2011年2月26日土曜日
競合に対処する3つの方法
2011年2月20日日曜日
貴方の身近にもいるガラパゴス営業たち
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2011年2月11日金曜日
出入り禁止にしたい営業の3条件
「うちの会社には、毎日のようにソリューション・ベンダーの営業の方がお越しになり、自分たちのサービスや製品を紹介してくれるんです。それはありがたいことなのですが、でも、こちらが何を必要としているか、どのようなことで困っているかなどの質問なしに、“我が社の商品は・・・”と話し始める人がほとんどです。どうすればいいでしょうか?」
以前、Twitterでこんな質問を頂戴したことがあります。彼女は、ある大手企業の情報システム部門の方のようでした。このような質問を頂いて、どう答えていいのか、大いに困りました。そこで仕方なく、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません・・・」と返信したことを覚えています。まあ、私が申し訳ないことをしたわけではないのですが、自分もこんなことをしていないだろうかという後ろめたさ、そして、すぐに答えが見いだせない未熟さに、ついついこんな返信をしてしまいました。
そして、しばらくして、意を決して、次のような返信をしました。
「自分たちの状況や今必要としていること、困っていることを3ページ程度の資料にまとめ、いつもそれを更新しておくというのはどうでしょう。そして、このような営業さんが来たら、“すみません!10分だけ、先に話をさせていただけませんか。まずは、うちの事情を紹介しますので。その上で、お話しいただけないでしょうか?”と言ってみてはどうでしょう。こうしておけば、常に自分たちの状況も整理しておけるし、相手にも効率よく事情を伝えられるし、一石二鳥ですよ。」
これは、どう考えてもおかしなはなしです。そうは思いませんか?なんとも納得がゆきません。わたしなら、このような営業さんは、即座に出入り禁止・・・まあ、そこまではいかなくても、初回は大人の対応でつきあって、次回からはお断りとしたいところですね。
いったいどこが悪いんですか・・・と首をかしげているようでは、情けない話です・・・ということで、「私なら、こんな営業は、出入り禁止だ!」の条件を考えてみました。
1.自分のことばかり話して、こちらのことをいっこうに引き出そうとしない営業
お客さまは、貴方の会社や貴方の会社の商品やサービスに興味があるわけではありません。自分の「困った」を解決して欲しい、「こんなことをやりたい」を助けて欲しいのです。商品やサービスは手段に過ぎません。それを理解せず、あるいは、こちらの勝手な思い込みで、自分たちのできることばかりを説明し、お客さまの事情もお構いなしに「いかがでしょうか?」と聞かれても、応えようがありません。
また、お客さま自身が、自分の「困った」に気付いていないこともよくある話です。現状が整理できていない、あるいは、潜在的な課題に気付いていないこともあります。また、新しい法律や制度の改正、トレンドの変化が、お客さまの業種業態、業務にどのような変化を求めてくるのかを理解できていない場合もあるでしょう。そのことに気付かせてもあげず、自分達の自慢話をしても、相手にはなんのことやら分かりません。
どちらにしても、お客さまが必要性を感じ、自分の課題を解決したいという意欲を持たなければ、どんなすばらしいものであっても、「余計なお世話」であることに代わりがありません。お客さまにどのような課題があり、何を期待しているかを引き出し、それに応えてこそ、お互いの利害は一致します。
唐突に、しかもたっぷりと時間をかけて自己紹介をし、如何に自分はすばらしいかを蕩々と語り、「私は、貴方とおつきあいしたい、いやおつきあいすべきです。そうすれば、あなたは幸せになりますよ。」とたたみかける人と、私は、おつきあいしたいとは思いません。
ちゃんとこちらの話を聞いてくれる、いや、もう一歩踏み込んで、こちらの状況を引き出し、自分に代って整理整頓し、ならば、こういうやり方ではいかがでしょうと選択肢を示してくれる。ありがたいですね、このような存在は・・・そういう相手の話は、真剣に聞き入ってしまいます。
それができない営業は、自分にとって役に立たない存在です。時間の無駄ですから、出入り禁止にさせていだきます。
2.機能や性能のはなしばかりして、思想や目的を語らない営業
製品やサービスは、その前提となる業務プロセスがあって、そこに生ずる課題の解決や、今までできなかったことをできるようにしようと開発されたものです。当然、そこには、何らかの想定されるプロセス・モデルがあり、目的や思想があるはずです。
そのプロセス・モデルや思想、目的が、お客さまのそれと一致している、あるいは、近いものでなければ、それを使っても、なかなか効果を上げることはできないはずです。そのことに関心を示すことなく、我が商品は、他社にはない優れた機能や性能を持っていると語られても、「それで、いったいうちにとっては、どれほどの役に立つの?」と、考え込んでしまいます。
例えばパッケージ・ソフトウェアの場合、そこのあたりを曖昧なままに、システムを導入する。当然、ギャップがありますから、そこを埋めようと、カスタマイズで何とかその場はつじつまを合わせて、使ってもらう。しかし、そもそもの思想や目的、プロセス・モデルが違うわけですから、使い込めば使い込むほどに、あるいはパッケージのバージョンアップが進むほどに、そのギャップは拡大し、カスタマイズもどんどん増えてゆきます。そのうちもはやカスタマイズもできないほどに開きが出てしまう。そういう塩漬けシステムを世間ではよく見かけます。
プロセス・モデルや思想、目的を正しく理解すれば、それに業務を合わせることもできない話ではありません。あるいは、その範囲でシステムを使おうとするはずです。
お客さまは、何でもできる、世界最高、最も安い・・・を求めているわけではありません。自分の業務の課題を解決できるかどうかです。これに応えるためには、機能や性能を訴えるのではなく、目的や思想を語り、お客さまの業務プロセスとの親和性を探る必要があります。そこに合意できない製品は、どんなに優れたものでも、余計なお世話なのです。
自分の商品やサービスの前提となるプロセス・モデルや思想、目的を熟知せず、ただ、表面的な機能や性能しか語れない営業の口車に乗ると、将来大きな不幸に遭遇するかもしれません。こんなやっかいな存在は、出入り禁止にさせていだきます。
3.すぐに自分たちの製品やサービスについて説明したがる営業
こちらの話しを聞いてくれる、あるいは、質問もしてくれる。なかなか良さそう・・・と思っていると「ならば、こういう商品は、いかがでしょうか。」とすぐに切り出す営業がいます。ちょっと待ってくださいよと申し上げたい。そんなに簡単に、結論を出せるのでしょうか。これはもう、いい人と思わせるためのパフォーマンスとしての質問であり、本当は、そんなことはどうでも良くて、答えを最初から決めているとしか思えません。こう言う営業は、自分の成績しか頭にないのです。
まともな営業ならば、「なるほど、そういうことでお困りなんですね。確かに、うちの商品は使えるかもしれませんが、ちょっと考えさせてください。今日聞かせて頂いたことを整理し、どう対処すればいいか、検討してみます。一週間ほどお時間を頂きたいのですが、いかがでしょう?」と言うでしょう。もし、その必要はないとお客さまが、おっしゃるのならば、もはや相手に関心はなく、他を当たるべきなのです。
拙速に「ならば、この商品はいかがでしょう」と問いかけても、相手にその気がなければ、その説明をする営業にとっても、話を聞くお客さまにとっても時間の無駄です。
ノルマ達成のプレッシャーを抱え、少しでも多くの成約をとりたい気持ちはわからなくもありません。しかし、そう簡単に、答えが出るようなものではないはずです。その場限りで、売ればあとのおつきあいがないような商品なら、そんな悠長なことはいってられないと言うかもしれません。しかし、末永くおつきあいしてゆくお客さまに、これではあまりにも手前勝手というものでしょう。
自分の幸せにしか関心がない。こちらのことなど、お構いなしに、売りつけようとする態度。こんな営業とおつきあいして、幸せになれるはずがありません。こんな手前勝手な営業さんは、出入り禁止にさせていだきます。
もちろんこれ以外にもいろいろあります。例えば、身なりがみすぼらしく髪の毛がぼさぼさな営業、話していることに中身がないのにやたら元気がいい営業、なんでもうちが一番だと他社をさげすむ営業・・・まあ、きりがありません。
ただ、この人達に共通していることは、明らかに想像力の欠如です。相手がどういう状況にあるのか、どうしてくれたらうれしいのか、相手は気持ち悪いと思わないだろうか、相手のプライドを傷つけてはいないだろうか・・・デリカシーのない人、KYな人に共通に見られる特徴は、こういうことへの想像力の欠如です。思いやりや愛情の欠如と言い換えてもいいかもしれません。
もちろん、ひとはいつもこの通りうまくできるとは限りません。感情の高ぶり、予期せぬ反応への困惑、こちらの手札や準備の不足など、完璧などありません。ただ、お客さまに喜んでもらいたい、お客さまの成功をお手伝いしたいという意欲と愛情があれば、多少の失敗は、理解してもらえるものです。
挨拶もそこそこに、“我が社の商品は・・・”と語り出す人に、このような愛情を期待することはできません。即刻ご退場いただくのが、御社のため、いや自分のためというものです。
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2011年2月6日日曜日
「汚い提案書」を平然と提出できる残念な人たち
ある自治体の新庁舎建設に関連し、LANシステムの提案コンペがあり、私は、その審査のお手伝いをさせていだくことになりました。
各社、それぞれに自信作を出してくるものと期待したのですが、「なんだ、これは?」と思うものも少なからず混じっていたのです。中には、システム構成図と見積書に表紙をつけただけというものもありました。「貴方の強みはなんですか?どこが他社と違うのですか?貴方の会社を選ぶ理由はどこにあるのですか?」そんなメッセージは、どこにも見当たりません。
そして、意外と多かったのが、「汚い提案書」です。文字のサイズやフォントの不統一。ぐちゃぐちゃと描かれたシステム構成図。ページ毎に異なるレイアウトや相手の思考過程を無視した資料の順序。せっかく、まともそう(?ボリュームだけは・・・)な内容なのに、相手にわかりやすく伝えようという配慮をまったく欠いています。いろいろと資料を作ったので、もったいないとでも思ったのでしょうか、とにかく、ありとあらゆる資料を詰め込んだというようなものもありました。
公共施設のコンペですから、内容をしっかりと理解し、評価しなければならないとは分かっているのですが、これはもう実にストレス以外の何者でもありません。
結局、最後に残った3社で、最終選考となりました。さすがに、ここまでくると、内容的には各社甲乙つけ難しです。システム構成や金額、構築の手順も大差はありません。結局最後に判断の基準としたのは、提案書そのものの「美しさ」でした。こんなことを書くと、「それは違うだろう。中身じゃないの?」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、だから「美しさ」なのです。
「美しさ」とは、決して装飾やイラストなどの技巧ではありません。もっと本質的なものなのです。
「美しさ」というものは、「綺麗」であることだけでは、成り立ちません。「存在感」がなくては、人は美しいとは感じないものです。つまり、中身に魅力がないものは、美しくないのです。もう一つ大切な要素は、相手への気遣いです。どうやったら、相手にストレスを与えず、伝えたい本質を即座に分かってもらえるだろうか。そんなことを追求してゆくと、結果として美しくなってしまうのです。
「美しさ」とは、内容の存在感と相手への気遣いを追求した結果です。そういうことを追求できる提案者は、きっといい仕事をしてくれるだろうと思うのは、そんなに間違ったことではないと思っています。
会社の力量とは、決して技術力だけではありません。ビジネスは、常に相手があって初めて成り立つわけで、意思疎通を図る力も、大切な能力です。それができない相手と仕事をしても、うまく仕事が進むとは思えません。
まだ整理はついていない、しかし、とにかく、今の気持や状況を伝えたい。そんな相手の話に耳を傾け、これをバラバラに要素分解して、改めて考えてみる。そこにどんなつながりがあり、何が重要で、何が枝葉末節なのかと。そして、その要素を再び自分なりの解釈で組み立て直す。このような論理的思考力が、まずは必要です。
しかし、これだけでは不十分です。そうやって組み立て直した思考の産物を、相手にわかりやすく伝える工夫をしなければなりません。どんなに自分が分かったつもりになっていても、相手に分からせる力がなければ、円滑な意思疎通を図ることはできません。
ある写真のノウハウ本にこんな一節がありました。
「はじめのうちは、前から後ろまで全部きれいに写っている写真がいいだろうと思ってしまいます(このような写真は)ピンボケにならない代わりに -中略- ごちゃごちゃしてしまうのです。見る人がどこを見ていいのか分かりません。「ピントを合わせる」という言葉がありますが、ピントをあわせるところがまさに見てほしいところなのです。写真を見たとき、誰もがピントが合っているところに目を向けます。だからそれだけにピントが合っていて、他のところが全部ぼけていれば、そこがすごく強調されます。(「デジタル一眼上達の極意・米本昌英 著/P19-20」)」
「表現とは、捨てることである」という先達の言葉にもあるとおり、相手の言ったことの本質や核心をうまく際立たせなければ、伝えたいことも伝えられません。「ところで、要点はなんなの?」と聞き返されるだけの話です。これでは、ビジネスの効率は上がりません。
本質、あるいは、骨格というものだけを残し、あとはぼかす、あるいは捨て去ってしまってこそ、伝えたいところだけを浮き彫りにすることができます。それができれば、相手はストレスを感じることなくスッと理解できるのです。
ものごとを分析的にとらえ、要素分解したものを論理的に再構成する。そんなものごとの考え方を「ロジカル・シンキング(Logical Thinking)」ということは、既にご存じの方も多いと思います。ロジックツリーやフレームワークは、そんな思考のための道具です。
しかし、これだけでは不十分です。たとえ物事を整然と整理できても、ではいったい、どれが核心であり、自分は何を伝えたいのかをはっきりさせる必要があります。つまり、論理的に整理したものの中から、核心となるものを際立たせなければ、相手にうまく伝えることはできません。そこで、出番となるのが「美しさ」です。
「美しさ」は相手を気持ちよくさせてくれます。そして、心に訴えかけ、ものごとを理解しようとする心の扉を開いてくれるのです。全部ではなく、伝えたい内容の骨格や本質にのみピントを合わせ、それのみを浮かび上がらせる。それは、論理的な思考だけでは無理なのです。ビジュアルにものごとを考え、表現する力が必要になります。
ロジカル・シンキングで整理したもの。その構造を支えている骨格を、言葉による説明ではなく、今度は、視覚的表現を借りてレントゲン写真のように描き出す。周りを覆っている肉や皮膚そぎ落とし、伝えたいことの本質を浮かび上がらせる。そうやって描かれた絵や図表は、感性の力を助け、優しく、抵抗なく、もとの論理構造を相手の脳の中に送り届けてくれるのです。
このようなものごとの考え方を普及させようと取り組んでいる友人がいます。その友人こと櫻田さんは、これを「ビジュアル・シンキング(Visual Thinking)」と名付け、その普及に命をかけています(笑)。是非、彼のサイトを見てあげてください。その追求は、半端じゃありません。
私たちは、ビジネスの現場にあって、「ロジカル・シンキング」を求められています。しかし、このような左脳の働きだけではなく、論理を相手に優しく、わかりやすく伝える「ビジュアル・シンキング」もまた、大切なビジネスの道具になるのではないかと思うのです。これは、きっと右脳の力なのかもしれません。
人は、相手の話を聞き、考え、整理し、表現し、伝える。コミュニケーションはこのプロセスの繰り返しです。なるほど、人間とは、やはりうまくできているんですね。こうやって、右脳と左脳が、支え合ってい、ひとつの役割を果たしているのかもしれません。
■おまけ■ 櫻田流とは、異なる流儀ですが、私なりのビジュアル・シンキングに挑戦してみました。タイトルは、「これ一枚で分かるBI(ビジネス・インテリジェンス)」。さて、いかがでしょうか?
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Facebookを使い始めて、まだ間がありませんが、ブログやツイッターとは、また違う可能性を感じ始めています。実名参加、蓄積される情報、ソーシャルグラムによる興味や関心の連鎖など、自分の発言に対する責任の所在が明らかとなり、その質と信頼が担保されることが期待されます。
そんな可能性に期待して、ブログへのご意見をこのファンページで共有し、皆様との議論を深められればと願っています。
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