研修ではありません。ぜひ、地元の皆さんのご参加を期待しております。
 
 参加費は無料です。くわしくは、こちらをごらんください。


 Facebookで、コミュニティ・ページを開設しています。よろしければ、ご参加ください 

2011年6月11日土曜日

オヤジの小言は伊達じゃない場合もある

 「お客さまの言われたことにすぐに反応すること。クイック・レスポンスを続けていれば、今度はお客さまから頼りにされるようになる。」

 IBMに入社して間もない頃ことだ。自分のやったことが全て裏目に出るような気がするし、仕事の要領も今ひとつつかめず、胃の痛い毎日を過ごしていた。何も楽しいことは無かった。朝は早いし、終電前に家に帰ることは無かった。

 そんなとき、当時の上司であった石川さんに、「このまま仕事を続けていけるでしょうか。私は、営業という仕事に向いていないんじゃないかと思うんです。」そんな弱音を吐いたときに、彼が言ってくれたひとことである。

 それが、切っ掛けとなったのか、そうではなかったのかは、正直言うと、今ではよく分からない。ただ、未だに、営業という仕事にこだわっていること、そして、30年近くも前の言葉を今でも覚えていることを思うと、自分の営業人生の地層になったことは、間違えないだろう。

 石川さんとは、以前、日本情報通信の副社長をされていた「石川忠久」さんだ。昨日、会食をさせていただいた折、そんな話題に及び、懐かしいやら照れくさいやらの楽しい時間を過ごさせていただいた。

 たとえどんなに核心を突いた内容であっても、それを伝える言葉や表現が、シンプルでなければ、人の心には、なかなか届かないものである。改めて、彼の言葉の価値をかみしめている。

 彼以外にも、私の仕事に大きな影響を与えた人物と言えば、我が先輩営業の小寺さんであろう。8年間同じお客さまを先輩後輩で一緒に担当させていただいた。

 彼もまた本質とシンプルにこだわった人物だ。

 彼の出社は、決まって昼前、帰りは終電後。彼の行動を今冷静に考えてみるとおかしな話である。

 しかし、新人、若造の私にはそんなことを考えている余裕などあるはずもない。帰りはどんなに遅くても、定時前に会社に出てくるのは当然と考えていた。自ずと寝不足の毎日。金曜日になるのが楽しみで、日曜日の夜は、「また、明日から仕事だぁ」と思うと、再び胃が痛くなる日々を送っていた。

 当時は、パワーポイントもなく、ワープロもまともな図形など描ける能力などない。そんな時代に、手書きで資料の構想をまとめ、ワープロで文字を清書し、それを切り貼りし、鉛筆で図を描き込む。コピーをすると貼り合わせたところが目立つので、その部分をメンディング・テープで覆う・・・もう、大変な作業だった。

 「これでいいでしょうか」と、彼にもって行くと、資料をさっさとめくり、おもむろに赤ペン取り出す。そして、苦労をして作り上げた資料に、その赤ペンで、どんどんと修正を入れてゆく。そして、「こんなんじゃあだめだぁ・・・」と言って、真っ赤に書き込まれた資料を、びりっと破いてしまう。鬼だと思った(笑)。
 
 わかりやすさは、本質とシンプルである。彼には、そんな一貫した基準があったようだ。おかげて、徹底的に鍛えられた。今では、私は、それを生業にしている(笑)。
 
 以前、ある人に言われたことがある。「資料の美しさにこだわっても、意味がない。問題は中身だよ。」。ほんとうにそうだろうか。たとえその中身が、どんなにすばらしいものであったとしても、それが相手に伝わらなければ、独りよがりだ。相手に伝わってこそ、中身は、価値を持つことになる。

 資料を美しくしようとしているわけではない。どう表現すれば、相手に伝わるだろうか。そう思えば思うほど、内容は核心に迫り、本質だけが残る。それが絵になって残る。すると結果は、美しくなっている。それだけのことだ。
 
 独りでできる仕事などない。常に相手がいる。お客さまがいる。仲間がいる。本質とシンプルは、そういう人とのコミュニケーションを円滑に進めてゆく手段である。仕事は、はかどり効率がいい。結果として、成果も上がる。
 
 先輩達からの教えを改めて思い返せば、そういうことだったのだろうと思う。
 
 胃の痛い毎日を送っていた私も、今では新入社員を相手に営業研修の講師をさせていだくようになった。そんな私が、よく言う言葉がある。

 「"伝えた"という自分の満足ではなく、"伝わった"という相手の真実を大切にしてください。」と。
 
 時代は変わるが、仕事の本質は、今も昔も変わらない。改めて、先輩達の教えてくれた本質をありがたく思っている。



 「ITで日本を元気に!」 このメッセージを東北の地から発信してゆくためにできることは何か。それは、ITビジネスに関わる私たちの営業力やビジネス開発力を高めてゆくことに他なりません。東北地域だけではなく、日本全国に、この地の優れた技術や人材を売り込む力を持つことができれば、その力によって、日本の元気を取り戻し、震災の復興にも寄与するはずです。

 この「緊急研修会」は、そんな趣旨のもと、トライポッドワークスの佐々木社長のご協力をいただき、ITビジネスに関わる皆さんの営業力とビジネス開発力を強化しようと開催されるものです。

 売り込みのための紐付き研修ではありません。ぜひ、地元の皆さんのご参加を期待しております。
 
 参加費は無料です。くわしくは、こちらをごらんください。

2011年6月4日土曜日

あなたは、3年後に必要な存在ですか?

 最近、新入社員研修で、こんなことを話している。 
  • 法人ビジネスの営業は、英語でSalesとは、言いません。ただの販売員ではないんです。Sales Representativeといって、会社の代表として取引に責任を持つ人という意味があるんです。
  • 営業活動とはお客さまの困ったを解決するプロデューサー
  • どんな仕事にも、手順やプロセスがある。営業活動にも、営業活動プロセスがある。それは・・・
  • クラウドとは、歴史を振り返れば、きちっとした必然性がある。歴史や法則が分かれば、未来が予測できる
  • 暗記の勉強は卒業しなさい。言葉を知っていることと理解していることは違う。説明できなければ知っているとは言えない。これから必要なのは、わかりやすく説明できるという知識。
  • 伝えるべきは伝えたという傲慢は捨てなさい。相手に伝わったという真実を確認してこそ、コミュニケーションは成立する
  • 君たちは、今はタダメシを食らっている。いつまでもそれでいいのか。大人として恥ずかしいとは思わないのか。はやく、この屈辱から脱したいなら、寸暇を惜しんで勉強しなさい!
  •  ・・・ 
 などなど、小言オヤジの自覚を持ち、くどいと思われようが、ぐりぐりとやっている(笑)。たまには、眠り姫もいるが、まあ、総じて目を輝かしている。
 
 自分たちが何も知らない未熟者であるという自覚を持っている彼らにとっては、ひとつひとつが新鮮であり、どんどんと吸い込まれてゆく。まあ、中には吸い込みすぎて、確認テストの成績が、いまひとつというものもいるが、実践の現場で痛い目にあったときに、どこかで思い出してくれればいいと思っている。
 
 さて、翻って、私たち大人達はどうなのだろう。もちろん新人達と立ち位置や目線は違うものの、いったい何を知っているのだろうか。何ができるのだろうか。
 
 お客さまの経営や業務、社会やITのトレンドは、日々に移りゆく。今まで常識と思っていたことが、あっという間に非常識になっている。気がつけば知らないことだらけだ。そんな自分の無知を恥ずかしいと思う。こんなことを言うと、「勉強することが多すぎて・・・」という言訳をよく聞くが、だからこそ、勉強しなければと思うべきだろう。
 
 本や研修に出るばかりが勉強ではない。お客さまの「困った」を一覧表にまとめてみる。自分たちの強みを整理してみる。気付いたことや考えたことを書き留め、文章や絵にしてみる・・・さまざまな勉強の方法があるだろう。
 
 なぜそんなことが必要なのか。答えは明快だ。「タダメシを食う存在にならないため」である。言い換えれば、「お客さまにとって、会社にとって、いてもらわなくてはならない存在になるため」だ。
 
 先日、1000人規模のITベンダーで、経営幹部をされている方と会食を共にした。その会社で、リストラをしたそうである。我慢に我慢をしてきたのだが、このままでは、この先、厳しい状況に追い込まれる。余裕があるうちにということで、苦渋の決断をされたそうである。
 
 そのとき、だれを退職させるかを評価するに当たり、次のような3つのランクをもうけたそうだ。
 (1)3年後にこの会社にいてもらわないと困る人。
 (2)今いてもらわないと困る人。
 (3)今も代替がきき、3年後に期待できないひと。
 
 当然のことながら、(3)の方が対象になったそうだ。その数、2割ほどになったという。結局、1割ほどの方に退職をいただくことになったそうだ。
 
 IT業界は、もはやかつてのような成長産業ではない。成熟産業である。一見、新しい技術やビジネスが生まれてきているように見えるが、その一方で、もはやコモディティ化した技術やサービスは、その需要を減らし、オフショア化も進んでいる。先日、ITサービス産業に関する統計を見ていたのだが、明らかに国内市場は、供給過剰であり、限られた需要の奪い合いになっている。
 
 このような変化のただ中にあって、過去の常識など通用するはずはない。
 
 勢いや気合いだけでは、この変化に立ち向かうことはできないだろう。智恵が必要なのだ。それは、与えられるものではない。苦しんで、考えて、どうしようもなくなって、まいった・・・と思ったとき、きっと天が与えてくれるのであろう。
 
 現状の生産性やサービスの改善に取り組むことは、とても大切なことである。それなくして、今を生き延びることはできない。しかし、その現状が、大きく変わろうとしている。その変化を自分なりに読み解き、対処してゆく努力を併せて行なわなければ、3年後は、もはやその現状は、存在しないかもしれないのだ。
 
 先日、仙台に拠点を構えるトライポッドワークスの佐々木社長の話を聞く機会があった。彼は、震災後、甚大な被害を被った陸前高田で毎週のようにボランティア活動をされている。「ITで、日本を元気に」をテーマに、現地からの情報発信や住民サービスのためのIT環境整備のためにご尽力されている。
 
 彼が、こんなことを話されていた。「この震災で、変化のスピードが速まったようです。」
 
 まったく同感である。震災は、その直接的被害ばかりでなく、人々の心にも大きな変化を与えている。これまで、うやむやにせき止められていた変化の流れが、復興というより大きな流れの中で、一気に堰を切り、流れ出そうとしている。
 
 東北のIT産業の規模は、全国の1.8%だそうである。そういう流れだったのである。この震災は、ますます東北地域の需要を冷え込ませてしまうだろう。
 
 この変化は、日本全体の市場の縮図でもある。海外重視の動きは、業種を問わず大きな流れとなっている。今、この変化の意味と対策を考えなくて、どうするというのだろうか。
 
 「3年後に必要な存在」とは、そういうことに対応できる気力と知恵を持つ人たちなのだろうと思う。私も、是非そのひとりに加わっていたいと思う。

■ 緊急研修会:東北から全国へ
■ 実践!ITソリューション・ビジネス開発力・養成講座
■ ------------7月11日(月)@仙台

 「ITで日本を元気に!」 このメッセージを東北の地から発信してゆくためにできることは何か。それは、ITビジネスに関わる私たちの営業力やビジネス開発力を高めてゆくことに他なりません。東北地域だけではなく、日本全国に、この地の優れた技術や人材を売り込む力を持つことができれば、その力によって、日本の元気を取り戻し、震災の復興にも寄与するはずです。

 この「緊急研修会」は、そんな趣旨のもと、トライポッドワークスの佐々木社長のご協力をいただき、ITビジネスに関わる皆さんの営業力とビジネス開発力を強化しようと開催されるものです。
 
 参加費は無料です。改めて、facebook等でご案内させていただきます。

2011年5月28日土曜日

残念な営業を変えることができる・・・かもしれない

 「いつも、遅くまで働いて・・・がんばってくれているんだが・・・」
 
 あるSI事業者の営業本部長がため息混じりに、こんな話しをしてくれました。
 
 「動き回っていることは分かるんだが、いっこうに成果を上げることができないんですよ。どうすればいいものでしょうかね。私から見れば、ただ、お客さまへのアポイントをこなしているだけにしか見えないんです。実際のお客さまとの関わりを見ていないので、何とも言えないのですが、どうも、手持ちの製品の話しをしてくるだけのようで、うちの持っているリソースやサービスを紹介しているようには思えない。突っ込んで、お客さまの困っていることや望んでいることを引きだそうということに関心がないようなんです。」
 
 「いろいろ話を聞いたり、こうしてはどうかという話しをしても、自分は一生懸命やっている、タイミングが悪い、扱っている商材が悪い、だからダメなんだと不平を言い、最後は、かならず、自分の努力も足りないんで、いろいろと考えてやってみますとうまくまとめてしまう。でも、行動がまったく変化しないんです。この繰り返しなんですよ。」
 
 その営業さんは、けっして新人ではありません。他の会社でも営業として経験した40代前半のベテランです。私は、営業から外れていだくしかないのではと進言すると・・・
 
 「かれを営業から外すと、あてはめ先が、ないんですよ・・・」
 
 本人は、まったくそんなことに関心がないように見えます。自分だけの世界を作り、周りと関わることを避けているようにも見えます。なぜ、社内のリソースを使わないのかと聞くと、社内は融通が利かなくて、こちらの思うように動いてくれない、面倒なので使えないという返事が返ってきました。
 
 このような残念な人は、どこの会社にも一定の割合では、いるようです。
 
 こういう人に共通していることは、自分は頑張っているとほんとうに信じて疑わず、うまくゆかないのは、自分以外に原因があり、仕方がないのだと考えていることです。自分の考えは正しく、世の中が間違っていると考える。そして、あのひとの考え方がおかしいと自分の正当性を主張する。その話しは確信に満ち、雄弁で説得力があるのです。そして、必ず、自分が至らないことも言葉の上では認め、改善を約束する。しかし、結局は、何も変えようとしないのです。
 
 センスがない、感性がないと言ってしまえば、まさにその通りだと思います。しかし、そういう人が、企業には、必ず一定の割合でいる以上、経営者は、何らかの手を打たなければならないのです。それは、その本人の問題と言うよりも、部下や周りへの悪影響を減らすという意味においても、何とかしなければならないのです。
 
 しかし、だからといって、「感性を磨け!」、「営業というのはなぁ・・・!」と説教をしても、こういう人には、絶対に通じません。その場をうまく治める才覚には長けているので、殊勝に話を聞き、なんだか分かってくれたような安心感を漂わせてはくれるので、こちらも一息つくのですが、心の耳を閉ざしている人には、何も届かないのです。きっと、こういう人は、酒席で、「あの人は、なにもわかっちゃいないんだよ」と周りに愚痴をこぼしているに違いありません。
 
 では、どすればいいのでしょうか。残念ながら、本人の考えを、周りからとやかく言っても変えさせることはできないでしょう。人間を内側から変えることができない以上、それはかたちから矯正するしかないように思います。武道で言えば、「型」を徹底することです。その過程で、気付きがうまれ、「型」が習慣化できれば、結果として、考え方も変わってくる。そういうことを期待するしかないように思います。
 
 守破離という言葉があります。千利休が残した茶道の心得です。

    規矩作法  守り尽くして 破るとも  離るるとても 本ぞ忘るな
 
 「」とは先人の築き上げた「型」を守ることです。そこには、先人が苦労して成し遂げた経験が、織り込まれています。まずは、これを徹底してまねることで、先人の知恵を自分のものとして会得するのです。
 この「型」を徹底的に守り通した上で、これをあえて破ってみる。自分ならではの工夫で、試してみる段階、それを「」といいます。本来を知りつつ、自分なりにそのやり方をあえて破ることで、自分ならではの「型」を求める段階と言えるでしょう。
 そして、それを他にも伝えられるほどに洗練させることができたならば、そこには、今までにはない「型」が生まれてくるのです。この段階を「」といいます。
 
 残念な人に、守破離の全てを期待しても難しいかもしれません。しかし、まずは、「守」を徹底させることで、チャンスを与えるべきなのではないかと思うのです。気付きの機会を与え、自ら変わろうとする気持ちを引き出す。それが、「型」を守らせることなのです。

 また、これは、その本人のためというだけではなく、その部下や周りの人を、残念な人の影響力から隔離する手段ともなります。つまり、残念な人の「型」に拘束されることなく、本来の「型」に接することができれば、心ある人は、自ら次の段階へと向かい始めるのではないでしょうか。そのチャンスを与えることは、会社にとっても大きな意義があります。
 
 営業という仕事における「型」のことを私は、「営業活動プロセス」と称しています。
 
 私は職人芸の域に達した営業を何人も見てきました。そういう人たちは、どなたも個性豊かで、決して人にはまねのできないような、動きをします。残念ながら、その奥義(?)は、本人でも説明不可能であり、まねることなど、容易なことではありません。
 
 しかし、そういう人たちの行動を見ていると、かならず共通の行動パターンが存在することに気付きます。
 例えば、初めてのお客さまに訪問するとき、可能な限り徹底的に情報を集め、お客さまの仕事や関心がどこにあるのかを探り、仮説を用意してお客さまとの対面に望んでいます。
 また、何らかの意志決定を迫るとき、その意志決定者だけではなく、だれがその意志決定に影響を与える人なのか、だれが承認してくれる人なのかを組織図だけでは見えない人と人との力の関係を探り、丁寧に関係者を説得して回っています。
 当たり前と言われれば、その通りなのですが、こういう当たり前をしっかりとこなしているからこそ、彼らは優秀なのだと思います。
 
 そんな彼らの当たり前の行動を分析的に洗い出し、描き出してみる。そして、時間軸に沿って整理してみる、つまり、仕事の手順として、並べてみたものが、「営業活動プロセス」なのです。私は、これを28のプロセスに整理してみました。もちろん、取り扱う商材やお客さま、社内用語の違いはありますので、それぞれに合わせて手直しはすべきですが、いざやってみると、大きな流れに違いはないようです。
 
 こういうもの作り、それに従って行動させる。実際には、チェックリストとして、案件やお客さま毎に自分の活動を評価させるのですが、それをマネージメントは、営業会議の中で、必ず確認するのです。もはや文学的表現で言い逃れすることはできません。やったかやらないかのチェックを確認するわけですから、弁解の余地はありません。
 
 抵抗はあります。でも、マネージャーは、それをこらえて、とにかくしばらく続けてみるのです。成果は、必ず出てくきます。
 
 残念な人が抵抗しても、その人以外の周りがそれを守り、行動が変わってくれば、もはや本人も言訳はできなくなります。それで、自分も、この型を守ってみようと心変わりしてくれれば、儲けものです。仮にダメだとしても、その残念な人以外は、次の段階へと進む準備ができてゆきます。会社としては、全体として、底上げができるはずです。
 
 そんな積み重ねの中で、誰かが「破」となり、そして、「離」となる。新しい営業の文化を築き上げてくれるかもしれません。
 
 「何でそんなことができないんだ!」と怒鳴ってみても、血圧を上げるだけで、売上は上がりません。まずは、「型」を示すことです。これに従わせて、チャンスを与えてみてはどうでしょう。
 
 何もしないよりは、きっとなにかが見えてくるように思うのですが、いかがでしょうか。


 Facebookで、コミュニティ・ページを解説しています。よろしければ、ご参加ください 

2011年5月21日土曜日

「アウトプット思考」のすすめ

 「うちも、そろそろクラウドのことを真剣に検討してみようかと思うんだよ。」

 お客さまである情報システム部長から、こんな話しがあったなら、あなたは、どのように答えるだろうか。
 
 まずその前に、情報システム部長は、何を「クラウド」と言っているのだろうか。仮想化のことだろうか、それともデータセンターにシステムを預けて、ネットワーク越しにシステムを利用すること。いや、salesforce.comのようなアプリケーション・サービスを利用するというのだろうか。
 そもそも、「クラウド」とは、なんだろう。既存のシステムを仮想化し、集約すれば、それで「クラウド」になるのだろうか。データセンターにシステムを預けて利用するホスティングとは、何が違うのだろう。
 
 いやいや、それ以前に、なんのために「クラウド」を検討したいのだろう。コスト削減のため、BCP対応のため、人手不足への対応・・・では、「クラウド」を使えば、その目的は、達成できるのだろうか・・・
 
 「マシンが多すぎて、今使っているデータセンターでは、入りきらなくなっているんだけど、仮想化すれば、どうにかなるだろうか。」
 
 システム運用担当の部長から、こんな相談を持ちかけられた。貴方なら、どんな提案ができるだろうか。
 
 ところで、部長は、「仮想化」といっているのだが、何を「仮想化」すれば、マシンを減らすことができると考えているのだろう。「仮想化」と言えば、当然サーバーのことなのだろうが、この会社では、圧倒的にストレージの数が多い。サーバーを「仮想化」し集約しても、限界がある。とすれば、ストレージはどうすればいいのだろう。ストレージの仮想化も当然考えるべきだろうが、容量を減らすことは容易ではない。なにかいい方法が・・・そういえば、シンプロビジョニングという話を聞いたことがある。それが使えるのだろうか。
 
 ところで、ネットワーク接続はどうなるのだろう。サーバーも目的によって異な
るネットワーク構成の中で運用されているが、それに対応するためには、どうすれば・・・
 
 そもそも、サーバーを仮想化するにしても、Hyper-Vなのか、Xen Server、それともvmware・・・それぞれの違いは?どれが、このお客さまに最適なのだろう。
 
 営業である貴方は、お客さまのこんな「ささやか」な疑問に、応えられるだろうか。それ以前に、お客さまの言っている「クラウド」や「仮想化」とはなにかを理解しているだろうか。これが、理解できていなければ、お客さまの言っていることが、理解できないも同じである。たとえ、「クラウド」や「仮想化」という言葉は知ってはいても、それが、どのような関係にあるのか、分かっていなければ、お客さまに適切な質問などできるはずがない。

 話は変わるが、今年の年初、日本IBMの社長が、「今年はメインフレームにフォーカスする」と宣言した。いったいこれは、どういうことなのだろう。レガシーマイグレーションが、喧伝される中で、いまさら、そんな古くさいメインフレームなどで、ビジネスを牽引することができるのだろうか。日本IBMもついに売るものがなくなって、悪あがきしているだけなのだろうか。
 
 しかし、現実を見てみると、米国でのメインフレームの売れ行きは好調で、米IBMの第4四半期実績でも前年同期比69%増という実績に達している。これは、いったいどういうことなのだろう。
 
 世の中は、大きく動いている。特にIT業界の動きは、実にスピードが速い・・・というが、本当にそうなのだろうか。
 
 世の中には、様々な動きがある。その全てを追いかけることなどで、できるはずはない。しかし、その根底にある大きな流れ、つまり、トレンドというものは、それほど急激に変化しているわけではなく、比較的緩やかに流れている。表面に見える変化、つまり、新製品や新技術といわれるものも、そんなトレンドの変化から、かけ離れてしまうと、決して普及はしない。そんな目線で、表面に出てくる話を聞いていると、それが、決して、突拍子もないものでないことが分かる。
 
 IBMが、「今年はメインフレームにフォーカスする」と聞いて、「なるほど。妥当な話しですね。」と、私は納得した。そして、その方法も自ずと想像がついた。
 
 「そんなことが、どうして理解できるんですか?」と質問されることがある。もちろん、私が、IT業界の全ての事情に精通しているわけではない、世の中の情報の全てを知りうるなど、そんなことなどできるわけがない。それでも、ある程度の常識は、心得ているつもりでいる。

 それを可能にする手段が、「アウトプット思考」である。一言で言えば、「書いてみる、描いてみる」ことで考えるということだ。
 
  例えば、「今、我国のSI事業者は、どんな課題を抱えているのだろうか」と疑問を持ったとしよう。私は、それをノートに殴り書きしながら、頭の中を整理する。分からなければ、ネットで検索して、人の意見を参考にすることも多い。そして、書き上げたのが、この一枚のメモである。

  
 チャートができあがったとき、この芸術的作品に、私は、大いに感動した。「これだよ、これだよ・・・こういうことなんだ!」と。しかし、多分、これを他の人が見ても、何が何だか分からないだろう。そこで、これをパワーポイントで清書したのが、次のチャートだ。
 

 清書をする過程で、またいろいろな気付きがある。「なるほど、こういう単語を使った方が、わかりやすいな。」、「配色は、こちらの方がいいかもしれないなぁ」・・・つまり、自分以外の他人に分かってもらうためには、どうすればいいだろうかを、徹底的に考えるわけである。それで、できあがったのがこのチャートだ。
 
 (1)疑問を持つ
 (2)調べたり考えたりしたことを、とにかく描き出してみる
 (3)自分以外の人に分かってもらえるためには、どう表現すればいいかを試行錯誤しながら、清書する。
 
 これが、「アウトプット思考」だ。
 
 特に、「自分以外の人に分かってもらう」ということを意識して欲しい。自分が分かったつもりでも、自分の考えを他人に正しく伝えられなければ、ビジネスの世界では、なんの役にも立たない。他人に伝えるためには、どうすればいいかを追求することで、ものごとの構造や本質に気付くことも多い。
 
 ちまたには、情報が氾濫している。そんな情報の氾濫の中でも、「えっ、どうして?」、「これはいったいどういうことだろう」と思うことに出会う。そんなときに、この「アウトプット思考」を試みてみる。すると、疑問に思ったそのことが理解できるだけではない。「なるぼど、こういうところにつながっているのか」とか、「なるほど、こういう構造が隠れていたんだ」と気付かされることも多い。
 
 そういう繰り返しが、自分の常識を養ってくれるのだろうと思っている。
 
 新入社員研修で、「どうすれば、こんなことが分かるようになるんですか?」と質問されることがある。そういうときには、迷わず「アウトプット思考」をお勧めしている。是非、お試しあれ。
 

 Facebookで、これ一枚シリーズを公開しています。私が疑問に思ったITに関わる様々なキーワードを自分の理解のために「アウトプット思考」した結果です。もし、「なるほど」とご理解いただければ、私は理解できていると言うことでしょう(笑)。ぜひ、そんな私の知的訓練にご協力いただければ幸いですww・・・

*お知らせ*

 ご案内させていただきました「ITソリューション塾」は、おかげさまで、定員に達しました。有難うございました。いつものように志の高い皆さんにお集まりいただき、こちらも身の引き締まる思いです。徹底した「アウトプット思考」で、私もしっかり勉強させていだこうと思っています(笑)。
 
 次回は、9月の開催を予定しています。改めてご案内いたしますので、その折にはご検討ください。 

2011年5月14日土曜日

震災で試される営業の力量

 「震災特需なんてとんでもない。いいことなんか、何もありませんでした。」
 
 5月9に開催された「緊急営業会議:3.11以降のITビジネスと営業の役割」で、新潟を中心にビジネスを展開している丸新システムズの副社長・熊倉さんが、こんな発言されていました。熊倉さんは、2004年の中越地震、2007年中越沖地震を経験されています。
 
 「中越沖地震の時は、直下型の地震であり、家屋の倒壊被害が顕著でした。1年間はビジネスは全くないと考えていました。特に中小のお客さまが多く、資金繰りに苦しみ、倒産したお客さまも少なくありません。IT において震災特需は有り得ないと考えるべきです。特に製造業は案件の消失が多く、震災によってもたらされる良いことはひとつまありませんでした。BCP、DRの話もでましたが、実際にはビジネスへと具体化したことは少なく、お客さま自身も何をすれば良いかわからない状態だったんです。」
 
 熊倉さんは、このような状況の中で、お客さまにITの話しなど聞いている余裕はないこと、そんなお客さまの気持ちを逆なでするようなことをやるべきではないと言うことも、話されていました。真剣にお客さまの困ったことに向き合い、自分たちにできることはなにかを考えることが、営業の役割であると話されていました。
 
 この「緊急営業会議:3.11以降のITビジネスと営業の役割」には、会社の垣根を越えて、150人の営業関係者が集まりました。普段は、ライバル同士の営業ですが、「お客さまの“困った”を解決する」という役割においては、同士と言えるかもしれません。そういう皆さんが、今お客さまはどうなっているのか、自分たちに何ができるのだろうかを考えようと、この会議は開かれました。
 
 告知してひと月もありませんでしたが、これだけの多くの方が、お集まりいただいたことを、私は真摯に受け止めています。
 
 日本情報通信の三宅さんから、こんなご発言がありました。
 
 「ホスティング・サービスを提供しているデータセンターが、計画停電の対象地域でした。しかし、お客さまのシステムを止めるわけにはゆきません。そこで、自家発電のための重油は大丈夫か、その際の対応はどうなっているのかを委託している管理会社と確認し、対応のために走り回りました。私たちの仕事は、「お客様の困った」を解決することです。改めてITの範囲を超えたことにも、自分にできることはなにかを考えなければいけないと痛感しました。」
 
 私は、このお二人の話を伺い、改めて営業の果たすべき役割について、気付かされました。つまり、私たち営業は、「お客さまの困った」を解決するプロデューサーなのです。

 お客さまの困ったをITだけで解決することはできません。ITは、その手段の一部に過ぎないのです。お客さまは、IT製品やサービスを買いたいわけではありません。お客さまは、自分の困ったを解決し、こうしたいを実現したいのです。そして、それが満たされるのであれば、必要な対価を支払っていただけるのです。
 
 BCPやDRを売り込むことなど不謹慎だと言いたいわけではありません。まず、そのような商材以前にお客さまのこまったに真剣に向き合い、それを解決するためには、何をすべきかを真剣に考えることが、まずは、営業のとるべき態度なのだろうと思います。その上で、ITに何ができるかを考えるべきなのです。

 私たちは、ITの専門家なのですから、ITをうまく活用し、効果的にお客さまの困ったを解決するための方策をガイドすべきなのです。それがお客さまの期待であり、営業の役割なのだと思います。

 お客さまの話を伺い、それを整理し、最適な解決策を提案する。営業は、そのために、たくさんの引き出しを持っていなくてはなりません。その勉強を怠っては、ならないと思います。
 
 「ソリューション営業」という言葉があります。これを言い換えれば、「お客さまの困ったに真摯に向き合い、その解決に全力を尽くす営業」ということかもしれません。
 
 今、私たちは、その力量を試されています。この緊急営業会議での皆さんの意見を伺いながら、改めて、営業の役割について、考えることができました。
 

[会議の映像]この映像は、新日鉄ソリューションズ様のご協力により、同社クラウド・サービスである absonne より提供しております。また、映像は、V-CUBE様のWeb会議システムを使わせていただき、編集にもご協力いただきました。

[議事録]緊急営業会議の議事録(PDF)を公開いたしました。日本情報通信の千住さんにより、この議事をまとめていただきました。

[メディアでの紹介]


ささやかながら、下記の右下にもリンクを掲載いただきました。

この緊急営業会議に関するFacebookページも開設しています。よろしければ、「いいね!」をクリックして、ご参加ください。

このように、多くの皆様のご協力により緊急営業会議は開催されました。改めて皆様に感謝申し上げま。この機会を多くの皆様と共有できればと切に願っております。よろしければ、このブログをご覧の皆様にもご協力いただき、この取り組みを、ご紹介いただければ幸いです。

■ 既にご案内のITソリューション塾、多くの皆様のお申し込みをいただき、有難うございます。まだ若干名の余裕がございます。どうぞ、ご検討の方は、早々のご連絡を御願いいたします。